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渋谷で「ウルトラポスターハリスター」コレクション展-50~60年代のポスター展示

渋谷のギャラリーで1950年代~60年代に制作された現代芸術のポスター展が開催されている(写真=笹目浩之さん)

渋谷のギャラリーで1950年代~60年代に制作された現代芸術のポスター展が開催されている(写真=笹目浩之さん)

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 渋谷・東急本店近くの「ポスターハリスギャラリー」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-5456-7218)で現在、ポスター展「ウルトラポスターハリスターコレクション ’50~’60s展」が開催されている。

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 同ギャラリーを運営するポスターハリス・カンパニー(同)社長で「ウルトラポスターハリスター」の異名を持つ笹目浩之さんが自著「ポスターを貼って生きてきた。」(PARCO出版)の出版を記念して開催する同展。同社は、飲食店を中心に演劇や映画などの「ポスター貼り」を手がける国内唯一の「ポスター配布企業」として知られる。

 笹目さんは1963(昭和38)年茨城県生まれ。1983(昭和53)年、当時の西武劇場(現パルコ劇場)から依頼を受け、アルバイトとして始めた「ポスター貼り」の仕事をきっかけに、「誰もやらないのなら突き詰めてみよう」と1987(昭和62)年に同社を設立。飲食店を中心に演劇や映画、展覧会などのポスターを貼る「ポスター貼り」業務を確立した。

 1992年に青山ハイパークリティカルギャラリーで初の展覧会「ウルトラポスターハリスター・コレクション展」を開催した際に「舞台興行系のポスターを保存しているところはない」(笹目さん)ことに気付き、ポスターに「歴史的価値がある」と考え演劇に特化したポスター収集も始めた。

 1994年には「ポスター美術館」を目指し、「貸し出し対応や啓蒙(けいもう)活動に役立てられれば」と本格的に「現代演劇ポスター収集・保存・公開プロジェクト」を発足。これまで収集したポスターは2万枚を超え、いずれも「役目を終えた(一度貼った)」ものを保存しているという。

 同展では、「ポスターの歴史を語る上で外せない年代」という1950~60年代のポスター25点を展示する。作品は、現代美術家・横尾忠則さんによる「終わりの美学」(1966年)、「椿説弓張月」(1969年)などの4点をはじめ、挿絵画家・グラフィックデザイナーの宇野安喜良さんが手がけた「読書週間」(1959年)、「星の王子様」(1968年)など4点、前衛芸術家で作家の赤瀬川原平さんの「少女都市」(1969年)、グラフィックデザイナー・故福田繁雄さんと写真家・繰上和美さんによる「EXPO’70」など。

 「ポスターは期間限定で貼られていることもあり、はかないもの。デジタルで見るだけでなく、足を運んで生のポスターを見てほしい。人を引きつけるエネルギーやパワーを見直してもらえれば」と笹目さん。「『ポスター貼りって仕事になるの?』と言われながらも僕はポスターを貼って人と出会い、これまでやってこられた。就職はしなくても生きる方法はある。その指標になれば」と自著に対する思いも。同16日・19日にはトークイベントも開く。

 開催時間は13時~19時。入場無料。今月23日まで。

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