渋谷・シネマライズが初の作品買い付け-「フローズン・リバー」公開へ

現代の米国が直面する社会問題を背景に、家族のために必死に生きる二人の母親像を描いた「フローズン・リバー」(2010年、監督=コートニー・ハント、提供=シネマライズ、配給・宣伝=アステア)

現代の米国が直面する社会問題を背景に、家族のために必死に生きる二人の母親像を描いた「フローズン・リバー」(2010年、監督=コートニー・ハント、提供=シネマライズ、配給・宣伝=アステア)

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 渋谷・スペイン坂の映画館「シネマライズ」(渋谷区宇田川町、TEL 03-3464-0051)で1月30日、同館初の提供映画「フローズン・リバー」の上映がスタートする。

 同館は1996年、独立系ミニシアターとしてオープン。以来、ミニシアターの集積地・渋谷を代表する映画館として「アメリ」(2001年、ジャン=ピエール・ジュネ監督)、「ぐるりのこと」(2008年、橋口亮輔監督)などのヒット作品を上映。2004年にはデジタル対応シアター「ライズエックス」をオープンした。

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 ギリギリの経済状態に追い込まれ、犯罪に手を染めながら苦境を乗り越える2人の女性像を描いた同作。コートニー・ハント監督の長編初監督・初脚本作品で、2009年のアカデミー賞にノミネートされ、映画祭で多数の賞を受賞するなど国際的に高い評価を得ながら、日本では「ドラマ市場の縮小」「作家性の強い作品への嫌遠」などの理由から配給がつかず、公開を見合わせていた。

 今回、同作に「感銘を受けた」という同館が、権利元から再三の依頼を受けて日本での上映権の獲得を決断。ミニシアターをけん引する同館が、映画宣伝・配給会社「アステア」(宇田川町)の協力を得て初めて作品の買い付け業に着手した映画として注目が集まる。

 併せて同館での公開1週間後には、映画情報番組の企画・制作業を手がける「マイシアター」(杉並区)との連携により期間限定で有料オンデマンド配信も開始。ミニシアター作品を自宅で鑑賞できる機会を提供する同サービスは「映画館の立場で考えれば本当はあり得ないこと」と同館代表の頼光裕さん。

 「映画業界は非常に厳しい状況」としながら、「アメリカでは配信で映画を見ることは当たり前に普及している」点、「インターネットでの反響を通して、結果的にアート系の映画が映画館でヒットしたという現象も起きている」点などから、「競争ではなく、共存して『映画』を一緒に育てていきたい」という思いで同サービスを開始するという。「とにかく映画を見てほしい」(頼さん)。

 シネマライズほか全国で順次公開予定。

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