写美で「日本写真開拓史」展-幕末から明治期の未公開写真も

東京都写真美術館で「日本写真開拓史」展を開催中。幕末から明治期の未公開作品も公開

東京都写真美術館で「日本写真開拓史」展を開催中。幕末から明治期の未公開作品も公開

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス、TEL 03-3280-0099、以下写美)は3月10日より、日本全国にある幕末~明治期の写真・資料を調査して体系化する独自企画展「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史」を開催している。

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 日本に写真文化が持ち込まれるきっかけとなったのは、ペリー艦隊(1853年来航、通称「黒船」)率いる従軍写真師が撮影したとされる「日本最古の写真」。当時写真は西洋技術の象徴とされ、訪日する写真師との関わりから日本各地にも邦人写真師が現れるようになる。日本はその後、江戸幕府初期から200年以上続いた鎖国が幕を閉じ、写真史においても発展をみせていく。

 同展では、美術館、博物館、資料館など全国の公共機関を対象にアンケート調査を実施し、古写真や日本、日本人に関わる写真を体系化。シリーズ第1弾となる「関東編」では、「であい」「まなび」「ひろがり」の3部構成で展示を行う。

 展示作品は、ペリー来航時に撮影された「サムライ」のポートレート「黒川嘉兵衛像」(エリファレット・ブラウンJr./ダゲレオタイプ/日本大学芸術学部寄託/重要文化財)、欧州で撮影され持ち帰られた仏人写真家の作品「題不詳(甲冑姿の河津伊豆守)」(ナダール/1862年/鶏卵紙/東京都写真美術館蔵=写真)など。会場では、1890年代に撮影された野球少年の写真や、江戸の風景を捉えたパノラマ写真なども展示、中には今回の調査で所蔵元が明らかになった未公開作品も含まれるという。

 同展は今後、「四国・九州編」「中部・関西編」「北海道・東北編」と地域別に展示を進め、集大成の「総集編」でシリーズを完結する予定。3月24日・31日には、古典的な技法とされる鶏卵紙(けいらんし)を使ったプリントワークショップも開催する。

 観覧料は一般=500円、学生=400円ほか。第1弾「関東編」は5月6日まで。

東京都写真美術館

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