誰もがダンスを通じて自己表現・自己実現できる環境づくりを目指すプロジェクト「INCLUSIVE DANCE FES 26-27」が1月30日・31日、渋谷で初開催される。開催に向けて11月4日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)を中心に開かれている「SOCIAL INNOVATION WEEK2026」の中で記者会見が開かれた。
主催は日本財団DIVERSITY IN THE ARTS(千代田区、DARTS)、企画統括はダンス専門エージェンシーのODORIBA(神宮前1)。障害者と芸術文化の領域への支援を行っているDARTSは、東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、2019年からパフォーミングアーツの祭典「True Colors Festival-超ダイバーシティ芸術祭」を開催。その中で、障害のある人とない人のダンスバトルなどを実施。2024年には、ダンス・ボーカルユニット「新しい学校のリーダーズ」が、障害のあるパフォーマーや演奏者などとコラボレーションしたライブイベントを開いた。
こうした取り組みを通じて、「ダンスは皆がつながれるいいこと。ダンスにはいろいろな可能性があるのではないかと感じ、全国に進めていきたい」(DARTS朝重龍太さん)と、同プロジェクトを立ち上げた。フェスは、コンテスト、バトル、ワークショップ、ネットワーキングの4つのコンテンツで構成する。
バトル「2on2 ゴチャ踊れ!BATTLE」は、2人1組のチーム同士で対戦する「2on2 フリースタイルバトル」を1月31日に渋谷公園通りの「LINE CUBE SHIBUYA」(宇田川町)で行う。予選を勝ち抜いた障害のあるダンサー8人が、同バトルのディレクターを務めるダンサーのMiyuさんや、Dリーグ「FULLCAST RAISERZ」のメンバーでもあるTAICHIさんらゲストバトラー8人とそれぞれペアを組んで対戦する。
メインコンテンツとなるコンテストは同日、同所で決勝大会を開催する。会場は、車いす席を拡充するほか、手話通訳やリアルタイム字幕が「見やすい」席を設置する。今月7日にチケットの販売を始める。
コンテストには、種類を問わず障害のある人とない人それぞれが混在する2人~15人のチームが参加。ジャンル問わず2分30秒~3分の作品を披露する。ダンサーや振付師ら審査員が、スキルなどの技術(30%)、創造性やチームワークなど(70%)で審査する。「ガチ(本気)で挑んでほしい」(ODORIBAの荒木理恵子社長)という思いを込めて、賞金は総額150万円を用意する。
決勝大会には、札幌・大阪・名古屋・福岡・東京・オンライン(映像審査)で行われている地区予選を勝ち上がった3チーム(オンラインは2チーム)が参加する。10月3日の札幌を皮切りに予選が始まっている中、今月28日に国立オリンピック記念青少年総合センター(代々木神園町)カルチャー棟リハーサル室で開かれる東京予選、オンライン予選は現在も参加者を募集している。
荒木社長は、「ダンスの聖地だと思っている」と渋谷での開催理由を話す。後援する渋谷区の長谷部健区長は「渋谷にぴったりのイベント、流れだと思う。『ちがいを、ちからに変える街。渋谷区』は、多くの人が認め合って交じり合って新しい価値・文化を発信してきている街なので、ここからまた新しい価値・文化を発信していってほしい」と期待を込めた。
障害のある人とない人がチームを組むことについて荒木さんは、「分かれてしまいがちだが、一緒にやることで互いの理解や、どんな新しいクリエーティブが生み出せるのかという面白い試みになっている」と説明。「やってみたかったけれど場がなかった、やってみようとは思っていなかったけれど参加しやすそうなど、ダンサーであるかないかなどは関係なく参加してもらえたら」と呼びかけ、福祉という視点ではなく「純粋に新しいエンターテインメントと思って見ていただけるとすごく楽しめると思う」と話した。