Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月15日、琉球ゴールデンキングス(同、琉球)と戦い82-84で惜敗した。観客動員数は3839人。
前半100%の確率でシュートを決めるなどしたライアン・ケリー選手
立ち上がりからライアン・ケリー選手が強みを発揮したこの日。100%の確率で12得点を挙げたほか、速攻に走ったり、リバウンドでファウルを誘発したりチームを引っ張った。25-25の同点で迎えた第2クオーター(Q)序盤は、日本人選手のみで戦う時間帯もあったが、永吉佑也選手が外国籍選手相手に体を張って守ったほか、小島元基選手はアタックからのアシストや得点など攻撃をコントロールし一時12点のリードを奪う。終盤に3分強得点できず逆転を許すが、残り約5秒からの攻撃に津屋一球選手が前線に走りレイアップを決め43-45で前半を折り返した。
後半立ち上がりに連続失点しタイムアウトで流れを切ると、田中大貴選手、アンソニー・クレモンズ選手、ベンドラメ礼生選手と好守が続き試合を振り出しに戻す。61-64で迎えた最終Q。田中選手は3ポイントシュート2本など11得点を挙げたが、攻撃を組み立てるポイントガードとしてクレモンズ選手がいることで「元々やりたいことではあるが、ヒッターの(シュートを打つ)役割に徹することができているのは良いこと」と触れた。
1点ビハインドで迎えた残り14秒から琉球の攻撃。津屋選手がスローインのボールを奪い作ったチャンスで逆転に成功すると、ブザーの音が聞こえないほどの歓声に包まれた場内。しかし試合はここで終わらず、残り約9秒から再び琉球の攻撃。SR渋谷はチームファウルに余裕があったことから、「ドリブルを突き始めたらファウルをして」時間を削る戦術を立て臨んだ。ボールがコートに入る時にケリー選手がスクリーンに引っ掛かり、ボールマンに想定していた間合いで守備に付けなかったこともあり、ファウルがシュート中になると同時に得点を決められ逆転を許す「最悪なケースになってしまった」。パヴィチェヴィッチHCはさらに、延長も想定して個人ファウルがたまっていた田中選手やベンドラメ選手を出せなかったことなども加え「すごく難しいシチュエーション」と振り返った。
試合終了を告げるブザーが鳴った瞬間、天を仰いだ田中選手。「強いチームは今日みたいな負けは絶対に許されない。『あと少しで勝てた』『仕方がない』じゃ絶対に優勝できないというのは、過去5年くらいHCと一緒にずっと経験してきている。言い方は悪いがこれまでの渋谷はそういう経験がないチームだと思っているので、ハングリーさを求めていかないと強いチームにはなれない」と言及。「今いるメンバーは必死にハードワークしていて、可能性を秘めているメンバーだと思うのでチャレンジしていきたい。本当に勝たないといけない世界なので、甘さをなくすという意味では自分がこのチームに与えられる仕事の一つだと思うので、味方をプッシュしてやっていければ」とも。
「アップダウンが出てしまう」ことを課題に挙げたパヴィチェヴィッチHC。田中選手は琉球のミスを12回誘発しそこから25点を挙げた点などを例に、「良い時間帯ももちろんある。それを40分間徹底することができていないだけ。40分間通して一定の強度を保ちつつやらないといけない、それこそHCが求めること」と続けた。
開幕4連敗と今季まだ白星を挙げられていないSR渋谷。田中選手は、けがやコンディション不良で選手を欠いたことも含め「勝ちをつかめない痛さがすごくある」とこぼしつつ、「昨日より今日の試合は良かったと思うし、新しく始まったチームで試合を通して成長できる部分はあると思うので、そこを前向きにとらえて目の前の勝ちを目指してやっていくだけ」と話した。