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東急ハンズ、カインズ傘下に 来年3月に全発行済株式を譲渡へ 

1978年にオープンした旗艦店「東急ハンズ渋谷店」(外観)

1978年にオープンした旗艦店「東急ハンズ渋谷店」(外観)

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 ホームセンター大手のカインズ(埼玉県本庄市)が東急不動産ホールディングス(渋谷区道玄坂1)傘下の「東急ハンズ」を買収することが12月22日、明らかになった。東急ハンズは、親会社・東急不動産HDが持つ全発行済株式をカインズに譲渡し、来年3月31日付けでカインズ傘下に入る。東急不動産HDがこの日行った取締役会で株式譲渡契約を締結した。

井の頭通りから見た「東急ハンズ渋谷店」(写真中央)

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 「手を通じて新たな生活文化を創造しよう」を掲げ、ライフスタイル提案型ショップとして1976(昭和51)年に創業した東急ハンズは、1号店の藤沢店(1976年11月開業)、2号店の二子玉川店(1977年11月、いずれも現在は閉店)に続き、1978(昭和53)年に旗艦店となる「東急ハンズ渋谷店」(宇田川町)を出店。20以上の都道府県に進出し、生活雑貨や文具、キッチン用品、DIY関連など幅広い商品を取りそろえる雑貨・ホームセンター大手として多くの顧客を獲得してきた。

 地下1階・地上10階、延べ床面積は約4000坪の大型店としてオープンした「東急ハンズ渋谷店」(宇田川町)は、1990(平成2)年3月に新館(地上8階)を増床。2013(平成25)年9月には、店が入居するビル「西渋谷東急ビル」を、不動産大手ヒューリック(中央区)が買収した。都心部の店では、1984(昭和59)年10月に開業した大型店「池袋店」が10月31日に閉店している。2021年3月期の売上高は631億円(前年比334億円減)、71億円の赤字。都市部中心に展開する店舗が多く、コロナ禍の緊急事態宣言に伴う店舗の臨時休業や時短営業、インバウンド需要の大幅な減少などが売上低迷に大きな影響を与えた。

 一方、カインズは1989(平成元)年の会社設立以来、関東地方を中心に、東日本や東海地方、近畿地方などでホームセンターを展開。現在22店舗を構え、ショッピングセンター「ベイシア」や、作業服チェーン「ワークマン」などと共にベイシアグループの中核をなす。2021年2月期の売上高は4854億円(前年比444億円増)とし、ホームセンター業界でトップの売上を誇る。

 買収に当たり両社は、それぞれが掲げてきた生活や暮らしに軸を置いてきた企業理念の価値観に「極めて高い親和性がある」とし、独自商品の開発やデジタル基盤の活用などでシナジー効果を期待できると判断。趣味やホビークラフト、都市部に強い東急ハンズと、暮らし全般や地方・郊外に強いカインズの特長を生かし、手を組むことでDIYを生活に根付かせ、「自分らしい暮らしの実現」を目指す。

 具体的には、両社のSPAとしてのオリジナル商品の開発力やデジタル基盤を活用し、物流基盤の共通利用などでも物流・仕入機能の効率化を図るほか、東急ハンズ・カインズの各店舗でのイベントを通じ、DIY文化を発信していく構えだ。「東急ハンズ」の屋号は新会社設立に伴い、来年4月以降に変更を予定する。

 カインズ・高家正行社長は「45年前、オイルショックの中でオープンし、『手の復権』を掲げて生活文化を築いてきた東急ハンズの実績は最大の魅力。知識や目利き、接客などは一朝一夕にできるものではない。ハンズ店舗をカインズに変えていくことは決してなく、我々の基盤を活用しながらハンズの価値を磨き上げ、日本発のDIY文化を世界へ発信していきたい」と力を込めた。

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