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サンロッカーズ渋谷、ミス重なり今季4敗目 「何回も勝てるチャンスはあった」

3ポイントシュート3本を含む11点をマークした田渡修人選手(右)

3ポイントシュート3本を含む11点をマークした田渡修人選手(右)

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 Bリーグ・サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月21日、川崎ブレイブサンダース(同、川崎)と戦った。会場は墨田区総合体育館(墨田区)、観客数は制限付きで918人。

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 激しいディフェンス(DF)が持ち味となる両チームの対戦となったこの日。最初のポゼッションでベンドラメ礼生選手のバイオレーションを誘発されたが、そのベンドラメ選手は川崎のパスを読みスチール(ボールを奪うプレー)やスローインのボールにも手を出すなどアグレッシブさを見せた。オフェンス面では、石井講祐選手が前節から出場できていないこともあり「(自分が)得点を取る役割もある」と田渡修人選手がコートイン直後から得意の3ポイント(P)シュートを決めるなど積極的に得点を狙った。伊佐勉ヘッドコーチ(HC)が「大きなミス」「ガラッと流れが変わった」と振り返ったのは前半残り5.5秒からのDF。川崎が外国籍選手2人と帰化選手1人の身長2メートルを超す選手3人が同時にプレーするビッグラインアップでくる中、SR渋谷は外国籍選手1人と日本人選手4人で対応したが、スローインで身長差を突かれゴール下にボールを入れられ、ファウルで止めざるを得なかった。

 5点リードで迎えた後半だったが、ターンオーバーを連発し早々に逆転を許し開始約1分でタイムアウトを取ることに。伊佐HCは「しょうがないでは許されないような凡ミス、練習から徹底的につぶさないといけない」と厳しい言葉を口にした。攻撃の起点としてスターティング起用された田渡選手は、「プレッシャーを掛けてきているので縦に割ればよかったのに、セットプレーを遂行する意識が高く誰もリングを向いていていなかった。(出ている選手の中で)年齢的にも僕が一番上だったので、流れを止めなきゃいけなかった」と悔やむ。それでも、DFでミスを誘発したりブロックショット(シュートブロック)を見せたりと川崎の得点を抑え、ベンドラメ選手のドライブで再びリードを奪い、残り2.8秒で田渡選手が3Pを沈め3点リードで最終Qに突入した。チャールズ・ジャクソン選手のゴール下、盛實海翔選手の3Pなどで中盤まではリードする展開を見せたが、残り約2分でパスミス、スローインのミスが続き川崎に連続で得点を許し87-95で敗戦となった。

 ミスがあった一方、「いいファイトだった」と一定の評価を示した伊佐HC。「1番(ポイントガード)から4番(パワーフォワード)までつける、リーグでもあまりいないタイプの選手」と評価する渡辺竜之佑選手は、ガードや外国籍選手などポゼッションにより異なる選手とマッチアップしミスを誘発するなど、随所で好守を見せた。

 田渡選手は「何回も勝てるチャンスはあった」と振り返り、「ターンオーバーやDFリバウンドなど、今季自分たちが一番やろうと言っているところで負けた。皆で言い合っていたが、できなかった」と唇をかんだ。個人としては3P3本を含む11得点を挙げたが、最終Qは得点できず「勝負所で外したので責任は感じている。決めきらなきゃいけないシュートだった」と自責する。それでも、昨季は「消極的なことが多く不完全燃焼だった」ことから、今季はアテンプトを増やすことを意識。この日は3P6本を含む15本アテンプトしたことについては「手ごたえを感じている」と話した。DF面では、関野剛平選手や渡辺選手、広瀬健太選手などを例に挙げ「自分を含めチーム全体が(彼らの)DFに追いつかないと」とも。

 この日は短期契約で入団していたムッサ・ダマ選手の最後の試合ということもあり、田渡選手は「絶対に勝って送り出したかった」と言い、「献身的にプレーしてくれたし、オフコートでも紳士的でいい奴だった。申し訳ない気持ちでいっぱいだが、ありがとうと伝えたい」と感謝の気持ちを口にした。ダマ選手は「どんな状況でも一緒に戦う、オフコートでも結束力のある場面が多かった」とSR渋谷を表現し、「短い期間だったが親しい間柄で濃い時間を過ごし、信頼関係もできていたので、試合時間がゼロになった時はこみあげる思いもあった。でも、『さようなら』じゃなくて、『またね』と思っているので、また皆と会えたら」と再会に期待を込める。ファンに向け、「関わっている全てのサンロッカーズファミリーに、本当にありがとうと伝えたい。チームが戦っていけるのは皆のサポートがあってのこと。今後もどんな状況でも選手のために応援してくれれば」とも。

 3勝4敗と黒星が先行しているSR渋谷。伊佐HCは「(勝敗は)気にはなるし、今日も眠れないと思う。ただ、日々すごく成長を感じてはいるので、焦ってはいないが勝ちたい。やり続けていくしかない」と話す。田渡選手も「僕たちはもっといいチームになれる。練習から切磋琢磨して、言い合ってやっていかない上位に行けないと分かった」と言い、「3連敗した時は雰囲気が悪くなった時もあるが、下を向いている選手はいない。現実は受け止めなくてはいけないが、シーズンは長いし少しずつステップアップしていけばいい。しっかり話し合っているので雰囲気は悪くない」とチーム状況を明かした。

 SR渋谷は次節となる今月24日・25日、アウェーで宇都宮ブレックスと戦う。田渡選手は「相手は関係なく、チームのスタンダードである激しいDFからトランジション、自分たちのやるべきことを追求すればどこのチームにも勝てると思っている」とし、「悪い時間帯もあると思うが、その時間帯を短く、チーム全員で戦って、負けが込んでいるので連勝して上位に食らいついていきたい」と話した。

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