三井不動産（中央区）は6月11日、再整備中の「MIYASHITA PARK（ミヤシタパーク）」にホテル「sequence（シークエンス）」を開業する。同ホテルは三井不動産ホテルマネジメントの新ブランド第1弾となり、次いで7月に京都、秋に水道橋でも開業を控える。

公園に面しカフェを併設したロビー（イメージ）

　渋谷区立宮下公園は、1966（昭和41）年に整備された渋谷区立宮下公園の経年劣化・耐震性問題解消やバリアフリー動線の確保などを目的に、区が民間ノウハウや資金を活用し公募型プロポーザル（パブリックプライベートパートナーシップ、PPP）で指定した三井不動産と再整備を進めてきた。明治通りに沿い南北方向に伸びる全長約330メートル、3階建ての長い形状と、屋上部分に公園を整備する施設が特徴で、公園の下に商業施設・駐車場を一体的に整備する「立体都市公園」が4月にも完成する予定だ。

　外資系ホテルなどのラグジュアリークラスや「ザ セレスティンホテルズ」などのハイクラス、「三井ガーデンホテルズ」などのアッパーミドルクラスに対し、新ブランド「シークエンス」は、「新しい滞在価値の提供を目指す」として、トレンドや多様化するニーズに応え、気鋭クリエーターらと組み「個性」「文化」などのキーワードを打ち出す。「s」をシンボル化し円弧の連なりで構成するロゴは、互いに影響し合う2つの円で「やさしいつながり」を表現したという。

　名称は「sequence MIYASHITA PARK（シークエンス ミヤシタパーク）」。地上18階で、部屋数は240室（最大宿泊可能人数499人）。チェックイン17時、チェックアウト14時、朝食は12時までの「エニータイムブレックファスト」と、フレキシブルに対応できる時間設定としたほか、ICT技術で顔認証によるセルフチェックイン、ルームチェックアウトやキャッシュレスに対応。アメニティーは、必要なものをゲストが選べるボックスを導入し、再利用素材・脱プラスチック備品の積極的採用で地球環境にも配慮する。

　フロア構成は、4階＝ロビーラウンジカフェ、ホテルレセプション、5階＝レストラン、6～17階＝客室、18階＝ルーフトップバー＆レストラン。地域のクリエーターやアーティストの作品発表の場として、館内には街の歴史や成り立ちを感じられるインテリアデザインやアート作品を採用するほか、アート、フード関連などのコミュニティーイベントも開いていく予定。

　ホテル全体の企画プロデュース・運営パートナーには、ライフスタイルブランド「CIBONE（シボネ）」や「DEAN & DELUCA（ディーン＆デルーカ）」の国内展開などを手掛けてきたウェルカム（神宮前2）社長の横川正紀さんを起用した。「PARK MIND」をコンセプトに「ゲストが忙しい時間から解放され寛容な気持ちになれる、心地よい空間と時間を提供する」という。フロアデザインは、客室＝パドル、4階＝サポーズデザインオフィス、5階＝TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO、18階＝ノイズが、それぞれ担当する。

　客室は「感性にあふれた、東京の部屋」をテーマに、家具や備品で「本物の質」にこだわる。6階に入るのはバンクベッドタイプの「Bunk」。多人数での旅行や家族・友人同士などの利用に対応する。「Double」「Twin」は全室、渋谷の眺望を楽しめるという。客室の最上階17階の「Suite」の広さは約94平方メートルで、「選び抜かれたインテリア、調和し落ち着いた色彩」などが特徴。

　レセプションのある4階にはロビーラウンジカフェがオープン。宮下公園からつながるオープンなフロアで、カフェ＆バーとロビーが一体となった空間に仕上げ、宿泊客をはじめ公園利用者や近隣住民、オフィスワーカー、観光客などの利用を見込む。5階にはレストラン＆バーを展開。「五感で楽しめる」朝食などを提供する予定。

　渋谷の街をパノラマで一望できる18階ルーフトップバー＆レストラン「SOAK（ソーク）」は、「今から約100年前の日本が違うタイムラインを迎えたら、こんな世界が生まれたのでは」をコンセプトに、世界と渋谷をつなぐエンターテインメントレストランを目指す。開放感のある空間で「良質」な音楽を流し、イベント利用にも対応していく。経営はBAKERU（渋谷1）。

　1月28日には客室の予約受付も始めた。料金は、60日前までの早期割・食事無しで、Doubl＝1泊2人（1室）1万4,160円、Bunk Bed＝同1万6,000円など。