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渋谷のスポーツバー「ダイム」閉店迫る バスケ選手岡田優介さんが経営

「実感が沸かない」と話すオーナーの岡田優介さん

「実感が沸かない」と話すオーナーの岡田優介さん

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 プロバスケットボール選手・岡田優介さんがオーナーを務める渋谷のスポーツバー「Pizza&Sports DIME(ダイム)」(渋谷区渋谷2)が5月15日、閉店する。

バスケチームのユニホームなどが飾られている店内

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 男子バスケ「Bリーグ」の選手でもある岡田さんが同級生らと共に、「日本のバスケを盛り上げたい」と2012年10月に「Dining Bar DIME」としてオープンした同店。2016年2月、ピザを主力メニューとする現在のスポーツバーにリニューアルした。母校・青山学院大学(渋谷4)の近くに位置するが、「子どもの頃からバスケのメッカは渋谷だと思っていたので、出店するなら絶対に渋谷」と出店場所を探した。

 店名は、「バスケ好きが集まれる場所を作りたい」「人と人をつなぐ場所でありたい」という思いを込めて、バスケットボール用語のスラングで「アシスト」という意味を持つ「DIME」と付けた。2014年には、店名を冠にする3人制バスケ3x3(スリー・エックス・スリー)のプロチーム「TOKYO DIME」を立ち上げている。

 東京が五輪・パラリンピック開催地に決まった2013年に、2020年を一つの区切りと考えていたと言うが、閉店を考えるようになったのは今年になってから。業績の悪化や立ち退かなくてはいけない理由があるわけでは無いが、「お客さんがいなくなりどうしようもなくなって辞めるのはよくない。自分自身も年を重ね、(物事の)始まりと終わりを意識しなくてはいけないと考えるようになった」と言う。

 その中で、3年働いている店長を含めたスタッフの今後のキャリアや、「軌道に乗ってきている3x3にコミット」すること、「新しいことにチャレンジする」ことを視野に、「いろいろなものを整理するよいタイミングなのでは」と判断した。2014年には3x3のトップリーグが立ち上がり、2016年には5人制バスケのBリーグも開幕。3x3だけでなく、5人制バスケの日本代表も2020年の東京五輪に出場が決まるなどバスケ界が盛り上がりを見せていることから「一定の役割を果たせたのかな」とも。

 地階に位置する店舗は広さ約20坪で、席数はテラスを含め35席。白や木を基調に「アットホームな空間づくり」をしてきたが、近年増えてきたBリーグファンが「置いていった」、さまざまなチームのユニホームなどを飾っている。

 平日のランチは近隣のオフィスで働く人たちの利用が中心だったが、スポーツバーとして、サッカーや野球の国際試合のパブリックビューイングなども行ってきた。バスケファンの来店が多く、岡田さんが所属するチーム「京都ハンナリーズ」と渋谷を拠点にする「サンロッカーズ渋谷」のファン(ブースター)交流会が開催されたり、ファンが貸し切り利用したりすることもあったという。岡田さんはオープン当初は東京に住んでいたこともあり、「ほぼ毎日店にいた」と言うが、現在は京都が拠点であるため、オフシーズンなどに1日店長をするなど、店頭に立つのはイベント時など限られていた。

 約6年半営業をしてきたが「あの場所が無くなる、長い年月たっていた実感が湧かない」と言う岡田さん。「人を雇って働いてもらう責任感や、近年では自分が京都にいる中で働く人の環境づくりなど、学ぶことが多かった」と振り返る。「ダイムで知り合った人たちが結婚する『ダイム婚』が4、5件ある」というエピソードも。今後については「コンセプトが定まっていて、やりたいことがあればまた飲食店をやる可能性はある」と前向きな姿勢を見せる。

 15日の夜にはクロージングパーティーを開く(18時30分受け付け開始)。岡田さんをはじめ、歴代店長も出席するという。入場料は2,000円(1ドリンク、立食の食事付き)。

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