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根津美術館で企画展「酒呑童子絵巻」 描き手が異なる鬼退治絵巻3種

住吉弘尚が描いた「酒呑童子」より、源頼光らが酒?童子の首をはねる場面

住吉弘尚が描いた「酒呑童子」より、源頼光らが酒?童子の首をはねる場面

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 南青山の「根津美術館」(港区南青山6、TEL 03-3400-2536)で1月10日、企画展「酒呑童子(しゅてんどうじ)絵巻 鬼退治のものがたり」が開催される。

赤い鬼面を着けて踊る酒呑童子

 酒呑童子が「疫病をはやらせる疱瘡神(ほうそうしん)」ともいわれていることなどから、「邪気払い」の思いも込めて新春に開催する同展。酒?童子は、都の娘たちをさらうなど悪さをしていた「酒呑童子」という鬼を源頼光らが退治する物語で、多くの絵巻物や奈良絵本に描かれているという。同展では、同館が所蔵する3種類の絵巻を公開する。

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 今回、19世紀(江戸時代)に住吉弘尚が描いた絵巻8巻本の全巻を初公開する。同絵巻は、前半4巻で酒呑童子の生い立ちを加えているのが特徴。スサノオノミコトが酒を使って稲田姫をヤマタノオロチから救うところから、近江の郡司(地方官)の娘の子(後の酒呑童子)が3歳から酒を飲んだため比叡山に修行に出される場面、宮廷の慶事に鬼舞を舞った褒美に酒を振る舞われたことで「凶暴性」が表れてしまう瞬間、仙丈ヶ岳に住み着き娘をさらうなど悪さを働くところまで。

 後半4巻は他の絵巻と同様の内容で、源が自分に従う四天王を集め、三神の助けを得ながら酒?童子の住処にたどり着き、三神から受け取った「毒酒」で酒てん童子を酔わせたところで首を討ち取り、都に戻る。

 併せて展示する16世紀(室町時代)に描かれた絵巻は、熟睡する酒呑童子の寝顔が笑顔のように見えるなど「おおらかな画風」。17世紀(江戸時代)に絵師・狩野山楽(さんらく)が描いたとされる絵巻は3巻本を展示。酒呑童子が住む岩屋の庭は桜や藤、卯の花、紅葉、雪が積もった松など四季の草花が咲く「異界の庭」だったが「花鳥表現の入念さ」が特徴。酒?童子の首をはねた場面では、部屋の中の金屏風(びょうぶ)が細かく描かれているのが見られる。

 開館時間は10時~17時(入館は閉館30分前まで)。入館料は、一般=1,000円、学生=800円ほか。月曜休館(1月14日、2月11日は開館、それぞれ翌日は休館)。2月17日まで。

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