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雑誌「egg」復活から半年 新世代「ギャル」、ウェブに活躍の場

「egg」編集長・赤荻瞳さん(22)。手にしているのは雑誌「egg」創刊号

「egg」編集長・赤荻瞳さん(22)。手にしているのは雑誌「egg」創刊号

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 ギャルブームをけん引し、2014年に休刊した女性ファッション誌「egg」がウェブ版で復活してから半年が過ぎた。

ギャル復活? 「平成最後」の90年代ムーブメント、SNSで新世代ギャル台頭も(特集)

 1995年に創刊した同誌は、当時の女子高生のファッションや恋愛事情などを取り上げ、渋谷に集まる人気のある読者モデルやティーンのスナップ写真などを特集。金髪メッシュや、肌を焼きその後「ガングロ」「ヤマンバ」なども出現した派手なヘアメークや、へそ出し、ルーズソックスといったファッションもいち早く誌面で紹介し、小室サウンドやパラパラなどの流行も相乗効果を生み、当時のギャルのバイブルになっていた。

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 1990年代後半ごろからは髪をカラフルに染めるなどの「個性」も見え始め、2000年代に入ると色白系のギャルも混在するなど多様化・細分化していったギャル文化は、一部で継承されながらもブームは収束。SNSなどのネット情報の普及もあり、同誌も休刊した。4年の時を経て今年3月21日、ウェブ版で同誌を「復活」させたのは、幼少期からギャル文化に憧れ、復刊を熱望していた新世代の編集長・赤荻瞳さん(22)だった。

 埼玉出身の赤荻さんは、ギャルに憧れ当時通っていた渋谷で、高校2年生の時にスカウトされ、イベントサークル「マリア」を立ち上げ。そのつながりから、若者のマーケティングやセールスプロモーション、「女子高生ミスコン」などのイベントを手掛けるエイチジェイ(渋谷2)に就職。昨年12月、同社が子会社エムアールエーを設立する形で「egg」再開に踏み切る際に自ら手を挙げた。

 新「egg」では紙は発行せず、情報発信の場はもっぱらネット上だ。ユーチューブやライブ配信「LINEライブ」、ショート音楽動画コミュニティー「TikTok(ティックトック)」やインスタグラムなどのSNSを中心に、毎日ギャルの「最先端情報」を配信している。ウェブ版トップページの「カバー」画像は、当時eggを担当していたデザイナーが手掛けていることもあり、かつての「バイブル」もほうふつとさせる。

 創刊から半年を過ぎ、徐々に数字も増え、ティックトックのフォロワーは現在約10万人。今同誌で最も人気のモデルの一人、伊藤桃々さんのフォロワーは20万人を超える。SNSのまめな更新など地道な努力でフォロワー数を増やしてきた伊藤さんは、Abema(アベマ)TVの恋愛リアリティー番組「オオカミくんには騙(だま)されない」シリーズに起用されたことも、人気爆発のきっかけになった。

 赤荻さんが「推す」eggモデルはほかに、同じくアベマTVの人気恋愛リアリティー番組「恋する 週末ホームステイ」に出演するハーフモデルまぁみ(小田愛実)さんや鈴木綺麗(きぃりぷ)さんら。赤荻さんによると、きぃりぷさんは「自分でも古風なギャルと言っている。断トツでメークが濃い」と現役のeggモデルの中でもかつてのギャル色が強いという。「茨城出身でしゃべりが面白い」のも人気の理由。

 赤荻さんは「ファッションやメークは多様化しすぎて単体でブームがつくれる時代じゃない。強いて言えばSNSやネット番組などの『コンテンツ』がブームになっている」と、人気を生むカギは「ネットにある」と焦点を定める。

 ネットには再び姿を現し始めているギャル。渋谷などの街なかで実際に姿が見られないのは、「センター街で自分のファッションなどの表現をしていたのが、今はSNSに自己表現の場がある。それが一番大きい」と分析。実際に街でモデルをスカウトしていた時代とは違い、赤荻さんもモデル探しには主にティックトックなどのSNSを使うという。

 SHIBUYA109(道玄坂2)が90年代のカルチャーやファッション、音楽を取り上げる形で10月20日に開催したナイトイベント「109NIGHT」では、店頭ステージでeggモデルらがパラパラを披露した。伊藤さんらがステージに登場すると、大雨の中集まった若者の一部からは黄色い歓声も起き、「リアル」でも手応えをつかんでいる。

 「LINEライブでのイベントも、毎月いろんなコンテンツでできたら。昔パラパラをしてた人に見せても恥ずかしくないようなパラパラパラのチームも作りたい。ウェブ媒体なので全国から盛り上げていきたい」と展望を明かす。

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