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広域渋谷圏が「デザイン」に染まる!?
開幕「東京デザイナーズウィーク」見どころ全ガイド

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国内外プロダクト一堂に−「100% Design Tokyo」見どころガイド

 東京デザイナーズウィークのメーン企画のひとつに成長した「100% Design Tokyo」は、ロンドン発インテリアデザイン見本市の日本版。巨大テント内に並ぶのは、国内外の企業やデザイナーが自ら商品を売り込むインテリアや生活雑貨、アクセサリーなど、国もテイストもさまざま。日本初公開の商材や製品化される前のプロトタイプなど新人・新製品の発掘の場にもなっている。

気鋭建築事務所が設計−インスタレーションで見せる最新プロダクト

■ TOTO×インテンショナリーズ
 会場内でもひと際目立ったのは、有名メーカーや老舗ブランドが気鋭の建築事務所と組み、商品ディスプレー用のこだわり空間を作り上げた特設ブース。「シンプル、上質」なデザインを提案するTOTO「ニュー マテリアル」シリーズのブースは、建築家・鄭秀和さん率いる「インテンショナリーズ」がデザインを担当。

 箱型になった照明を落とした空間に浮かび上がるのは、LEDによる円形の照明。同シリーズ新作の「目玉」(同社)で、クリスタル素材の「輪」がLEDで光る洗面カウンター「ルナクリスタル」と同じクリスタルを天井や床に配置。大型見本市ミラノ・サローネでも「好評を得た」(同)という、パリを拠点に活動する著名デザイナー集団「エリウムステュディオ」が手掛けたシャワー金具など、無駄をそぎ落とした美しい製品が並ぶ。

インテンショナリーズ ドコモ新端末に「amadanaケータイ」−テイ・トウワさん独自楽曲も(シブヤ経済新聞)

■ HOYA×クライン・ダイサム・アーキテクツ
 2006年にブランドを刷新した老舗クリスタルメーカー「HOYA」(本社=港区北青山3)は、ラフォーレ原宿のリニューアル設計などで知られ、東京を拠点に活動する建築デザイン事務所「クライン・ダイサム・アーキテクツ」とコラボレーション。昨年開いた直営店「HOYA CRYSTAL TOKYO」(南青山5)のショップコンセプト「シークレット・ガーデン」をテーマに、テント内に文字通りの「秘密の花園」を出現させた。

 クリスタルをかたどった黒一色のケージ(柵)でブースを囲い、中にはうっそうと茂った木や草の立体造形物。ケージをのぞくと、草木の間から輝くクリスタル製品が見えるユニークな設計。カラフルなクリスタルのリングや、表面の加工にもこだわったキャンドルやフラワー向けのベースなど店頭にも並ぶ新作に加え、アートディレクター伊藤桂司さん(Unidentified Flying Graphics=UFG)が手掛けた「フロリダ」シリーズ(参考商品)も公開している。

HOYA クライン・ダイサム・アーキテクツ

アイデア光るプロダクト−ブレイク間近?新進デザイナーに注目

■ 老舗ニットメーカー二代目が放つ「ニット帽」プロジェクト
 円形の什器にずらりと並ぶカラフルなニット帽、ブースには「KNIT CAP CUP(ニット キャップ カップ)」の文字。300種類以上の帽子を前に、これらの帽子の「正体」を説明してくれたのは、老舗ニットメーカー「白倉ニット」(本社=新潟県)の白倉重樹さん。昨年から同社初のオリジナルラインとして始めた「ニット キャップ カップ」は、専用サイト上でニットキャップのデザインを募集し、エントリーした全ての人が自分好みの帽子をデザインできるプロジェクト。

 全キャップをウェブ上に公開し、デザインした本人だけでなく一般にもネット販売される「デザインフェスティバル」形式で、売り上げ(4,000円)の半額が本人にキャッシュバックされるため、デザイン初心者でもデザイナー気分が味わえる仕組み。「口コミで知られるようになり、今年は前回の2倍近くエントリーが増えた」(白倉さん)と手応えを感じている。

 ブースでは、デザイン事務所「アジール」や、編集者・草なぎ洋平さんらによる編集・デザイン・イベント会社「東京ピストル」など12組(人)がデザインしたニット帽も紹介。子どもが描いた絵を転写したものや一本ラインのシンプルな帽子などデザインの豊富さに加え、タグに書かれた商品名や「デザイナー」のコメントを見ながらお気に入りの帽子を探すのも楽しい。

白倉ニット ニットキャップカップ

■ デザインユニット「ファーニッシュ」、平面から作る「遊び」立体プロダクト
足立区内に拠点を構える「furnish(ファーニッシュ)」は、吉川聡志さん、小室文吾さんによるデザインユニット。空のワインボトルにかぶせた花びんをかたどったカバーや、ボリューム感のあるフェルト素材のリングは、いずれももとは「平面」。吉川さんは「縫い目のないかたちをいかにきれいに見せるか。『楽しく』使える商品を企画している」と話す。

 2005年のブランド始動以来、フォークやナイフの形をそのまま外すことができるフェルト地のランチョンマットや、カップを置くと影のように見えるコースターなど、単純なアイデアで遊び心のあるデザイン雑貨を発表してきた。今春発表した「ring+」は、平面のフェルトパーツを組み合わせると立体リングに「変身」するアクセサリー。同シリーズのブレスレットもあり「プレゼントに買われて行く人も多い」(同)という。すでに森美術館など国内のミュージアムショップや海外での取り扱いもあり、今後の活躍が期待される注目のユニットだ。

ファーニッシュ

■ プラスチックパーツを組み合わせて作る「パブリックチェア」
 ブース内の壁面いっぱいに白とグリーンのプラスチックパーツを敷き詰め、巨大な「いす」を出現させたプエルトリコ出身の女性デザイナー、Maruja Fuentesさん。凹凸のある流線型の2つのパーツは、リサイクルプラスチックで、組み合わせることであらゆる公共環境に適応するという。いすはすでに、プエルトリコ国内のバス停にも設置済み。今後は注文があれば白、グリーン以外のカラーカスタムも受け付け、日本でも商品をアピールしていきたい考えだ。



「アイスランド」若手にも注目−国別ブースで新鋭をマーク

■ アザラシのニットも!? アイスランド発・多彩なデザイングッズ
 今年は、国別に若手や代表的なプロダクトを紹介するブースも目立つ。北ヨーロッパ・アイスランドのブースには、若手の自由な感性が光る商品が一堂に。同国南部のウール製品メーカーと5人のアーティストがコラボレーションしたプロジェクト「ヴィーク・プリョンスドッティル」は、アザラシを思わせる着ぐるみ風のニットや、ニットを重ね合わせ波をイメージしたブランケットなど、地域に伝わる神話や習慣などを表現に取り入れながらもポップでカラフルなデザインの同国産ウール100%のニット製品を日本初公開。

 魚の頭の骨を付属の接着剤とカラフルな塗料でアレンジできるモデルキット「サムシング・フィッシー」(デザイナー=ロースヒルドゥルさん)や、カラス型のハンガー(デザイナー=インギビョルグ・ハンナさん)など、自由な発想で作られた約10ブランドがそろう。

■ カナダブースは“不思議”家具「ストレートライン」をチェック
 「Kanadaからダ」と題し複数のブースを展開するカナダからは、コミックの世界から飛び出したようなユーモアのあるデザインで知られるインテリアブランド「ストレートラインデザイン」などが出展。子どもの絵本に登場するような愛らしい曲線が珍しい引き出し「Cindy」やテーブルが片足を上げている「Bad Table」など、デザイナー・シャドソンのユニークなデザインを楽しめる。

 カナダブースではこのほか、バンクーバーでキャビネット職人によって設立された「メリットキッチンズ」のインテリアや塗装タイルメーカー「インタースタイル セラミック&ガラス」などが出展。国別ではオランダの大規模ブースや韓国などのデザインブースも。国を通して見るデザインに、各国の個性や特徴を感じとることできる。

「書斎」展に「マテリアル」展…インテリアの魅力探るパフォーマンスも

■ いすと照明で「書斎」表現−お気に入りの空間は?
 白く明るい印象のテントと並び、「照明」などを扱うため1トーン暗い空間が広がる別テントの中でも注目は、1脚のいすと1つの照明を使い書斎空間を表現する「MY書斎」展。12企業が協賛し、デザイナーズチェアなどを提供。1.8×1.8メートルの限られた空間ながらも、思わず長居したくなる「落ち着き」空間が続く。



■ 世界シェア1位のタイルカーペットメーカーが初出展

本国・米国をはじめアジアなどにも進出する米タイルカーペット「インターフェイス フロア」は今回、100% Design初の試みとして登場した、建材・装飾部材メーカーによる「マテリアル&ディテール」ブースに初出展。「2020年までに地球環境に与える負荷をなくす」をミッションに掲げる同ブランドならではの「エコ」な取り組みをブース全体で紹介している。

 壁面には工場内で出た端材を再生したカラフルなヤーン(糸)を一面に並べ、接着剤なしで施行できる独自開発のタイルカーペットや、使用済みカーペットを回収しリサイクルする仕組みを商品やパネルなどを使い紹介。今後は「日本でも環境プログラムを強化していければ」(日本支社セールスマネージャーの南学秀さんは)と出展でプロジェクトの認知拡大を目指している。

インターフェイス フロア

■ 「素材」の楽しさを実践!?−英デザイナーの手作りパフォーマンス
 会場内のブースを自身のアトリエに見立て、黙々と作業を進めるのは、ロンドンを拠点に活躍するデザイナー、マックス・ラムさん。今回日本に初上陸した「マテリアル&ディテール」部門で、実際に「素材」(木)を組み立てる作業を実践している。インテリアへと形を変えていく素材の完成形を間近で見ることができるユニークな試み。

会場に広がる「コンテナ」の街−コンセプトが詰まった異空間

 これまで1区画に集積してきた貨物用コンテナ群は今年、会場の随所に出現する新たな形態に衣替え。100% Designの特設テントや屋外カフェを囲むようにコンテナが点在。アーティスト、デザイナーによるイスタレーションや、来場者参加型のエンタテインメント性のあるコンテナ、新製品やサービスのPR空間になった企業コンテナなどバラエティー豊かな異空間が楽しめる。

■ 常連「ナイキ」の大型コンテナ−初期プロダクト展示も
 コの字型の大型コンテナを使ったナイキは、「The Nike design 100」と題し、ナイキの歴史を振り返る独自企画を展開。コンテナを進むと、初期のランニングシューズや貴重なウエアなどが続々と登場。写真パネルも併せて「重さと闘いがもたらした100の産物」を紹介する。

■ エキサイト、リーバイスとコラボ−募集作品一堂に
 リーバイスと組み出展したエキサイト(恵比寿4)は、専用サイト上で募った「501」をテーマにした作品などを展示。「広辞林」の501ページを写した作品や、ダーツで「501」のアレンジを作った作品、計算機の数字を組み替え「5」「0」「1」を横一列に並べた作品など、501に着想を得たさまざまな作品を公開し、優秀作品のデザインをTシャツとして販売する。同展のためクリエーターが制作したオリジナルの待受画面も、コンテナ内に掲出したQRコードからダウンロードできる。

リーバイス501 UNBUTTONED.×Excite

■ 日英学生共同プロジェクト−「落書き」コンテナが人気に−
 数あるコンテナの中でも人気を集めていたのが、筑波大学大学院、芸術専攻・感性認知脳科学専攻と英ロイヤル・カレッジ・オブ・アートの学生による共同コンテナ。コンテナの入り口には「ラクガキ・ワークショップ」「お題=LOVE+FOOD」と書かれた黒板。来場者はチョークを手に、コンテナ内の壁面に自由に「落書き」できる参加型企画で、男女問わず自由に描かれた絵や文字がすでに壁いっぱいに描き込まれている。食の未来をテーマに、「デザイナー」の視点で今後の食のあり方を考える。

アメリカからドイツまで−フードも充実、会場内カフェガイド

■ J-WAVE Cafe
 FMラジオ局「J-AVE主催のカフェ。ウッドデッキのテラス席で会場内を見渡しながら飲食できる。アメリカン・ビーフ協賛で、1番人気の「アメリカン・ビーフ ステーキピラフ」(800円)をはじめ、「アメリカン・ビーフ ストロガノフ」(800円)などフードは米国産牛肉を使ったメニューが中心。ポテトフライ(300円)やニメストローネスープ(400円)などのサイドメニューも充実。ドリンクは、ビールなどアルコール各種が400円、ソフトドリンクは200円。

■ 100% BAR
 100% Design Tokyoテント内にある「デザイン・アート・テクノロジーの融合」をテーマにした「100% BAR」のメニューは、「レコールバンタン」の学生が担当。製パンチームによる手作りパンを使ったサンドイッチや鴨のソテー、サラダなど手の込んだ本格メニューを提供。製菓チームの作るオリジナルマカロンなどのスイーツも。店内には東芝製薄型液晶テレビを設置店舗は100% Designで巨大ボタンなどのショーデザインを手掛けるマイケル・ヤングさんがデザイン、アイスランド出身の女性アーティスト、カトリン・オリーナさんのアートワークにも注目。

■ ブリックファングLOUNGE
 ドイツで始まったデザイン貿易ショー「BLICKFANG(ブリックファング)」の東京版で、ドイツ、スイス、オーストリアなど欧州デザイナーのみを紹介する「ブリックファング東京」の特設テント内には、白い木製の小さな「家」風ラウンジが登場。ドイツビールなどのアルコールやドリンクをはじめ、チーズなどのサイドメニューも用意。


東京デザイナーズウィークの開幕と同時に、都内では六本木・東京ミッドタウンで「もうひとつ」の大型デザイン・イベント「DESIGNTIDE(デザインタイド)TOKYO」が始まった。2つのイベントに共通するのが、メーン会場で大規模な展示を繰り広げながら、周辺地域のデザイン、アート、ファッション関連などの店舗・ギャラリーと連携し、関連企画を展開している点。青山・原宿・渋谷など広域渋谷圏に点在する店舗・ギャラリーでも両イベントのロゴを見かける機会が増えそうだ。

「東京デザイナーズウィーク」開幕−広域渋谷圏がデザイン一色に(シブヤ経済新聞) 「デザインタイド」開幕−広域六本木圏がデザイン一色に(六本木経済新聞) 「デザインタイド」開幕迫る−広域渋谷圏各所で関連企画続々(シブヤ経済新聞)

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