東急東横店・屋上「ちびっ子プレイランド」、東館閉館で営業終了へ

汽車などのレール走行乗り物遊具、消防車、ロボットなどをかたどった定置式乗り物遊具などが並ぶ場内

汽車などのレール走行乗り物遊具、消防車、ロボットなどをかたどった定置式乗り物遊具などが並ぶ場内

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 東急百貨店東横店(渋谷区渋谷2)東館が閉館する3月31日、屋上遊園地「ちびっ子プレイランド」も営業を終える。経営は、アミューズメント事業を展開するニチゴ(埼玉県三郷市)。

トランポリンなどを備えるアスレチック広場「わんぱく島」

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 同社が1931(昭和6)年、日本で初めて開いた松屋浅草の「プレイランド」(2010年閉園)など、屋上遊園地は戦後の昭和20~40年代に最も栄えた。かつて西武百貨店渋谷店(現西武渋谷店)にも屋上遊園地が存在していたが、渋谷エリアで現存するのは同所のみ。同社が手掛ける屋上遊園地としても最後の1拠点となる。

 資料が残っておらず開業年は定かではないが、1951(昭和26)年~1953(昭和28)年に東横百貨店(現東急東横店・東館)屋上と玉電ビル(現同西館)屋上との間を往復したロープウエー「空中電車ひばり号」より前から営業していたことから、「1947(昭和22)年・1948(昭和23)年ごろにオープしたのでは」(同社鈴木徹也社長)。

 面積は約500坪。滑り台やトランポリンなどを備えるアスレチック広場「わんぱく島」(200円、4歳までは保護者同伴)、「機関車トーマス」などのレール走行乗り物遊具、消防車、船、ロボットなどをかたどった定置式乗り物遊具(100~200円)、エアホッケーやモグラたたきなどのゲーム機、綿菓子機、写真シール作製機などを置くゲームコーナーを展開。当初は観覧車など大型遊具も設置していたが、消防法の改正や時代に合わせて遊具を入れ替えており、現在は80台ほどの遊具・ゲーム機を備える。屋上ではペットショップ(1月末閉店)のほか、以前は売店や釣り堀なども営業していた。

 同所の昨年の来場者数は約31万人(うち利用客は8万人ほど)で、客層は、ファミリー=7割、子どものみ=1割、若者・年配客=2割。7割がリピーターで、中には三代・四代にわたり利用していた人もいるという。閉店に向け昨年12月ごろから客足が伸び、現在は前年比約5割増。最後の姿を写真に収めている人も多く、来場客からは「寂しい」「移設することはできないのか」などの声が寄せられているという。

 鈴木社長は「特に戦後は何もない中で街中のレジャーだった。(来場客からの)声もあるので残念」としながらも、「良い思い出、心の財産として残していただけるよう、最後まで安全とおもてなしをしたい」とほほ笑む。希望者には遊具を販売するほか、7割ほどは修理などを行い、同社が手掛ける甲府市遊亀公園(甲府市)内の子ども遊園地やイオン西新井(足立区)「ニチゴランド」などでの運用を予定する。

 営業時間は10時~17時(日照時間により異なる、ゲームコーナーは20時まで)。

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