特集

ビームス進出で路面店集積度アップ
内部化が進む「代官山」最新事情

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■“住む・働く・遊ぶ”のアクティブゾーンへ

東横線代官山駅の西側一角が再開発され、住宅と商業施設、フィットネスクラブや公園など公共施設が一体化した複合都市施設「代官山アドレス」が誕生したのは2000年8月。続いて同年12には「代官山アドレス」の向かいに、アパレル店舗15と飲食店18から成る商業施設「ラ・フェンテ代官山」が開業。八幡通りの周辺は一気に華やかで洗練されたエリアへと変貌した。大規模な再開発によって生まれたこのエリアは、かつての代官山とは異なる佇まいを呈している。たとえば「ラ・フェンテ代官山」のテナントには、渋谷や原宿には登場していないレディースブランドや和のリゾートを標榜する「萬葉庭」(MEDグループ)など新進気鋭のレストランが入居し、「代官山アドレス」とともに“大人マーケット”を牽引している。「週末には子供であふれている」と揶揄されることの多い代官山だが、確実に大人化が進んでいると言えよう。

ラ・フェンテ代官山

渋谷を「スリ鉢状の谷底に展開するコンパクトな街」と形容するなら、代官山は「小さな山の頂上を中心に展開するコンパクトな街」と言えるだろう。共通しているのは、隣接するエリアと連動しながらも明確な個性を浮き彫りにしていること、コンパクトな中に様々な機能が盛られていることなどが挙げられる。代官山はかつて地元住民の“住む“街であったが、アパレル企業と飲食店の進出によって今日では“住む・働く・遊ぶ”といった都市の要素を抱える街になったと言えるだろう。さらに「代官山に住みたい」と考えるニーズに応えるべく、新たな住宅の整備も整備されてきた。

代官山アドレス ラ・フェンテ代官山

賃貸マンションの商品企画や賃貸運営のトータルマネジメントを営む「三井不動産住宅リース」(本社:新宿)が2月、猿楽町に建設した「ミルーム代官山」は大型ショップと賃貸住宅から成るビル。場所は八幡通りから猿楽小学校裏の交差点を入った先の四つ角。1階から6階までは住居部分(総戸数83戸)。物件はすべて賃貸で、間取りは1ルーム~3LDK。賃料は204,000円~850,000円。ショップは地下になるが、坂に面しているため正面からは1階に見える。今春にはアパレル2店舗、インテリアショップが1店舗開業する予定とのこと。同物件を手がける「三井不動産住宅リース」営業本部新都心営業所によると、2月15日から入居が始まり、現在でも1日5組以上が下見に訪れ、問い合わせが殺到しているという。1ルーム、1LDKが多いので、入居希望者は年齢的に若い人が多い。場所柄サラリーマンの希望者は少ないようだ。「代官山を中心に物件を探している方ばかりで、ニーズの高さに手ごたえをつかんでいる。八幡通りから一本入った道路にあり、緑も多いこともあってすこぶる人気である」とは担当者の弁。問い合わせは都内がほとんどだが、現在、原宿、渋谷に住んでいる方からの連絡も少なくないという。

ミルーム代官山
ミルーム代官山

一方、住宅地へのショップの進出も少しずつ進んでいる。2002年9月、猿楽町の住宅街の一角にオープンしたのが、スーパーモデル冨永愛のディレクションによるセレクトショップ「deep sweet easy」(ディープ・スゥイート・イージー)。場所は「ラ・フェンテ代官山」の真裏の通り。界隈は住宅地と「渋谷区猿楽トレーニングジム」などが連なっているエリアだが、周りのマンションに身を隠すように佇む店舗はすぐには見つからないほど。外観の側面はガラス張り、ピンクの扉が目印。同店プレスの細川さんは「富永とスタッフがこの場所を見つけた。富永が場所、外観ともとても気に入っている」と話す。商品は遊び感覚を取り入れたデニムを中心に展開し、オリジナルのほか富永自身がコレクションの際に世界中で買い付けてくるアイテムが並ぶ。遠方から富永ファンが訪ねてくることも多いとか。

deep sweet easy
deep sweet easy

「deep sweet easy」同様、あえて裏通りに進出する店舗は少なくない。代官山でこういった傾向が生まれたのが「代官山アドレス」の誕生と時期を同じにしていることは興味深い。「deep sweet easy」と同じ裏通りに2000年秋にオープンした「senang.dua」 (セナングドゥア)もその一軒。エステティックの最大手「TBC」が運営する生活空間複合ショップ。派手な宣伝はしないが、大人の女性を中心に集客している。1階は野菜を中心としたカフェ「senang.dua_kopi」、2階はインポートのインテリア雑貨をはじめ、食器やバスグッズなど生活雑貨が揃う「senang.dua_toko」、3階はフットエステサロン「senang.dua_baru」。同店のような、少し隠れた店が地元のOLに支持されているようだ。

senang.dua/TEL 03-5428-8484

■住民意識の高い代官山の動向

もともと住民意識の高い代官山では現在、「渋谷会議所(旧朝倉邸)」の保存に関する要望が自然発生的に生まれ、署名など活動が具現化しつつある。旧朝倉邸とは、元々東京府会議長を務めた朝倉虎次郎氏によって大正9年に建築された個人の邸宅で、近年は財務省所管の用地で、建物と庭園は内閣府関係の会議所として使用されてきた。東京大学鈴木博之教授の調査によって、その庭園とともに大正期の和式住宅の造作を今に伝える貴重な文化的資産として、登録文化財にするべき価値を持ったものであることが分かっている。同施設が今春3月をもって関東財務局に返還され、その後、別の自治体や公共団体からの希望がない限り競売対象になるという。そこで、保存を要望する呼びかけ人が集まり、2002年夏に「旧朝倉邸と庭園の保存を考える会」が生まれた。

現在、「代官山ホームページ」を運営する「アスピ」(本社:猿楽町)が全面協力し、オフィシャルサイトとして活動状況を報告している。同社代表の岩橋さんは「渋谷会議所として実際に使っている施設なので、とてもきれいな状態にある。旧朝倉邸は代官山のランドマークにもなっている施設のため、環境資源が失われることに危惧を抱いている。予想以上に、保存に共感を抱いてくれる方が多く、今後、具体的な活動を計画している」と説明する。今後、署名活動を活発化させるために「代官山カード」と連動する形で代官山の個店に協力を仰ぐことも計画中。「スピードの時代からスローライフの時代へとシフトチェンジする時代。識者やショップと連絡を取りながら活動を活性化していきたい」と、岩橋さんは意欲を見せる。

「旧朝倉邸と庭園」の保存を考える会

■春に向けて代路面店のオープンラッシュ

2月5日、「ワールド」が経営する服飾雑貨ブランド「マイフェアレディ」1号店が「代官山アドレス」の隣、八幡通りに面したビルの2階にオープンした。同店は英国、花柄をキーワードとして女性が本来持つ内面の美しさを雑貨やバッグ、シューズで表現するもの。ヴィクトリア時代をイメージした手彫りのアクセサリーに加え、アンティークジュエリーや時計も取り揃え、大人の女性に向けた品揃えを展開している。

同店プレスの野村さんは「年齢で区切ったターゲテイングは行っていない。大人の女性の中にある可愛らしさを表現したアイテムばかりなので、世界観を表すために店内もデコラティブな空間にした」と説明する。八幡通りに位置するが2階にあることもあり、不特定多数のフリー客から一歩進んだ「共感してくれる人」が足を運んでいるという。野村さんは代官山の特徴を「代官山は若い子が多いとされているが、実は年齢層は高い。また、代官山でしか購入することのできない商品を求めるというニーズが生まれている。そういった意味で代官山は新しいことを発信する特別な街になっている。特にファッションに興味があって感度の高い人が集まっている」と話す。

ワールド
マイフェアレディ

2月5日、恵比寿西から猿楽町に移転オープンしたのが「MILK FED」。場所は「OKURA」の斜め前に軒を並べる長屋スタイルのショップ集積ゾーンの1棟。経営はレディースのカリスマブランド「X-girl」を手がける「ビーズインターナショナル」(本社:渋谷)。「MILK FED」は「カリフォルニアクール」をコンセプトに1994年にスタートしたブランド。デザイナーは映画監督フランシス・フォード・コツポラの長女ソフィア・コッポラ。ソフィアは「ゴッドファーザー PART3」でアル・パチーノ演じる“ゴッドファーザー”の娘役で女優デビュー。その後、モデルとしても活躍している最中、「X-girl」のファッションショーのプロデュースに参加したことが「MILK FED」の立ち上げにつながった。

2月5日、同じく「ビーズインターナショナル」が経営するショップ「BOX FRESH」の日本初の直営店が「MILK FED」の右隣にオープンした。ロンドン発の同ブランドは音楽やグラフィックと密接につながったもので、店頭のウィンドウにはグラフィックアーティストの作品が用いられている。同ブランドのプレス担当の小湊さんは「ロンドンのカルチャーを発信するショップで、日本ではまだ無名に近いが、ロンドンの若者の間ではとても浸透しているブランド。店舗は10代後半から20代の若者がメインだが、グラフィックやロンドンのカルチャーに興味を抱く人なら年齢にかかわらず足を運んでくれる」と話す。オープン前夜に開かれたレセプションパーティにはロンドンのアーティストも来日し、店舗でドローイングライブを決行。店舗のウィンドウに描かれたグラフィックがそのまま店舗のサインになっている。

同店の特徴はファッションと音楽とグラフィックがシンクロしていることだが、店内には洋服とCDが同じ空間で販売されており、CDの試聴コーナーも設けてある。「BOX FRESH」が入る棟の背後には2月20日に4店舗同時オープンした「ビームス」のコンセプトショップが軒を並べている。路面店ながら6棟が集まったことで、ひとつの空気感をかもしだしていることに対して小湊さんは「6棟が集まったことで集客がアップすることを期待している」と語る。「代官山の印象は、意外に落ち着いたOLが多いこと。代官山のカジュアル・マーケットは『ハリウッドランチマーケット』が作ったと言えるが、その後、個性的な店舗が進出し、最近では幅広い層が集まるエリアになってきた。原宿より落ち着く街で、街のコンパクトさが上手く機能しているようだ。代官山の直営店の開店に関しては、店舗が集積しているので相乗効果はあるはず」と睨んでいる。

MILK FED BOXFRESH

2月8日、「MILK FED」の左隣に誕生したのが「FRAPBOIS(フラボア)代官山店」。経営は「ビギ」(本社:港区)が行い、渋谷では「パルコパート1」に出店しているほか、中目黒店も開店している。店名はフランス語の「FRAPPER(=打つ)」と「BOIS(=木)」をあわせた造語。デザイナーの宇津木えりさんの名前をもじった遊び心にあふれた店名になっている。「代官山店」は2000年8月にオープンした「代官山アドレス店」が路面店として猿楽町に移転リニューアルした形になっている。角地の2階建てビルはレディス・メンズ複合ショップで、全面ガラス張りの箱の中にもうひとつの箱があるような空間づくりが特徴。角地にあることと他の棟の中心に位置するため新たなランドマークになりつつある。店内には同社デザイナーの宇津木さんが海外で購入した雑貨が並ぶこともあるという。今春のテーマは「月」で、墨黒とオフホワイトをメインカラーに据え、展開する。

同ブランドのデザイナーで、ブランドのイメージ管理からすべての店舗のオペレーションを担う宇津木さんは「代官山アドレスの中に店舗を構えていたが、やや違和感があった。路面店として移転オープンしたことで、一気に知名度もアップした。アドレスに『フラボア』があったことを知らない人も多くいて現在の場所はブランドにぴったりだった」と話す。人の流れや売り上げ単価にも大きな違いがあるという。「実際には大人の女性が多いし、年齢層も幅広い。地元住民の方も来てくれる」と、明るい材料をつかんでいる。一方、他店舗のオープンの際には配慮しなかった「地元住民との近所づきあい」も代官山特有のコミュニケーション。住宅地がすぐそばにあるので、開店に際して広報担当者とともにご近所にあいさつをしてまわったという。「商業地域では考えられないことだが、近所づきあいは住宅地に出店した店舗としては大切なこと。現在の代官山は観光地化しつつあるが、近くに公園があり、全体的に建物が低いことが街の魅力。この景観はぜひ保ってもらいたい。住宅地の中に広がるスポットとして親しみが持てるのが代官山なのだから」と、宇津木さんは住宅地が一帯化した代官山の魅力を語る。

フラボア
BOX FRESH BOX FRESH BOX FRESH BOX FRESH FRAPBOIS(フラボア)代官山店 FRAPBOIS(フラボア)代官山店 FRAPBOIS(フラボア)代官山店 FRAPBOIS(フラボア)代官山店

■人気セレクトショップ「ビームス」も代官山に初進出

2月20日、「ビームス」が代官山に初進出を果たした。場所は前出した「BOXFRESH」「MILK FED」「フラボア」などが集積するエリア。しかも「P.O.V BEAMS」、「BEAMS BOY HOME(ビームスボーイホーム)」、「BEAMS T代官山」、「B印 YOSHIDA(B印ヨシダ)」など4店舗同時オープンである。「P.O.V BEAMS」は「レイ・ビームス」の新しいマーチャンダイジングによるショップで、1階はレディース、2階はメンズを展開。メンズフロアでは新プロジェクト「DIS」がこれまでにないカジュアルスタイルを提案する。「BEAMS BOY HOME」は「BEAMS BOY」のフルコレクションに加え、同店のみで展開するメンズサイズも登場。「BEAMS T代官山」は代官山のみで展開する限定作品も用意している。「B印 YOSHIDA(B印ヨシダ)」は国産バッグの人気ブランド「吉田カバン」とのコラボレートで生まれたニューショップ。このように4つのコンセプトショップはいわば“代官山仕様”を打ち出しているところが特徴。「ビームス」の試みに注目が集まっている。

上記の「ビームス」の4店舗(3棟)、前出した「フラボア」「BOXFRESH」「「MILK FED」の3店舗(3棟)は路面店が長屋のように集積するニュースタイルのゾーン。代官山に出現したこの一角は「ビームス」、「フラボア」を展開する「ビギ」、「BOX FRESH」を手掛ける「ビーズ・インターナショナル」の頭文字を組み合わせて「B-TOWN」と呼ばれている。代官山の路面店といえば八幡通り沿い、旧山手通り沿いに集まっていたが、さらに内部進出が加速していることを物語る動向だ。

同社販売促進部プレスの青野さんは「代官山のショップは『ビームス』の中でも今までやっていなかった切り口のショップばかりなので、その効果や市場ではどういった反応なのかということを測りたいと考えている。新しいことを始めるにあたって、従来の場所でなく、新しい場所でおもしろい試みをしてみたいという意図もあった」と出店のポイントを説明する。各店舗が“代官山仕様”を実施していることに対して「店の形態として小規模なので、わざわざ来ていただくことを実現するためには何がいいのだろうと考えると、わざわざ来て良かったと感じてもらえるのような商品や内装を表現している」と話す。個店の集積がかもしだす相乗効果も意識している。「今まで『ビームス』に足を運ぶことのなかった方にも見てもらえる機会が増えたといえる。あとは代官山という街を2003年からみんなでいい街にしていきたいという思いもある」と、青野さんは街の活性化にもふれる。「これまでは『ハリウッドランチマーケット』さんが頑張って代官山を牽引し、いい街にしてくれたという実績がある。長い時間をかけて作り上げてきたいいものを、さらに一緒になってみんなが楽しめる、いい環境の街にしていきたいという思いもある。出店した他店も同じ考えだと思う」。住民と店舗から成る代官山コミュニティーは確実に広がっている。それは代官山の個性にもつながっている。

続けて青野さんは地元密着の重要性を説く。「地元住民の方を大事にする気持ちを忘れてはいけない。小売をやっていくうえでは自分たちだけが良ければいいという発想はしない。もともと住んでいらっしゃる方や仕事をしている方ともコミュニケーションを取っていかなければならないし、代官山という環境でようやくみんなそれに気づいたのかもしれない。そういったコミュニケーションは一夜にしてできあがったわけでなく、住宅地であったところから少しずつ、志のある店が出店したという軌跡があってはじめていま実現している。それを忘れてはいけない」。代官山はもともと小規模な施設が点在していたエリア。渋谷、恵比寿、中目黒からもアプローチしや立地にある。「実は渋谷、恵比寿、中目黒の駅からも歩いて行ける。代官山駅で降りなくても歩いていけるという距離にある立地の特殊性があり、店の発展が一箇所に集中するのでなく、衛星のように点在していたという土壌があるので、『ビームス』が出店したからといって流れが激しく変わる、とは考えていない。ただ流れの中のひとつに選択肢として加わればいいと思う」と、青野さんはまとめる。

ビームス

並行して「代官山アドレス」の周辺ではリニューアルが続いている。「東急不動産」(本社:渋谷)が都心の低未利用地を暫定的に商業空間として有効に活用する「プラース事業」によって展開する「代官山プラース」は1997年に開業した複合商業施設。ブティック、カフェレストラン、ヘアーサロンなどを配した商業施設だが、現在は撤退した店舗の跡地に新店舗を向かえるべく、リニューアルの準備を進めている最中。今春にはニューショップが登場する予定とのこと。

東急不動産
ビームス BEAMS BOY HOME(ビームスボーイホーム) BEAMS T代官山 B印 YOSHIDA(B印ヨシダ)

一方、鎗ケ崎交差点角にある「Za house」(恵比寿西)も現在リニューアル中。1階に「OUT LET」、3階に「Ball Room」など人気ショップが入居しているビルだが、ビル自体が3月にリニューアルオープンする。恵比寿と中目黒をつなぐランドマークであることから、リフレッシュしたビルに期待が寄せられる。また、3月4日には「ニューズデリ代官山」(ラ・フェンテ代官山1階)がリニューアルオープンする。同店を経営する「サンライズジャパン」(本社:港区)レストラン事業部の佐藤さんによると、デリカテッセンの工場を兼ねた店舗になるという。「通常のデリ・カフェのスタイルを一新し、お客さんの席からシステムキッチンがすべて見渡せるように改装する。従来はできあがったものを食べてもらうだけであったが、改装後は調理の工程をすべて見てもらう、ライブ感覚にあふれる店舗になる」と佐藤さんは説明する。キッチンでの作業工程をオープンにし、その中にカフェスペースが展開。調理の様子をもエンタテインメントととして提供するスタイルは「ニューズデリ」系列店の中では「代官山店」が初の試みである。同社では感度のいい顧客が集まる「代官山店」でトライアルすることの意味は大きいと捉えている。

サンライズジャパン
Za house

3月20日は、並木橋近くのクラブ「エアー」の向かいに、仏タイヤメーカー「ミシュラン」のキャラクター「ビバンダム」と、仏自動車メーカー「シトロエン」のグッズを取り揃えた日本初の専門店「03 SHOP(ゼロスリーショップ)」のオープンも予定されている。同店は「ビバンダム」のライセンス販売・管理を行うエムクリエイティブが展開するもので、「ビバンダム」のTシャツ、トートバッグ等の女性向け商品や、インテリアグッズ、アンティーク商品のほか、「シトロエン」のカジュアルウェアなどを取り扱う。同社は代表の井上さんはこの場所に出店する理由について「こうしたキャラクター商品に感度の高い人たちが多いこのエリアを選んだ」と話す。

ゼロスリーショップ

渋谷駅から代官山へ徒歩で向かうルートと、恵比寿から代官山へ向かういくつかの徒歩のルートが自然に生まれ、さらに代官山と中目黒の回遊が生まれ、流動人口が増加した代官山。渋谷、恵比寿、中目黒から仰げば、文字通り坂の上にある小高い山に広がる代官山は、坂道が織り成す高低と昔ながらの生活道路が街にアクセントをかもしだしている。昨年から今年2月までにニューショップが誕生した場所は、八幡通りと旧山手通りに挟まれたトライアングルエリアに集中している。つまり大通りから入り込んだ内部に資本が投下され始めている。渋谷、原宿の路面店の開発面積が手詰まりになっていることを背景に、今や渋谷からも「徒歩圏」となりつつある「奥代官山」エリアが、不動産会社やデベロッパー、アパレル企業などの熱い視線を集めている。

代官山の名前を一躍全国区にした「代官山アドレス」は、昨年夏に開業3年を迎えたが、やはり完成度の高い商業集積空間だけに、街の景観に大きな変化が生まれくい側面もある。神南や原宿同様、街の風景は「路面店」の入れ替わりによって変化が生み出される。内部化が進む代官山は本来持っている「回遊性」の面白さに、こうした「新陳代謝」が加わり、さらに魅力的な街へと深みを増していきそうな勢いが感じられる。

03 SHOP(ゼロスリーショップ)
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