特集

一足先に熱い商戦がキックオフ!
渋谷・ワールドカップ関連ビジネス事情

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■ワールドカップは巨大なスポーツ・ビジネス

5月31日から6月30日まで、韓国と日本で開かれる世界最大のスポーツ・イベント「2000FIFAワールドカップ」。日本国内では、横浜、埼玉、静岡、大阪、神戸、大分など全10ヶ所で開催される。東京は開催地ではないが、開催地以上に熱い商戦が繰り広げられている。2月6日から15日まで、渋谷に訪れた人を驚かせたのが、東急東横店の壁面に現れた巨大な中村俊輔をかたどった巨大広告。日本代表オフィシャル・ユニフォームの発表にあわせて登場したもので、大きなインパクトを残した。

昨年12月、電通総研と社会工学研究所が発表した「ワールドカップサッカー開催に伴う日本国内の経済波及効果」によると、建設、工業、商業、輸送、対個人サービスなどを中心とした産業部門の需要拡大を通した経済効果は全体で約3兆3,000億円の規模にのぼるという。調査はFIFAワールドカップの日韓共催が決まった1996年5月から大会が終了する2002年6月末までを対象期間とする。国内10会場のスタジアム建設やキャンプ地整備などの建設投資と、延べ230万人の国内移動を想定した観戦客支出やスポンサー、メディア、家計などの消費支出を合わせ、日本のベスト8進出を基本に生産誘発額を算出している。但し日本が優勝した場合は3兆6,036億円に増え、1次リーグで敗退した場合は3兆1,221億円に減るとされている。

今や「ワールドカップ」はスポーツというカテゴリーを超え、オリンピックと並んで、巨大な経済波及効果を及ぼすスポーツ・ビジネスへと成長した。日本における情報発信基地=渋谷でも、すでに関連ビジネスの商戦の火ぶたは切って落とされている。

2001年10月7日、全国に先駆けて、渋谷と横浜に「ワールドカップオフィシャルショップ」が開店した。現在、オフィシャルショップは開催地10ヶ所と東京、名古屋の合計12ヶ所で展開。2002年FIFAワールドカップ日本組織委員会(JAWOC)が運営する同ショップは、開催地にちなんだ地域限定型の商品を発売しているが、渋谷パルコSR-6の「ワールドカップオフィシャルショップ東京店」(宇田川町)では、すべての開催都市オフィシャルショップのグッズが手に入る。アイテムは衣料、ステーショナリー、ハウスウェアー、雑貨など多岐に渡る。オフィシャルショップのみで販売する限定品も多い。

JAWOC広報事務局担当者によると、東京店は人が集まることをロケーションの条件として挙げ、若者が多く集まる渋谷で期間限定の物件を探し、現在の場所が選ばれたという。「東京店」の特徴のひとつは、外国人客の多さ。特に韓国人客が目立つという。担当者は「韓国にもオフィシャルショップはあるが、韓国と日本とではオフィシャル・スポンサーが異なるので、商品も異なる。同時開催国として韓国はワールドカップへの関心が高く、また日本への観光客数も多い。東京に降り立った韓国人観光客が東京店に訪れているようだ」と分析する。同店の人気アイテムは、普段でも着ることができるカウントダウンTシャツ。

2002FIFA World Cap Korea/Japan (JAWOC)公式ホームページ

サッカーと渋谷との接点は多い。日本サッカー界の歴史とともに歩んできた財団法人日本サッカー協会(JFA)の事務局が渋谷区道玄坂にあることで、サッカー関係者が渋谷に集まってくるのも見逃せない。日本代表チームやトルシエ監督の記者会見が行われており、マスコミやサッカーファンにも馴染みの場所となっている。他にも審判資格や指導者資格の取得など、サッカー人養成事業をJFAがオペレーションしていることもあり、渋谷にはサッカー関係者が集う機会が多くなる。

財団法人日本サッカー協会(JFA)
中村俊輔をかたどった巨大広告

■都市型施設では“空中戦”と“スポーツカフェ観戦”が人気

2001年7月にオープンし、すでに“渋谷の名所”となりつつあるのが、東急東横店西館屋上の「アディダス フットボールパーク渋谷」。運営は東急スポーツシステムが行い、オフィシャル・スポンサーとしてアディダスジャパンが参加している。交通アクセスが便利であることに加え、多くの人気アーティストがプロモーションビデオの撮影に使用したことから、J-POPファンの間でも知名度は高い。屋上の有効利用という観点から“屋上ビジネスの成功例”とも称される同施設は、ピッチ1面(31×15m)、人工芝、ナイター照明、男女ロッカー、シャワールームを完備した都市型スポーツ施設である。

支配人の坂口さんによると、利用客は20代~30代の男性がメインで、夕方以降(ナイター)の時間帯にはサラリーマンの姿も見かけるという。「時間に関係のない仕事に就いている人が多いのが渋谷の特徴。昼間でも20~30代の方がよく利用してくれる」と話す。また、JFAのオフィスが道玄坂にあるため、渋谷に出向いてきたサッカー関係者が同施設に立ち寄ることも多いという。新たな屋外商業施設の確保が難しい渋谷に、屋上という“空中戦”が残っていたのである。さらに特徴のひとつとして、ウェブ上でピッチ予約や対戦チームの募集(マッチメイク)が行えることが挙げられる。実際、ピッチ予約のほとんどがサイトで行われるという。利用客層にITユーザーが多いことの表れである。予約受付は1ヶ月前から開始。イベント大会のほか3チームリーグ(2時間で3チームがリーグ戦を行う、常設のミニ大会)も開かれている。

W杯開催以降のサッカー人口の動向やサッカー熱の変化を、坂口さんは次のように語る。「ワールドカップ・フィーバーの熱は多少落ちるが、サッカー人口が増えたとしても全人口の3%に過ぎない。おそらくW杯で初めてサッカーをきちんと観るという人が一杯いるはず。これまではサッカー経験者が当施設を利用してくれていたが、これからはサッカー経験のない人が、サッカーへの入口として使ってくれればと考えている。気軽で安全に利用できるのが、当施設のような都市型フットボールパークの良さ」。W杯の開催によって、サッカーが一般にまで普及すれば、利用客の裾野は広がる。また、大人の遊びとしては料金がリーズナブル(平日10,000~15,000/1時間、1.5時間、土・日・祝15,000~22,500円/1時間、1.5時間。チーム人数15~20人で割ると1人1,000円前後)であることも魅力のひとつ。坂口さんは、友人を作ったり、仲間との交流を深めるにもサッカーは最適であると示唆する。「サッカーはチームスポーツだから、友達の輪が広がる。サッカーは国や言語を超えたスポーツだからボールを蹴っちゃったら、みんな友達」と、坂口さんは談笑する。

アディダス フットボールパーク渋谷

1998年11月、明治通り沿いの「ワールドスポーツプラザ渋谷EAST」の地下にオープンした「ワールドスポーツカフェ東京」は日本最大級のスポーツカフェ。地方では経営が成り立ちにくいスポーツカフェだが、都内ではスポーツというエンターテインメント・ジャンルに絞り込んだ、新たな業態の都市型施設として認知されている。経営は「ワールドスポーツプラザ」と同じく日本スポーツビジョン。この「ワールドスポーツカフェ東京」は7月7日まで、期間限定で「バドワイザー・フットボール・バー」に変身し、営業を行っている。「バドワイザー」が2002FIFAワールドカップオフィシャルス・ビールであることから、東京でも抜群の集客力を持つ同店の期間限定バーが実現した。

同店では4月10日まで、バドワイザーを含む合計2,000円以上の飲食をすると、バドワイザーグッズが当たるスクラッチカードがもらえる。さらに「バドワイザーでWチャンス!」と銘打って、スクラッチカードの下部についている応募カードを店員に渡すと、抽選で毎月1組2名、合計3組6名にワールドカップ観戦ペアチケットが当たる抽選も設けられている。店内に設けられた50台のモニター、大型スクリーンで中継を中心としたスポーツ映像が楽しめるとあって、ワールドカップ開催中は混雑が予想される。

バドワイザー・フットボール・バー TEL:03-3407-7337
アディダス フットボールパーク渋谷 アディダス フットボールパーク渋谷

■オフィシャル・スポンサーとのコラボレーションも登場

世界最大級の店舗を渋谷にもつタワーレコードは、「WHAT IS YOUR FEVER?」と題して、2002FIFAワールドカップオフィシャルスポンサーのアディダスジャパンと6月までブランド・コラボレーションを行う。コラボレーション・プロジェクトのひとつとして、先立って発表されたのが期間限定で実施される「コラボレーションバッグ」。これは全国51店舗の直営店で一斉に、コーポレート・カラーである「イエロー×レッド」のショッピングバッグを、アディダスジャパンが発表した日本代表オフィシャル・ユニフォームの“ジャパンブルー”を連想させる「コラボレーションバッグ」(大:LPレコードサイズ、小:CDサイズ)に変更するというもの。バック表面のタワーレコードのロゴタイプはブルーに白抜きのロゴタイプとなり、裏面には「WHAT IS YOUR FEVER?」というコピーが記されている。ショッピングバッグの色が今回のようなコラボレーションで変わるのは、タワーレコード創設初とのこと。ただし、このコラボレーションバッグは、日本代表チームの親善試合とW杯予選に因んだ日に限って使われるため、プレミアム感も伴う。

コラボレーション・バッグ使用日(予定)

3月20日(水)~21日(木)
3月21日、ウクライナとの親善試合

4月16日(火)~17日(水)
4月17日、コスタリカとの親善試合

4月27日(土)~5月6日(月)
4月29日ホンジュラスとの親善試合、5月2日スロバキアとの親善試合

5月24日(金)~26日(日)
5月25日スウェーデンとの親善試合

6月3日(金)~14日(金)
6月4日予選 対ベルギー戦、6月9日対ロシア戦、6月14日対チュニジア戦

同社マーケティング本部広報室担当者よると、今回のコラボレーションはアディダスジャパンの今年のキャンペーン「I GOT BLUE FEVER」の「FEVER=(情熱)」という言葉をフックに「音楽の情熱」と「スポーツの情熱」をより多くのユーザーや一般にまで広めたいという思いのもとに実現したという。

アディダスジャパン タワーレコード

サッカーをテーマにしたアート展「アディダスアートフィーバー展」(入場無料)が3月21日~4月3日、Bunkamuraギャラリー(道玄坂)で開かれる。同展は東京、横浜、名古屋、大阪、福岡を巡回するもので、サッカーとアートの融合を目的とした展示会。「サッカーの情熱を発見する旅」をテーマに6つにテーマ分けされた、国内外の著名アーティストの作品70点以上を展示する。中には山本容子の銅板画、テレビアニメ「キャプテン翼」の原画、アディダス所有の製品群なども展示予定。さらに日本代表選手にちなんだオリジナルプリクラや、アディダス契約アドバイザーによるトークショーなどのイベントも開催が予定されている。さらにう、Bunkamura1階「ロビーラウンジ」では、「アディダスアートフィーバー展」開催期間中の特別限定メニューとして、日本チームの対戦国にちなんだドリンクと、トルシエ監督の出身国フランスにちなんだランチなど、いわゆる「ワールドカップメニュー」を用意する。ドリンクメニュー「H組対戦国メニューを飲み干そう」(800円)は、ベルギービール(ベルギー)、ロシアンティー(ロシア)、ジンジャーコーヒー(チュニジア)。ランチメニュー「日本チーム応援ランチ」(1,600円)は、フォアグラ丼、スープ、コーヒーまたは紅茶、シャーベットという内容。

Bunkamura
タワーレコード コラボレーションバッグ I GOT BLUE FEVER

■異なるタイプのショップが渋谷に集結

渋谷には前出のワールドカップ日本組織委員会(JAWOC)が運営する「W杯オフィシャル・ショップ」の他にも、サッカーファンを顧客に持つ「サッカー専門ショップ」、人気プロスポーツのアイテムを扱う「スポーツ・エンターテインメント・ショップ」、オフィシャル・スポンサーであるアディダスの「アディダス・オフィシャルライセンスプロダクツショップ」など、まったく異なるアプローチを持つショップが集結している。狭いエリアにこれだけのショップが集積しているのは、まさに渋谷らしい光景。日本代表チームのオフィシャル・ユニフォームや公式ボールなど、主要アイテムはすべてのショップで販売されているため、フリー客には各ショップの特徴がわかりづらいと思いがちだが、実はショップは顧客ターゲットを定め、見えない“棲み分け”が行われており、利用者もライフスタイルや目的に応じて使い分けている。

2001年12月、東急東横店東館1階に期間限定でオープンしたのが「アディダスオフィシャルライセンスドプロダクツショップ」。アディダスショップは、渋谷のアンテナショップ的役割。渋谷にはすでにアディダスの商品を大量に販売する、実績のある人気ショップが進出しているだけに、メーカーとしては直営の大規模ショップが展開できないことも背景にある。

「サッカーショップKAMO」は、全国に16店舗を構える国内屈指の老舗サッカー専門店。日本代表チームの監督を務めた加茂周氏の実弟である現社長が起業し、創業32年を迎える。日本にサッカーを浸透させるべく活動を続け、牽引してきた功績は大きい。渋谷エリアには「メガエスタディオ原宿店」と「渋谷パルコ店」があり、両店ともサッカーファンの“聖地”とでも言うべき存在。特に「原宿店」は29年の歴史を持つ。3階フロア-を利用客の目的やサッカー・キャリアに応じて構成しているのも特徴。1階は「ファッションや音楽などからサッカーに興味を持って入ってくる」客層に向け、2階はトレーニングをするユーザーに向け、3階は本格的にサッカーと取り組んでいる選手に向けて商品構成やディスプレイを整えている。ちなみに「エスタディオ」とはスペイン語で「スタジアム」の意味。

店長の堀口さんは「原宿店のオープン当時はJリーグもなければ、日本がワールドカップに出場するなど誰も予想しなかった。また、原宿に店すらなかった。国立競技場とJFAに近いという理由だけでこの場所が選ばれた」と振り返る。さらに「当時は、サッカー専門店を作るということ自体、世間の常識で考えられなかった。だから、まずサッカーという競技を一般に普及することが先決だった。それがビジネスにつながっていった」という。今日でも春にはフレツシャーズに絞り、サッカーをする新学生向けのキャンペーンを行い、サポートをしている。「まず、サッカーに興味を持ってもらうことが大切」と、堀口さんは企業のスタンスを崩さない。

オフィシャルショップ オフィシャルショップ オフィシャルショップ

同店では2月6日から発売を開始した日本代表オフィシャル・ユニフォームへのワールドカップ公式ボールは記念品でなく、実際のゲームで使用するために購入されるという。「ワールドカップ開催記念として買い求められるのは、開催間際か開催中。いま買ってくれる人は、純粋にサッカーが好きな人」と、堀口さんは分析する。同店はサッカー専門店の自負があり、ワールドカップ便乗ビジネスには手厳しい。「今年がW杯開催年だからというだけで、サッカーを利用する、ブームになるからサッカー関連商品を販売する、というスタンスはいかがなものか。そういったショップやメーカーはW杯やサッカーブームに便乗してマーケットをかきまわすだけ、かきまわして、熱が引いたらすぐに出て行く」。同店にとっては、Jリーグの発足もワールドカップの日本での開催も、ひとつの通過点に過ぎないのである。

同店の特徴のひとつに、階段の壁を利用して作られた“サッカー・ギャラリー”が挙げられる。展示品は「地方からこれを見るために来るファンがいる。世界じゅう探してもこの店にしかないという逸品も多い」(堀口店長)というほど貴重なもので、同店とサッカー界との強い結びつきを感じさせる。98年W杯フランス大会優勝国フランス代表選手の直筆サイン入りユニフォームやマイケル・オーウェン(イングランド代表)とアラン・シアラー(元イングランド代表)の足型や、デビッド・ベッカム(イングランド代表)、アレッサンドロ・デル・ピエロ(イタリアナショナルチーム)、ラウル・ゴンザレス(スペイン代表)、リバウド(フランスナショナルチーム)など、世界の有名選手のサイン入りシューズはファンにとってはまさに“お宝”。中には2000年6月、「キリンカップ」日本対スロバキア戦のフリーキックによるゴール時に使用していた中村俊輔のサイン入りシューズも展示されている。

サッカーショップ KAMO
サッカーショップ KAMO サッカーショップ KAMO サッカーショップ KAMO

■「W杯まであと100日」を記念して渋谷のショップが選ぶ「日本代表ベスト11」

明治通り沿いのスポーツ・ショップ「ワールドスポーツプラザ渋谷EAST」では2月1日~20日、「ワールドカップ100日前! あなたが選ぶ日本代表ベスト11」と題して、来店者が選ぶ日本代表スターティングメンバーの投票を実施し、2月20日(=100日前)にサッカー用品売場にボードを貼りだし、結果を発表した。 同店を経営する日本スポーツビジョンは全国主要都市に40店舗のショップを展開すると同時に、スポーツライセンスビジネスやコンサルティング、スポーツ専門ビデオ、DVDの輸入、商品開発などを多角的に営む総合スポーツ・エンタテインメント企業である。

「ワールドスポーツプラザ渋谷EAST」店長の篠田さんは同店で行ったイベントについて、「店で行う他のイベントと比べると、非常に回収率が高かった。人気の要因はスターティングメンバーへの関心の高さと、応募してくれた方全員にW杯缶バッジをプレゼントしたこと」と話す。来店者に自然な形でイベント参加させることで店内に活気が生まれ、波及効果は大きいと見ている。

ワールドスポーツプラザ
「日本代表ベスト11」投票結果発表

FW 柳沢敦(174票)
FW 高原直泰(80票)
MF 中田英寿(トップ下)(194票)
MF 三都主(左サイド)(101票)
MF 小野伸二(右サイド)(126票)
MF 名波浩(守備的)(99票)
MF 稲本潤一(守備的)(137票)
DF 中田浩(左サイド)(162票)
DF 森岡隆三(センター)(147票)
DF 松田直樹(右サイド)(132票)
GK 川口能活(214票)

ワールドスポーツプラザ

同店では日本代表公式ユニフォーム(13,900円)が2月6日の発売と同時に爆発的に売れている。ほかに公式球(14,000円)、海外ナショナルチームのユニフォームも人気が高い。特にイングランド・チームのユニフォームは抜群の人気である。篠田さんは「イングランドのユニフォームはカッコいいので、よく売れる。普段に着ることができるオシャレなアイテムがよく売れる」と話す。以前から渋谷のクラブなどで感度のいい若者がサッカーのユニフォームを着こなしていたが、篠田さんは「今年は普通の人が普段にサッカーのユニフォームを着るようになる」と断言する。

日本スポーツビジョン

サッカーブームを牽引してきたサッカー専門店、トレンドに敏感なスポーツ・ショップに加え、期間限定オフシャルショップ、オフィシャル・スポンサーの期間限定ショップが、それぞれのファンを獲得し、さらにオフィシャル・スポンサーの広告活動やオフィシャル・スポンサーが異業種とコラボレートするのが今日の渋谷である。しかし、水面下では人気ブランドの販売独占権の獲得合戦や、広告代理店のスポーツ関連ビジネスの戦場であるとも言えそうだ。

サッカーの歴史の浅い日本では、サッカーに強い関心を寄せるのはトレンドに敏感な若者に集中している。子供から年配まで取り込んでいる野球と比較すると、サッカー人口やサッカーファンのプロフィールが明確になる。この傾向は、サッカーがひとつのカルチャーとして長い歴史を刻んできたヨーロッパと大きく異なる。しかし、現代では、サッカーは“ナショナル・スタンダード・スポーツ”として認知されている。競技への参加、ゲームの観戦、ファッションとしてのサッカーなど、裾野を広げるサッカー関連ビジネスと、ターゲットとして渋谷に集まる若者が一致するため、渋谷はサッカー関連ビジネスの火花が散る“スタジアム”と化しているとも言える。業界としては、ワールドカップ関連ビジネスが加熱するのは当然のこと。むしろ肝心なのは、W杯開催以降、どれだけの固定ファンを残せるかということ。燃え盛るW杯フィーバー商戦を横目で睨みながら、W杯後のビジネスの動向が気になる関係者が少なくない。

公式球
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