形に夢中になるのではなく、原理に感動する―

菊池寛実記念 智美術館では、「関島寿子 かごについてのかご」展を2026年11月14日(土)から2027年3月22日(月・休)まで開催いたします。素材保護のために、会期を前期と後期に分け、約100点を展示します。
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関島寿子(せきじま・ひさこ/1944〜)は植物素材でバスケタリー作品を制作しています。
バスケタリーとは籠を編む方法、またはその方法で作られたものを指します。
しかし「かご」はかごでも、関島の作品は物を入れるための籠ではありません。
素材を編む方法を編組(へんそ)ともいいますが、関島はその編組の原理に着目し、「絡める」「結ぶ」「組む」「織る」などの基本的な構築法と、植物素材が持つ多様な特性、その組み合わせによってできる造形についての思考をかたちにします。
疑問や仮説、そこからの発見を起点に展開する関島の思考そのものが作品であり、それを造形に変換するところに技術と見どころがあります。

「なわの記録II/Re-cord II」2007年 h29.0cm
技術そのものを鵜呑みにせず、個々の方法を自分の観念に塗り直す―
1970年代後半に関島は約4年間滞在したニューヨークでアメリカの工芸に出合います。そこで古来の手法を現代の表現に変える制作を目の当たりにし、テキスタイルアートとしてかごを捉える視点を得ました。
そして帰国後、日本の民具を入り口に洋の東西を問わず編組による古い道具を見直し、先行する研究に学びながら、普遍的な観点で編組を捉えて思考を展開する制作スタイルを確立していきます。

「束の間 II/Bound to Continue II」 2008年 h20.0cm
分析的な関島の作品には、考えることの愉しさや発見に伴う感動が満ちています。本展では、1980年代から最新作までを通し、関島寿子の編組造形における思考と実践を追います。
1.編組の原理そのものを探求し、造形として可視化する独自のアプローチ
2.「形」ではなく「思考プロセス」を作品化する分析的な制作態度
3.素材×構築法×形態の関係を体系化し、その枠外に作品を位置付ける方法論
関島 寿子(せきじま・ひさこ)
1944 台南市(台湾)に生まれる
1966 津田塾大学英文科卒業
1970 籐家具作家にかご作りを学ぶ
1975 ニューヨークに住み、実験的なかご作りをはじめる
1979 帰国後、民具に関する研究に学びながら、制作を展開する
1986 自著『BASKETRY』(講談社インターナショナル)刊行
1988 自著『バスケタリーの定式』(住まいの図書館出版局)刊行、2024年に平凡社より新版刊行
1991 NHKテレビ『工房探訪・つくる「かご製作家・関島寿子」-素材が生み出すかたち-』放送
現在 神奈川県横浜市にて制作
多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイル客員教授、金沢美術工芸大学非常勤講師
【パブリックコレクション】
国立工芸館(石川)、和歌山県立近代美術館、横浜美術館、菊池寛実記念 智美術館、エリー美術館(米・ペンシルバニア)、ヴィクトリア&アルバート博物館(英・ロンドン)、西オーストラリア美術館(パース) 他

[お問い合わせ]
菊池寛実記念 智美術館
東京都港区虎ノ門4-1-35
TEL:03-5733-5131
E-mail:info@musee-tomo.or.jp
菊池寛実記念 智美術館(きくちかんじつきねん ともびじゅつかん)

現代陶芸のコレクターであった当館設立者、菊池智(とも、1923-2016)のコレクションを母体として、2003年に東京都港区・虎ノ門に開館しました。
開館以来、陶芸の振興を目的に、現代の陶芸界に足跡を残した物故作家や現在活躍中の陶芸家の個展やグループ展を企画開催。陶芸の公募展「菊池ビエンナーレ」は、当館の主軸となる事業として2004年より隔年で開催しています。
近年は、木竹工、金属、テキスタイルなど工芸全般を対象に展覧会を企画し、陶芸の枠にとどまらず現代工芸の発信に努めています。
建築や、工芸作品を鑑賞するために設計された展示空間も見どころです。
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