プレスリリース

AI需要を支える電源併設型グリーンデータセンター実現に向けた協業開始

リリース発行企業:株式会社 日立製作所

情報提供:


グリーンデータセンター実現に向けたエコシステムのイメージ図

 株式会社日立製作所(以下、日立)、Brookfield Japan株式会社(以下、ブルックフィールド)、Hartree Partners Singapore Pte. Limited(以下、ハートリー)、および東京ガス株式会社(以下、東京ガス)は、日本国内におけるグリーンデータセンターの実現に向けた協業(以下、本協業)に関する覚書を、9月30日に締結しました。
 本協業は、2025年7月に発表した日立、ブルックフィールド、ハートリーの3社による協業*1に新たに東京ガスが加わり、これまでの協業をさらに発展させて、日本におけるグリーンデータセンターの開発に向けて、各社が引き続き注力していく姿勢を示すものです。4社による本協業では、エネルギーを自ら創出し、安定的かつ効率的に利用するとともに、グリーンエネルギーなど*2で脱炭素化にも貢献する電源併設型グリーンデータセンターの基本構想の策定および柔軟に展開可能な標準モデルの開発をめざします。これにより、系統電力への過度な依存を抑え、データセンターの立地選択肢の拡大やエネルギーの地産地消に貢献するとともに、プロジェクトの立ち上げ期間の短縮やスケーラブルな展開につなげていきます。具体的には、本協業の初号プロジェクトとして、関東地方および九州地方におけるグリーンデータセンターの開発計画を策定する予定です。
 4社はそれぞれの専門的な知見を融合させ、社会的課題であるAIデータセンターの電力確保・安定稼働・脱炭素化の同時実現をめざしていきます。
*1 2025年7月17日 ニュースリリース 「日立、世界的な資産運用会社のブルックフィールド、世界的なコモディティトレーディング会社のハートリーが環境配慮型のデジタルインフラ分野におけるファンディングスキームの検討を開始」
*2 具体的には、燃料の採掘から燃焼までのライフサイクルで発生する温室効果ガスの排出全部または一部をカーボンクレジットで相殺すること(カーボンオフセット)や、非化石証書の活用などにより、データセンターの脱炭素化へ貢献可能な施策の実施を指します。

■背景
 近年、AI技術の普及やデジタル化の進展により、日本国内では都市圏を中心にデータセンターの建設が急増しており、電力需要が拡大しています。こうした中、電力系統の制約による電源確保までの期間の長期化が顕在化しており、データセンターにおける電力と通信インフラの高度な連携を含めたエネルギー供給の最適化やレジリエンス強化の重要性が高まっています。また、大量の電力を消費するデータセンターに対する脱炭素化への要請も高まっており、日本政府は、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進の一環として、グリーンエネルギーなどの活用やデータセンターの地方分散を含む持続可能なインフラ整備を提唱しています*3。さらに、データセンターの安定的な運用に向けては、設備や電力供給の信頼性確保に加え、AI技術の加速度的な進展に対応できる柔軟なインフラ整備も重要な課題となっています。こうした課題を踏まえ、安定した電力供給、脱炭素化、およびAI需要への対応を同時に実現する新たなデータセンターインフラの実現が求められています。
*3 出典:総務省「ワット・ビット連携の今後の取組について」(https://www.soumu.go.jp/main_content/001050386.pdf)

■覚書に関する詳細および各社の強み
 4社は、エネルギー供給とデータセンター運用の両面において高い信頼性を実現するグリーンデータセンターの実現をめざし、以下の標準モデルの構築を推進します。
(1)複数の電源を組み合わせたエネルギー供給
 データセンター敷地内に設置する発電設備をベース電源とし、蓄電池や系統電力など複数の電源を組み合わせた高信頼かつ高効率なエネルギー供給モデルを検討します。
(2)インフラ全体の冗長化
 設備障害や電力供給の変動が発生した場合にも安定稼働を実現する、冷却設備や配電設備を含めたデータセンターインフラ全体の冗長化設計を検討します。
(3)脱炭素化方策の要件定義
 カーボンクレジットや環境価値、再生可能エネルギーなどの活用を含む、データセンターの脱炭素化に向けた要件を検討します。
(4)主要設備の標準化・モジュール化
 データセンター建屋・設備およびオンサイト発電所・設備などの主要設備をパッケージ化することで、データセンタープロジェクトの立ち上げ期間の短縮と、需要に応じたスケーラブルな展開を実現します。

各社が有する主な強みは、以下のとおりです。



*4 お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称。(https://www.hitachi.com/ja-jp/products/digital/lumada/)
*5 東京ガスと東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社(以下、TGES)は、「ソリューションの本格展開」に向けソリューション事業ブランド「IGNITURE」を立ち上げました。「IGNITURE」の下で展開するソリューションにより、ご家庭、法人、地域・コミュニティのお客さまが、「最適化による経済性・利便性・効率性向上などでさらに豊かな未来」と、「脱炭素・レジリエンスの向上などでサステナブルな生活・事業」を無理なく両立できます。※IGNITUREの詳細はこちら(https://eee.tokyo-gas.co.jp/solution/igniture/index.html)

■初号プロジェクトおよび今後の展望
 本協業の初号プロジェクトとして、関東地方および九州地方におけるグリーンデータセンタープロジェクトを対象に、デューデリジェンスからエネルギーインフラ含めた設備構成、事業スキームなどの開発計画を策定していく予定です。加えて、IT企業や製造業などのデータセンターを活用する企業や金融機関など、多様なパートナーの参画を募り、4社の協業の枠組みをさらに拡大していきます。これらの活動を通じて、エネルギー供給とデータセンターを一体で設計する新たなグリーンデータセンターのモデルの確立を推進し、サステナブルなデジタル社会の進展に貢献していきます。

■各社からのコメント
株式会社日立製作所 執行役常務AI&ソフトウェアサービスビジネスユニットCEO細矢 良智
 データセンターの競争力は、電力の確保とその運用の在り方によって大きく左右される時代に入っています。日立は、データセンターや発電に関連する設備に加え、フィジカルAIにより、データセンターを構成する電力・IT・冷却設備などの自律・統合運用を実現するソリューション群「HMAX Data Center*6」の提供などを通じて、データセンターの運用効率化と安定稼働を支援しています。本協業ではこうした取り組みを発展させ、エネルギーインフラとデータセンターの最適化を推進します。ハーモナイズドソサエティの実現に向けて、パートナーの皆さまとともに、持続可能かつスケーラブルなグリーンデータセンターの確立をめざします。
*6 2026年9月3日 日立ニュースリリース 「データセンターインフラの統合運用を実現するソリューション「HMAX Data Center」を提供開始」

Brookfield Japan 株式会社 CEO Luke Edwards
 私たちはデータセンター開発と持続可能なエネルギーソリューションを融合させることで、日本における世界クラスのデジタルインフラの構築を支援することに注力しています。Brookfieldは、データ・電力・コンピュート資産に1,000億米ドル超を投じる、AIインフラ分野における世界有数の投資家であり、また再生可能エネルギー分野でも、水力・太陽光・風力・蓄電・分散型エネルギー・原子力などの持続可能なソリューションにわたる1,440億米ドルのポートフォリオを有しています。この度、東京ガス、日立、Hartreeと連携できることを大変うれしく思います。4社の専門性を結集することで、日本のデジタル経済の持続的な成長を支える次世代のデータセンターの開発に向けた取り組みを加速してまいります。

Hartree Partners Singapore Pte. Limited マネージング・ディレクター兼アジア太平洋地域統括責任者 Ahmed Al-Awa
 AI時代の到来により、電力とデジタルインフラの融合はこれまで以上に重要なテーマとなっています。各社が有する技術力、事業基盤、エネルギーおよび市場知見を活かしながら、日本の産業競争力強化と持続可能な成長に資するプロジェクトの実現を目指してまいります。今後の協議を通じて、相互の信頼関係を深めながら、新たな事業機会の創出につなげていけることを期待しております。

東京ガス株式会社 常務執行役員 上中 孝之(東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 代表取締役 社長執行役員)
 AIの普及やDXの進展を背景にデータセンター需要が急拡大するなか、電力確保やインフラ整備の長期化が大きな課題となっています。東京ガスグループは、長年培ってきたエネルギー供給とエンジニアリングの知見を生かし、系統電力に加え、オンサイト電源、蓄電池、再生可能エネルギー等を最適に組み合わせることで、データセンターの早期立ち上げ、安定稼働、脱炭素化の同時実現をめざしています。今回、異なる強みを持つパートナーが連携し、エネルギーインフラとデータセンターを一体で構想・設計することで新たな事業モデルを確立し、標準化を通じて幅広い地域・案件への展開をめざします。本協業を具体的なプロジェクトの実現につなげ、AI時代を支える持続可能なエネルギー・デジタルインフラの構築に貢献してまいります。

■関連Webサイト
日立のグリーントランスフォーメーションの取り組みについて
https://www.hitachi.co.jp/products/it/gx_business/?nr=261019

日立製作所について
 日立は、IT、OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用した社会イノベーション事業(SIB)を通じて、社会インフラをデジタルで革新し続けるグローバルリーダーをめざし、環境・幸福・経済成長が調和するハーモナイズドソサエティの実現に貢献します。デジタルシステム&サービス、エナジー、モビリティ、コネクティブインダストリーズの4セクターに加え、新たな成長事業を創出する戦略SIBビジネスユニットの事業体制でグローバルに事業を展開し、Lumadaをコアとしてデータから価値を創出することで、お客さまと社会の課題を解決します。2025年度(2026年3月期)売上収益は10兆5,867億円、2026年3月末時点で連結子会社は606社、全世界で約29万人の従業員を擁しています。詳しくは、www.hitachi.com/ja-jp/をご覧ください。

Brookfieldについて
 Brookfieldは、運用資産額1兆ドル超を有する世界有数のグローバルな資産運用会社です。当社は、不可欠なサービスを提供し、世界経済の基盤を形成する高品質な事業および実物資産を保有・運営しています。Brookfieldは、世界各国の機関投資家および個人投資家に代わり、インフラ、エネルギー、プライベートエクイティ、不動産、クレジットにわたって投資を行っています。1世紀以上にわたる運営経験と50か国を超えるグローバルな拠点を有し、顧客および株主のために価値を創出すべく資本を投下しています。Brookfield Corporation(NYSE: BN、TSX: BN)およびBrookfield Asset Management(NYSE: BAM、TSX: BAM)は、ニューヨークおよびトロントで上場しています。
詳細については、当社のウェブサイト(www.brookfield.com)をご覧ください。

Hartree Partnersについて
 Hartree Partners, LPは、エネルギー、金属、農産物、環境関連商品を対象とする世界有数のコモディティ商社です。生産者と需要家を結びつけ、コモディティサプライチェーン全体における商品の流通を支えています。1997年に設立され、経営陣およびOaktree Capital Management, LPが運用するファンドによって共同所有されています。世界で約5000名の従業員を擁しています。詳細については、https://www.hartreepartners.com/ をご覧ください。

東京ガスについて
 東京ガスグループは、1885年の創立以来、首都圏を中心にエネルギーの安定供給を担ってきました。グループ経営理念「人によりそい、社会をささえ、未来をつむぐエネルギーになる。」のもと、エネルギーの安定供給と脱炭素の両立をめざし、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献します。東京ガスおよびTGESは、脱炭素・最適化・レジリエンスを提供価値とするソリューション事業ブランド「IGNITURE(イグニチャー)」のもと、法人のお客さまに多様なソリューションを提供しています。データセンター分野においては、TGESが「電源ハイブリッド型DCソリューション」を展開し、系統電力とガスコージェネレーションシステムによるオンサイト電源を組み合わせることで、安定した電力供給とデータセンターの早期立ち上げに貢献する取り組みを進めています。「電源ハイブリッド型DCソリューション」の詳細については、https://eee.tokyo-gas.co.jp/solution/data_center/index.html をご覧ください。

【問い合わせ先】
株式会社日立製作所
AI & ソフトウェアサービスビジネスユニット GX事業本部 ビジネスアレンジメントセンタ
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/it/gx_business/form.jsp

Brookfield Japan 株式会社
catherine.woods@brookfield.com
(+81) 3 6457 9660

Hartree Partners Singapore Pte. Limited
https://www.hartreepartners.com/contact/

東京ガス株式会社
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社
https://tokyo-gas.jp/support