渋谷区は9月30日、10月末に迫るハロウィーンの対策を発表した。
渋谷駅周辺にはハロウィーンに合わせて多くの人が訪れ、一部の来街者らによる犯罪・迷惑行為などが社会問題にもなっている。問題になってきたのは、路上での飲酒や喫煙、ごみのポイ捨て、騒音、通行の妨げとなる仮装姿での写真撮影など。渋谷区は、それらを「本来のハロウィーンの楽しみ方ではない」として、今年は「迷惑ハロウィーンはもうやめよう」という思いを込めて、「GOODBYE BAD HALLOWEEN(さよなら迷惑ハロウィーン)」という強いメッセージを掲げた。
今月16日〜11月1日(場所によって時期は異なる)には渋谷駅前の憲章ボードやセンター街・公園通り・道玄坂・中央街の街路灯などにメッセージフラッグを掲出。今年はアニメーションを用いた啓発動画も制作。駅周辺の街頭ビジョンをはじめ、区庁舎内のビジョン、SNSなどで流し周知を図る。
今年はハロウィーン当日の31日が土曜に当たるため、前日の金曜と合わせて2日間、対策を講じる。両日19時~翌5時には、ハチ公前広場など約10カ所に監視台を設置。民間の警備員を延べ約185人(30日約60人、31日約125人)を導入し、滞留の抑制を図る。同時に、区の職員による路上飲酒・喫煙・販売などに対するマナー啓発も行う。対応するのは、30日(19時~23時)、31日(19時〜翌5時)を中心に延べ約70人を予定する。
区内では2024年10月から、条例で18時~翌5時は路上での飲酒を禁止している。31日は同時間帯に、路上飲酒禁止エリア付近のコンビニや百貨店、小売店など酒類販売事業者62店舗に酒類販売の自粛依頼をしている。
この日会見に応じた長谷部健渋谷区長は、商店街などが主催するイベントや、商業施設・クラブなど屋内での企画について挙げ、ハロウィーン自体を否定するのではなく、それらのイベントの中で「マナーを守って楽しんでほしい」と呼びかけた。
区によると昨年は、雨の影響もあった中、渋谷センター街の路上にいた来街者が最も多かった21時ごろで約4200人と、計測を始めた2019年(当時は約4万人)以降、最も少なかった。今年の人出は一昨年の約1万8000人(最も多かった22時ごろ)と同等と見込む。
渋谷区は2019年条例によりハロウィーン期間や年末の路上飲酒を禁止。2024年には通年に切り替えた。酒に起因した風紀の乱れに対し、条例によって「大きく変わったと思う」と長谷部健渋谷区長は話す。
近年の傾向については、「ピークから比べれば少しずつ熱が下がってきているように感じる」とも話し、全体の約7~8割を占めている訪日外国人の仮装者による通行の妨げなど、変化についても触れる。
その上で、「今年は重要なターニングポイントにもなる。このままブームアウトしていけばいいが、気を引き締めて対応しかないといけない」と話した。
31日(夕方)〜11月1日(早朝)には、駅周辺を中心に警察が交通規制を行う予定で、詳細は10月上旬に警視庁のホームページで公表される予定。混雑状況に応じて、公共交通機関の出入り口なども変わる可能性がある。駅前の人流整備や銅像の保護を目的に、30日(6時ごろ)〜11月1日(17時ごろ)には、忠犬ハチ公像周辺に仮囲いを設置。ハチ公像は鑑賞できなくなる。
サービスが拡大している電動マイクロモビリティーのシェアリングサービス「LUUP」と「Lime」のポートは、渋谷駅周辺計26カ所を30日(17時)〜31日(5時)は貸し出し・返却場所が選べないようにする。
区は今年、「きれいなまち渋谷をみんなでつくる条例」を一部改正し、街なかでのごみのポイ捨てに対して過料の徴収を始めた。日頃は3人1組・3班で巡回しているが、ハロウィーン当日は7人1組・5班に増員して行う予定。同時に、宇田川町交番前(30日・31日)・ハチ公広場前・グランド東京渋谷ビル前(以上31日)に、ごみ収集場を設置。ボランティアによる清掃なども予定している。仮設トイレや着替え場所などは設置しない。30日(早朝)〜11月1日(早朝)には、渋谷駅前・宮益坂下の喫煙所は閉鎖する。
長谷部区長は「観光客や来街者を受け入れている街として、『(ハロウィーンの時期に)来るな』とは言いたくない。区という地方自治単位で、最前線でできることを探ってやってきた」と振り返りつつ、「31日の渋谷は、仮装をして夜通しハロウィーンを楽しめる街じゃないということを多くの方に知っていただきたい」と強調した。
ハロウィーン対策の予算は約7,400万円。内訳は、駅周辺安全対策=土木部企画管理課約5,800万円、ごみ対策=環境整備課200万円、フラッグ・憲章ボード=産業観光課1,400万円。昨年は当日のみ重点的に行ったこともあり、執行額は約5,800万円だった。