「書を捨て谷に出よう」-シブ経文化センターで「スリバチ」トーク

スリバチについて語る「東京スリバチ学会」会長の皆川典久さん

スリバチについて語る「東京スリバチ学会」会長の皆川典久さん

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 渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)8階クリエーティブスペース「8/」のコートで7月26日、トークラウンジ「凹凸を楽しむ『渋谷スリバチ地形散歩』」を開催された。

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 「シブ経文化センター」企画の第2弾となる同イベント。毎回多彩な分野からキーマンを招き月1回程度、トークを中心としたイベントを開いている。今回は「東京スリバチ学会」会長の皆川典久さんをゲストに迎えた。スリバチとは、台地に低地が谷状に切れ込み、3方向が斜面に囲まれたような形状の地形になっている場所を指す。

 イベント冒頭にはウオーミングアップとして、シブヤ経済新聞の西樹編集長が同サイトに掲載した直近1カ月の記事の中から主な記事を紹介する「シブ経アップデート」を展開。ツイート数の多かった上位10本の記事を紹介した。

 本編ではまず、原宿エリアを例に「スリバチ」について解説。地形図や街の写真を織り交ぜながら都内の「スリバチ」を挙げた。同学会では、3方向に囲まれている天然の谷を「2級」、完全な谷を「3級」、4方向を囲まれている谷は「1級」と、スリバチに独自の等級を付けている。

 都内でも「派手なスリバチタウン」だという渋谷は「大きな谷だが3級」。渋谷の中では「鍋島松濤公園」が2級にあたるという。渋谷駅周辺は「川のターミナル」でもあり、坂が多くY字路が多いのも特徴。「スリバチのメッカのような場所」として紹介したのは代々木八幡付近。同所は宇田川や「春の小川」のモデルとされる河骨川など多くの川が集まる「聖地のような場所」だという。

 「くぼみや斜面を怪しいと思ってたどっていくと、きっと何かに出合え、(雰囲気が)ガラッと変わる。渋谷にいろいろなキャラの違う街があるのは、谷が細かく刻んでいるからでは」と皆川さん。宮益坂が始まる場所近くに位置する渋谷ヒカリエに関しては、「ここから丘が始まるぞっていう、灯台のような気がする」とも。

 最後に、「本当は私が種明かしをしちゃいけない。自分で歩いて発見するのが街歩きの最大の楽しみ。書を捨て谷に出よう」と呼び掛けた。

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