写真美術館で写真家・北島敬三さん作品展―初期スナップショット一堂に

森山大道さんに「白昼の通り魔」と称されたという出会い頭のスナップショット。「NEW YORK」(1981-82年)より

森山大道さんに「白昼の通り魔」と称されたという出会い頭のスナップショット。「NEW YORK」(1981-82年)より

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 東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)で8月29日、写真家・北島敬三さんの初期の活動を振り返る企画展「北島敬三 1975-1991」が始まった。柴田敏雄さん、鈴木理策(りさく)さんなど中堅作家を紹介するシリーズ企画の第3弾。

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 北島さんは、1974年に森山大道教室に入学。1981年にニューヨークに渡り、翌年写真集「NEW YORK」(白夜書房)を発行して木村伊兵衛賞を受賞した。以降世界各都市に滞在しながらスナップ写真を撮影し、崩壊直前のソ連を撮影した1991年ごろから撮影スタイルが徐々に現在の大型カメラを用いたPortraitシリーズ、Placeシリーズへと変化、国内外の美術館やギャラリーでも取り上げられ、高い評価を得るようになった。

 同展では、北島さんの「出発点」として1980年代を中心に、東京・沖縄・NY・東欧の各都市で撮り上げたスナップショットを時代別に紹介する。会場には、混沌(こんとん)とした東京の若者たち、孤独なニューヨーカーなど「見たくないものや見せたくないもの」(同館)を赤裸々にとらえた写真191点が一堂に並ぶ。中でも、1991年に撮影したソ連のシリーズは、撮影から16年後の2007年に写真集「U.S.S.R.1991」として発表し、現在も「生き続ける」写真として伊奈信男賞を受賞している。

 期間中、北島さんを招いた関連イベントも開催。9月5日には、映画「カメラになった男 写真家 中平卓馬」(91分、小原真史監督)の上映後に監督を交えた対談(14時~16時30分)を予定するほか、同23日には、倉石信乃さん(明治大学大学院准教授)、林道郎さん(上智大学教授)、前田恭二さん(読売新聞記者)とともに座談会を開く(14時~16時)。10月10日には坪内祐三さん(文芸評論家)さんとの対談も予定(14時~16時)。

 開館時間は10時~18時(木曜・金曜は20時まで、入館は閉館30分前まで)。月曜休館(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)。入場料は、一般=500円、学生=400円ほか。10月18日まで。

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