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渋谷区、ニューバランスジャパンとS-SAP協定 ランニング軸に文化づくり

協定書を手にするニューバランスジャパン久保田伸一社長(左)と長谷部健渋谷区長(右)

協定書を手にするニューバランスジャパン久保田伸一社長(左)と長谷部健渋谷区長(右)

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 渋谷区は11月9日、米スポーツブランド「New Balance(ニューバランス)」を国内展開するニューバランスジャパン(千代田区)と「シブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定(通称S-SAP(エス・サップ)」を締結した。

長谷部区長(右)は締結式にニューバランスを履いて登壇

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 S-SAPは、区内に拠点や区との関わりを持つ企業や大学などと区が協働し、地域の社会的課題を解決していく公民連携制度。2016(平成28)年4月からこれまでに、みずほ銀行やキユーピー、ビームス、DeNAなどの民間企業27社、青山学院大学などの8大学と協定を結び、ニューバランスジャパンが36番目のパートナーとなる。

 1906年創業のニューバランスは、ランニングを中心としたスポーツ用品を販売。都市との関わりでは、2016年から世界6大マラソンの一つ「ニューヨークシティマラソン」のスポンサーとなり、年間を通じて地元のロードランナークラブと提携し地域の盛り上げや子ども支援に貢献。ロンドンマラソンにも2017年から参画し、チャリティー活動にも重きを置いてきた。昨年はボストンのグローバル本社の向かいに室内トラックを備える最新鋭のスポーツ施設を開設し、レストランやバーなどの施設を地元住民らにも開放しまちおこしにつなげている。

 日本では、渋谷区内でランニングイベントを展開。女性ランナー5000人以上が渋谷駅周辺や表参道の公道を走る「渋谷・表参道Women’s Run(ウィメンズラン)」のほか、昨年、区が初開催した、「ササハタハツ」(笹塚・幡ヶ谷・初台、本町)エリアの公道を舞台にした1マイルレースイベント「北渋マイル/北渋Run Runフェスタ」にも協賛。今月12日に控える北渋マイルには、同ブランド契約アスリートで1000メートルや1マイルの日本記録保持者・田中希実選手が、ジュニアアスリートの応援レースに参加する。

 今回の協定では、「ランニング×都市」を軸にしたカルチャーづくりを提唱。スポーツ・健康増進、文化振興・観光、次世代育成、災害対策、環境保全の分野で渋谷区と協力していく。同ブランドの活動テーマとして掲げる「Run your way.」には、「走ることにもダイエットや健康などの異なる目的や個性があり、自身のスタイルを持ちランニングをしてほしい」というメッセージを込める。区とタッグを組むことで、渋谷から日本のランニング文化を盛り上げていきたい考え。

 同日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)8階イベントスペース「COURT」で行われた締結式で、同社の久保田伸一社長は「協定では特に、ランニングを通じて災害対策、環境保全をより身近に感じてもらい、次世代の子どもへの訴えかけもしっかりしていきたい」と話した。

 ニューバランスの靴を履いて登壇した長谷部区長は「僕自身もランナーの端くれ。走ることでコミュニティーが生まれるなどの動きも見てきたので、ぜひ背中を押してもらえたら」と要望。今後20年をめどに区内の学校施設を順次建て替える事業の中で、校庭や体育館、プールなどを地域に開放する構想に触れ、「スポーツ、文化に触れる場が学校ごとにでき、地域にそうした場が増えていくことになる。ニューバランスはランニングだけでなくファッションとの親和性も高い。スポーツ・文化の振興の力になってほしい」とも期待を寄せる。

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