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渋谷に新複合施設「道玄坂通」 商業テナント12店、オフィス入居率9割

「道玄坂通 dogenzaka-dori」の外観

「道玄坂通 dogenzaka-dori」の外観

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 商業施設・オフィス・ホテルで構成する新複合施設「道玄坂通 dogenzaka-dori」(渋谷区道玄坂2)が8月24日、渋谷・道玄坂エリアに開業した。

道玄坂小路沿いのエントランス

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 渋谷・文化村通りに面した旧「ドン・キホーテ渋谷店」跡などに位置する同施設。敷地面積は5897.4平方メートルで、ビルは地上28階・地下1階(建築基準法上地上27階、地下2階)の高さ114.8メートル(最高118.7メートル)、延べ床面積4万1767平方メートル。

 台地を切り開き道を通し、人が集まってできた街をイメージ。内装はベージュとグレーで統一しつつ、床や壁の素材は随所で切り替えることで変わりゆく街並みを表現。コンクリートブロックやH型鋼など建築下地に使われるような素材を部分的に使い「未完成に見える」箇所を作ることで「工事中=進化し続ける渋谷」を表現した。地層や「土」のような雰囲気を感じられるようなアートや壁面デザインを施すほか、渋谷をモチーフにしたアートを随所に飾る。通りにはベンチも用意し、ベンチは家具ではなく壁を削る形で作っている。

 施設のキャラクターは、絶滅した鳥「ドードー」を、道玄坂(dogenzaka)の頭文字「d」をモチーフにした姿で企画。施設のグレーとベージュをベースに、顔・足・尾は「エネルギーや活発さ」をイメージさせるオレンジを採用。施設内4カ所にモニュメントを置く。

 文化村通りに2カ所、道玄坂小路に1カ所、道玄坂小路からさらに1本入った路地の計4カ所にゲートを設けることで、街の回遊性の向上を図る。文化村通りに面したゲートの床材は公道の歩道に似た素材を使い、公道と施設内が延長しつながっているように感じられるようにした。

 1~2階の商業施設は、施設内の通路に沿う形で12店が出店する商店街のように仕上げた。店舗は「情熱価格」などドン・キホーテのオリジナル商品ブランドを扱う「ドミセ」(営業時間=10時~23時)をはじめ、日本初進出となる米シアトル発のバーガー店「Lil Woody’s(リル・ウッディーズ)」(同11時~23時、金曜・土曜は翌1時まで、40席)、歯科医院・カフェ・ジムを併設するウエルネスサポート施設「ANDELT(アンデルト)」(同10時~21時)が初出店となる。

 店舗限定ブレンドのコーヒーをラインアップするスペシャルティーコーヒー店「猿田彦珈琲(コーヒー)」(同7時30分~22時、40席)、ピスタチオなど15種類のフレーバーを用意する国内2店舗目の伊ジェラート「Giolitti」(同11時~20時、18席)、台湾発ティーブランド「ゴンチャ」(同10時~21時、14席)、天然由来の調味料で味を調えるブリトー(1,180円~)やタコス(3ピース1,200円~)などを提供する「フリホーレス」(同10時~21時、20席)なども出店。

 区内3店舗となる国産野菜100%のサラダボウル店「With Green」(同10時~21時、12席)はデリバリーサービスにも対応し、近隣のワーカーやホテル宿泊客などの利用も見込む。主力メニューの「プレッツェルクロワッサン」(410円)などに加え、モーニング(7時~11時)に「CBエッグスラットブレックファースト」(1,320円)を都内の店舗で初提供する米発ベーカリー「THE CITY BAKERY」(同7時30分~22時、47席)は、自家製レモネードを使ったビール(748円)やエスプレッソジントニック(792円)などアルコールも充実させる。洋総菜店「eashion fun」(同8時~21時)は初のスイーツやドリンク、同店限定の小ぶりのデリも用意する。ブランド品の買い取り・販売店「買取えもん」(同10時~21時)は、「得意」とするバッグやジュエリーなど、インバウンドの若い女性の来店が多いと見込みブランドをセレクト。入店しやすいよう、扉を設けず開かれた空間に仕上げる。

 初心者の20~30代女性向けのダンススクール「東京ダンスヴィレッジ」は9月10日にオープン予定。

 オフィスは3階~10階の8フロアで総面積は1万2804.72平方メートル(1フロアの有効面積は1661.35平方メートル)。入居率は約9割で、カラオケや温浴を中心に手がけるコシダカホールディングス、独自ASPの運営やコンサルティングを主軸にする広告代理店SARUCRW、20代の若手人材に特化した人材紹介会社free movaなどが稼働し始めている。

 11階~28階はライフスタイル・ブティックホテル「ホテルインディゴ」(13階~28階に272室)で、今月29日にオープンする。

 施設を開発したパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスの安田隆夫会長は、「ドン・キホーテと違う世界観をつくりたい」と複合施設を企画した意図を説明。現在渋谷は駅を中心とした再開発が進んでいるが、「駅を中心に素晴らしい施設がある反面、道玄坂も道玄坂でさまざまな文化が昔から栄えてきた場所でもある。坂の上は坂の上でまた違う世界をつくっていきたい」と話した。

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