Bリーグ・サンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が4月16日、青山学院記念館（渋谷区渋谷4）でシーホース三河（以下、三河）と対戦し104-110で競り負けた。

小島選手からのパスでアリーウープダンクを決めたジェームズ・マイケル・マカドゥ選手

　立ち上がりから高確率で三河のシュートが決まり一時10点差を付けられるが、途中出場した盛實海翔選手が100％のシュート確率での10得点に加えアシストで攻撃を引っ張り、24-27と競った展開に持ち込む。第2クオーター（Q）は各選手が積極的にゴール下に飛び込み得点やアシストを重ねるプレーが目立った。ここ数試合同様のプレーが増えているが、浜中謙ヘッドコーチ（HC）は、「少しずつ取り組んでいる（プレー）」と明かし、「少しずつ形となってきて良い部分もあるのかな」と手応えもうかがわせた。

　同Q終盤には、小島元基選手の浮かせたパスをジェームズ・マイケル・マカドゥ選手が直接リングに叩き込むアリウープダンクも見せた。小島選手とマカドゥ選手の連携は「コジマック」と呼ばれ始めているが、小島選手は「どちらかと言えばミスにつながるのであんまり狙わない方だったが、コーチから『（パスを）出せるタイミングがあったよ』と言われてチャレンジしてみたところ成功した。マックさんの身体能力的に、速いし飛ぶし上に出したら全部（アリウープを）狙ってくれるなという感覚はなってきた」と言う。今季SR渋谷に移籍し試合を重ねるなかで「だんだん動きも分かってきたし、一つ強みの軸にできたら」とも。

　55-58で迎えた後半序盤に7点差を奪われるが、ライアン・ケリー選手、ベンドラメ礼生選手がインサイドにアタックしてファウルを誘発。マカドゥ選手のボールを奪うプレーから得点、ベンドラメ選手のアタックからのマカドゥ選手のダンクで追い上げる。さらに、交代でコートに入った盛實選手はアタックからアシストを見せ、渡辺竜之佑選手はリバウンドやゴール下への飛び込みからの得点、西野曜選手は好守からのレイアップと続いた。

　86-80とリードし最終Qに突入するが、ミスからの失点が続き流れを失う。拮抗（きっこう）した展開が続くなか、リバウンドから得点を許しリードを奪われた。残り約1分、101-104の場面で小島選手、関野選手、ケリー選手と連続で3Pを放ったが決め切れなかった。浜中HCは「チームとしてつくるべきシュートはつくれていた」と言い、特に35分近くと出場時間が伸びたケリー選手の名前を挙げ「はたから見れば期待すると思うが、ディフェンスをしながらの35分なので…」とねぎらった。この日計8本の3Pを打った小島選手は「もう少し決めたかった」とも。

　残り約22秒、タイムアウト後の攻撃でボールを受けた津屋位一球（かずま）選手は、目の前に立つ外国籍選手をかわしてシュートを決め浜中HCの「3Pが欲し有った」という期待に応えた。そのシュートで2点差まで詰め寄るが一歩及ばなかった。

　SR渋谷は外国籍選手を1人欠く中でも点の取り合いを演じた。浜中HCは31回を記録したアシストは評価したが、特に最終Qのターンオーバー4回を悔やんだ。競り合ったが、「ディフェンスのチーム」を掲げるチームとして「流れを止められなかったという意味では、サンロッカーズのバスケットができなかったのかな」とも。31得点を許したクインシー・ミラー選手への守りに対しては、第3Qに西野選手が「つないでくれた所は良かった」と話したが、「チームとして守れなかった」と振り返った。

　小島選手は日本人トップの14得点を挙げた。「状況判断を意識している。（自分が）空いているなら（シュートを）打つし、他の選手がノーマークするならパスするし。特に三河のディフェンスはチャンスが生まれやすかったので、うまくできるように意識していた」と言う。ただミスが増えた終盤は「細かい状況判断があまり良くなく、ガードとして流れをつかめなかった。でも良いかたちがつくれた場面は何個かあったので、どれだけミスを減らせるか」と悔やんだ。

　チャンピオンシップ（CS）出場に向け負けられない戦いが続いているが、小島選手は「ぶっちゃけ感情はいらなくて、正確にプレーするだけ。とにかく正しいことをやれば絶対に勝てる。（CSに）出られる可能性があるならそれ目がけて皆で頑張るだけ」と冷静に答えた。

　この日はハーフタイムにヒップホップユニット「MA55IVE THE RAMPAGE」が登場。同グループのファンも多く来場し盛り上がりを見せた。次節は今月19日、アウェーで信州ブレイブウォリアーズと対戦する。