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渋谷区、「ふるさと納税」通じた認定NPOの支援開始

渋谷区NPO支援事業を発表した長谷部健区長(中央)や参加団体担当者ら

渋谷区NPO支援事業を発表した長谷部健区長(中央)や参加団体担当者ら

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 渋谷区は11月1日、ふるさと納税を活用した認定NPO法人を支援する事業を始めた。

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 生まれた地など居住地以外の地方自治体に寄付すると、住民税が控除されるふるさと納税。地方特産品を中心とした返礼品競争が起きるなど利用が広がっているが、区政運営の中心を住民税で賄う渋谷区では、ふるさと納税による減収が年々増加。今年は歳入の1割近くに迫る40億円近くの減収が見込まれるなど「大きな問題」(長谷部健渋谷区長)となっている。そのような背景もあり、区では2020年8月にふるさと納税を始めている。

 NPO法人の運営に当たっては資金調達が課題の一つとなっている。納税者はNPO法人に寄付をすることで税控除を受けられるが、最大で50%であることや、返礼品が無いことなどから、寄付が「減っている」という。

 ふるさと納税を通じて集まった寄付金を認定NPO法人へ交付する今回の事業。長谷部区長は自身でNPO法人を立ち上げ活動していた経験から、運営の難しさや「行政の手の届かないところで街づくりにとって非常に大きなエネルギーになるのも分かっている」とし、「社会貢献活動が活性されることに日の目を当ててほしい」と話す。

 同事業では、活動範囲は問わず、渋谷区内に主たる事務所または従たる事務所を有する認定NPO法人を対象に希望する団体を支援する。現在区内に対象となる事務所を構をえるNPO法人は約500団体存在するが、そのうち認定NPO法人は24団体。

 11月1日現在、支援の受付を開始したのは5団体。親子に関わる社会課題に取り組む事業を行っているフローレンス、障がいのある人たちの問題解決を図るぱれっと、スキルス胃がんの早期発見・治療に向けた活動に取り組む希望の会など。今月10日前後には別途10団体も開始を予定している。

 寄付は、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」で受け付ける。同サイト内に、支援金の活用用途などをまとめた各団体のページを公開。納税者は内容を確認してから、支援したい認定NPO法人を指定して寄付(ふるさと納税)することができる。団体によっては返礼品も用意する。区は集まった寄付金から事業費などを差し引いた金額(寄付額に82%または85%を乗じた金額)を認定NPO法人に交付する。支援を受ける認定NPO法人は渋谷区や納税者に活用状況の報告などを行っていく予定。

 同事業は区の収入とはならないが、直接的な区民サービスや街の課題解決につながることだけでなく、住民の支援や区内で活動する企業が生まれるなど「少なからず効果がある」と期待を込めて取り組む。

 長谷部区長はふるさと納税の本来の趣旨を「街のリソースを生かして地域を活性化させていくこと」と位置付け、近年のふるさと納税は「商品購入が目的になっていると強く感じている」と疑問も呈した。「ふるさと納税のあるべき姿についてもいろいろな議論が起こることを臨んでいる」とも。

 寄付の受付は12月31日まで。

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