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迫るハロウィーン、渋谷区は今年も路上飲酒禁止 長谷部区長「ルール守って」

「ルールを守って」と呼びかける長谷部健渋谷区長

「ルールを守って」と呼びかける長谷部健渋谷区長

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 ハロウィーンが月末に迫った10月20日、長谷部健渋谷区長がハロウィーン対策について会見を開いた。

街なかに掲げられているマナー啓発するフラッグ

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 例年、イベントが開催されていないにもかかわらず、仮装をした多くの人が渋谷に集まり、仮装や写真撮影などをしてきたハロウィーン。器物破損や暴行、ゴミの大量放置など一部の来街者らによる犯罪・迷惑行為、暴走車両などが社会問題にもなっている。

 コロナ禍となった直近2年は、例年通り自主警備なども行う一方で、区公認のプラットフォーム「バーチャル渋谷」でイベントを行うなど、来街の自粛を呼びかけた。新規陽性者数も落ち着きを見せつつあり、街なかを含めて再開されるイベントが増えている今年。長谷部健渋谷区長は「コロナ以前には戻らないと思うし、そうしてはいけない」としつつ、「(昨年より)人出は多いのではないか」と想定。そのため、警備なども「手厚く」し、職員の人数も増やし対策する。

 今年は「ルールを守る人は、渋谷を守る人」というメッセージを発信しながらマナー啓発を図る。キャッチフレーズは、設立60周年を迎えた東京コピーライターズクラブのメンバーが考案。考案されたコピーは、センター街や公園通などの街頭フラッグ、駅前の憲章ボードに掲出している。

 「飲酒をして騒ぐ人が多かった」ことから、区では2019年、区が定めた特定の期間中に路上での飲酒を禁止する条例を制定。今年は今月28日から、駅周辺(道玄坂やセンター街、公園通りなどのエリア、区内の道路、公園、広場、公共の場所)で施行する。規制日時は、28日=18時~24時、29日~31日=0時~5時、18時~24時、11月1日=0時~5時。

 駅周辺のコンビニエンスストアを中心に、百貨店、小売店など16社(36店)には、29日と31日(19時~翌5時)に酒類の販売を自粛するよう呼びかけも始めている。街頭サイネージでは、日本語と英語で路上飲酒を禁止する映像を上映し周知を図っているほか、渋谷駅に乗り入れる鉄道4社の駅構内やバス車内でも、同様の広告を掲出する。コロナ禍で路上飲酒が「増えてきていた」ことから、「注意して声がけけなどをしていきたい」と長谷部区長。

 過去の状況から、ハロウィーン当日と、一番近い土曜日が「多くの人があふれる状況が見受けられる」ことから、29日・31日(各日19時~翌5時)には安全対策に特に注力する。民間の警備員各日100人程度を動員し、来街者の路上滞留の抑制を図る。両日共に、ハチ公前広場など10カ所程度に監視台を設置する予定。先駆けて28日~31日には、区職員(延べ60人程度を見込む)がパトロールを行い、路上飲酒・喫煙・販売・客引きなどの行為を指導する。実施時間は、28日・30日=19時~21時、29日=19時~23時、31日=19時~翌5時。

 過去に用意していた仮設トイレや着替えスペースは3年連続で設置しないが、「人が集まるとゴミが出る」と渋谷駅前ハチ公広場と宇田川交番前の2カ所に、ゴミの分別・回収場所を設置。11月1日早朝には「ハロウィーンごみゼロ対策実行委員会」が早朝にボランティア清掃の支援を行う。

 今年も、バーチャル渋谷でイベントが開催されることも決まっている。長谷部区長は「人出(の減少)につながっているか確信は無い」としながらも、「だめ・禁止と言うだけの街でなく、できることを提案していく街でありたいし、新しいチャレンジを常にしていくことは、ある意味渋谷の宿命かも知れない」と意義を語る。

 「ハロウィーン期間は僕らも難しい。街に来るなというのは言いたくないことなので、言うつもりはない。ルールを守っていつも通り楽しんでもらう分にはありがたい。新しい形でバーチャルハロウィーンも用意しているし、ご自宅で楽しんでもらうエンタメもある。(街に人が集まるということは)多くの人が愛してくれている街ということでもあると思うので、そういった気持ちを持って楽しんでもらいたい」と呼びかける。

 ハロウィーン対策の予算は、施行額で昨年と同程度となる5,800万円(駅周辺安全対策=土木部企画管理課4,400万円、ゴミ対策=環境整備課620万円、フラッグ・憲章ボード=産業観光課780万円)を計上する。

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