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渋谷区、独自のデジタル地域通貨「ハチペイ」導入へ 区内での消費喚起

「ハチペイ」利用イメージ

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 渋谷区は、区独自のデジタル地域通貨「ハチペイ」を本年度中に導入する。

「ハチペイ」ロゴ

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 サービス業・小売業・文化施設などが集積する渋谷区。2021年7~9月期に行った区内中小企業の景況調査では、「新型コロナウイルス感染症拡大による企業活動への影響」について、「マイナスの影響が引き続き継続している」という回答が最も高い54.9%という結果になったほか、「現時点での影響または今後出る可能性のあるもの」についてのアンケートでは、「製品・サービスの受注・売上減少」68.5%、「顧客・来客数の減少」39.5%などの回答があった(いずれも渋谷区中小企業の景状(令和2021年度第2・四半期)より)。

 区はこれまでも区内の事業者や商店街の支援として特別融資や、感染対策グッズの配布、キャッシュレス決済を活用したポイント還元で消費活性化事業などを展開してきたが、消費活性化事業は還元されたポイントが区外でも利用できることや、 区民への優遇が困難などの課題もあったことから、独自のデジタル地域通貨事業を始める。

 事業者は公開型プロポーザルで決定し、コンテンツ事業を手がけるカヤック(神奈川県)と2社が協業。クレジットカード業務などを手がけるジェーシービー(港区南青山5)と、外貨・邦貨の現金小銭を国内外の電子マネーに変換する「ポケットチェンジ」端末サービスの開発・運営などを手がけるポケットチェンジ(港区)と組み事業展開する。

 カヤックとポケットチェンジが開発するキャッシュレス決済アプリ「ハチペイ」を活用するほか、カヤックが展開するコミュニティーコインアプリ「まちのコイン(コイン名はハチポ)」と連携させる。

 「ハチペイ」は加盟店での買い物や飲食などでの支払いを円の代わりにすることができ、ポイント還元やプレミアム付き商品券、割引などのインセンティブが得られるようにすることで区内での消費喚起を促す。決済方法はQRコードとジェーシービーのNFCタグ(近距離無線通信技術(Near Field Communication)対応の非接触型ICタグ)を活用した決済サービスを活用。チャージはクレジットカードと銀行ATMを利用して行う。

 「ハチポ」はイベントやボランティアなど地域活動に参加することで獲得できるようにすることで、産業振興や地域コミュニティーの活性化を図る。ためたコインは加盟店やイベントなどでの体験に使えるようにする。換金性はないが、コインの一部を「ハチペイ」のポイントに交換したり「ハチペイ」ポイントがコインに還元されたりするようにして、双方を活用することでの相乗効果を狙う。ためたコインは一定期間が過ぎると回収・再配布される。

 利用は区民だけでなく、在勤、来街者など誰でも可能。マイナンバーカードの読み取りによる区民認証を行うことで、区民に向けた「よりお得な」キャンペーンも計画している。

 加盟店は区内に限り、導入費や店頭設置用のキットは無料で提供する。導入に先駆けて加盟店舗登録を8月10日に開始すると同時に、説明会も行っていく。

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