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渋谷で「無駄づくり」クリエーター藤原麻里菜さん企画 「札束ビンタ」作品など

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 不必要(無駄)と思われる発明品を作るコンテンツ「無駄づくり」を行うクリエーター藤原麻里菜さん率いる無駄(江東区)の体験型展示イベント「株式会社無駄渋谷支展-無駄なおしごと体験-」が8月8日、渋谷センター街の「マイラボ渋谷」(渋谷区宇田川町)で始まった。

札束でビンタされてやる気を出す

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 1993(平成5)年生まれの藤原さん。独学で電子工学などを学び、2013(平成25)年からユーチューブチャンネル「無駄づくり」を展開し、現在までに200個以上の作品を制作・発表している。2018(平成30)年に台湾で開いた海外初の個展には2万5000人以上が来場したほか、昨年、経済誌「Forbes Japan」の「世界を変える30歳未満の30人」に選ばれるなどしている。

 会場側からの誘いを受けて展開する今回。「無駄な時間を過ごせる場所をつくれたら」と考えるなか、藤原さん率いる同社が3月に立ち上がったことなどから、会社や仕事に関連したコンテンツを企画。これまでに制作してきたものの中から、仕事にフォーカスした6作品を展示する。

 会場に並んだ作品では、札束を挟んだアーム状の機械が左右に動くところに顔を近付けることで「札束でビンタ」されて「やる気を出し」たり、ストレスを発散させるかのようにパンチングマシーンをたたくと自動で定型の謝罪メールが打てたりする。

 新作は無いが、「イヤホンケーブルを絡ませるマシン」は約50センチの大きさにして用意。会場に用意するイヤホンケーブルを、中に突起が付いた円形の装置に入れボタンを押すと装置が回り、イヤホンケーブルを絡ませる。来場者はそれをほどくまでが「仕事」となる。制作が大変だったという、ファンの風でビニール袋を浮かす「ビニール袋が舞うのをぼーっと見続ける」も150センチの大きさで設置し、座って見られるようにソファも置いている。

 来場者は入場時に受付でタイムカードを受け取り、タイムカードを押して体験開始。「タスク」と称して作品を体験(=職業体験)し、退場時に再びタイムカードを押すことで「無駄に過ごした時間」を可視化できるようにした。

 「面白いと思うもの、不便に思うこと、感情の揺れ動き」などからアイデアを得て、一人で制作している藤原さん。その中でも仕事は「生活と関わりと深いのでアイデアは考えやすいのかも」と言い、「私たちは隙間時間が生まれると、『生産的なことをしなきゃ』『効率的なことをしなきゃ』と思いがちだが、ぼーっとする孤独や、何の生産性のない時間も豊かな生活のために大切なことなんじゃないかと思うので、そういう気付きとかが得られたらうれしい」と話す。

 初日からSNSなどで知ったファンが足を運んでいるほか、通りかかった人の来場もあるという。藤原さんは「センター街の一角にあるからこそ、いろいろな人が見てくれている感じがあって面白い」と喜びを表現する。

 開催時間は11時~19時。入場無料。9月11日まで。

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