Bリーグ・サンロッカーズ渋谷（以下、SR渋谷）が5月1日、青山学院記念館（渋谷区渋谷4）での今季最終試合を迎え、レバンガ北海道（以下、北海道）を101-73で下した。

ディフェンスで場内を沸かせたベンドラメ礼生選手

　「自分たちのシュートをリズム良く決められ（勢いに）乗れた」（ベンドラメ礼生選手）試合の立ち上がり。ベンドラメ選手が開始約1分30秒でミドルレンジのシュートと3ポイント（P）シュート2本の8得点を挙げる。途中出場した盛實海翔選手は、前日の試合で「ボールを持った時にミスがあった」反省から「思いっきりアタックしてシュートで終わろう」と積極的にドライブ（ドリブルでゴール下に攻め込むプレー）を仕掛け得点を重ねた。北海道はドライブに対してヘルプの寄りが早いディフェンスをするが「練習から対策していたので、ゴール下まで行ったら打ち切るだけだった」と言う。

　第1クオーター（Q）は25-21と点を取り合うが、第2Qは立ち上がりにボールを奪うなど好守が続く。中でも、ベンドラメ選手がガードに前線からプレッシャーを掛けミスを誘発したプレーにはファンから一際大きな拍手が送られた。「あれだけ当たると疲れる」とベンドラメ選手自身、コート上で「しんど（い）」とこぼしていたが、「いつもと変わらないことをやったつもりだが結果的に攻めあぐねてくれた。僕たちが求めているスタイルなので良かった」と振り返った。ベンドラメ選手のディフェンスに「プレーしている自分達も（ファンと）一体となったのかな」と拍手を送っていた盛實選手も北海道のシュートをブロックする好守を見せたが、「スクリーンの後でズレができていたが、仲間がサポートしてくれてタイミング良くブロックにつながった」と言う。

　52-37と点差を広げて迎えた後半も立ち上がり約2分北海道に得点を許さず20点差を付けるが、北海道の大黒柱ショーン・ロング選手に連続得点を許し11点差まで詰め寄られると伊佐勉ヘッドコーチ（HC）はタイムアウトを要求。北海道にリバウンドで攻撃をつながれていたのに対し、「ビッグマンに任せていたのと、ボールが外側に落ちていた」ことから日本人選手たちにリバウンドを「頑張ろう」と指示。それ応えるよう、盛實選手はディフェンスリバウンドのボールに絡むなどして失点を抑えた。攻撃面では立ち上がりから好調だった石井講祐選手が3P2本など9得点を挙げ72-52とリードを広げた。

　最終Q終盤には、「北海道のビッグマンが西野のドライブに付いていけるわけがない」（伊佐HC）と積極的にボールを持たせた西野選手がドライブからのレイアップシュートに加え、ボールを奪うプレーからのダンクシュートで場内を沸かせ、3Pで100点にのせ、同所最後の試合に華を添えた。

　この日40分間出場したロング選手は43得点マーク。伊佐HCは得点能力を称えつつ、他の選手を10得点未満に抑えたことから、SR渋谷の選手達には「バスケットは5人のスポーツ。うちはチームで勝てた」と話したという。

　チャンピオンシップ残り1枠を争うライバルであるシーホース三河がこの日の試合に敗れゲーム差0となった。伊佐HCは試合後にコート上でハドルを組んだ際にそのことを選手たち伝えたという。ベンドラメ選手は「三河が負けたのは大きいが自分たちが勝たないことには始まらない」と気を引き締め、盛實選手も「自分たちは勝つためにコード上で精一杯戦うだけ」と力を込めた。残り試合数は3。ジェームズ・マイケル・マカドゥ選手の復帰が待たれるが、伊佐HCは「日に日に良くなっているとは聞いている。（試合）当日の状況で、ベンチにいるのでチャンスがあれば使う」と言及した。

　試合後には場内で「ファン感謝祭」を開催し、選手・コーチ・スタッフが4チームに分かれ対決。早押しクイズでは最年少・井上宗一郎選手が積極的に回答し、マスコット「サンディー」は「ダンシング・ヒーロー」に合わせて「バブリーダンス」を披露。関野剛平選手、田渡修人選手らも一緒に踊っていたが、ダンスを苦手とする石井選手は誘われてもかたくなに拒否していた。開幕直後にけがで離脱したライアン・ケリー選手や特別指定選手として加入していた日体大2年・小川麻斗選手からのメッセージも紹介されたほか、チームナビゲーターを務める元乃木坂46の相楽伊織さんらがMCを務め、チア「サンロッカーガールズ」もパフォーマンスを披露した。