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渋谷・Bunkamuraで「ミロ展」 日本とのつながりひもとく回顧展

場内には約130点の作品や資料を展示するphoto:Yuya Furukawa

場内には約130点の作品や資料を展示するphoto:Yuya Furukawa

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 スペインの巨匠ジュアン(ジョアン)・ミロの大回顧展「ミロ展―日本を夢みて」が現在、渋谷の複合施設「Bunkamura」(渋谷区道玄坂2)の「Bunkamuraザ・ミュージアム」で開催されている。

日本で56年ぶりに展示する「カタツムリ、女、花、星」

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 1893年、スペイン・バルセロナ生まれのミロ。美術学校で学び、故郷の風土に根差した作品を制作する一方、1920年にはフランス・パリに出て、シュルレアリスム運動にも参加。1944年には陶芸と彫刻の制作も開始。1956年にマジョルカ島パルマにアトリエを構え芸術活動を行い、1983年に90歳で亡くなった。

 国内では20年ぶりの回顧展となる同展は、「日本文化への深い造詣があった」ミロの創作活動に焦点を当て、「日本への憧れを象徴する」初期作品をはじめ、日本で初めて展示されたミロ作品などを通し画家と日本の関係に迫るほか、ミロのアトリエにあった日本の民芸品や批評家の瀧口修造との交流を示す資料を通してミロと日本の深いつながりをひもとく。

 会場では、約130点の作品と資料を展示。日本で最初に展示されたミロの作品である「焼けた森の中の人物たちによる構成」や、背景に浮世絵をコラージュした「アンリク・クリストフル・リカルの肖像」、「日本の書家たちの仕事に夢中になったし、確実に私の制作方法に影響を与えている」と語っていたという書画からの影響を感じさせる黒く太い線で描かれた絵画、日本文化に造詣が深い陶芸家ジュゼップ・リュレンス・イ・アルティガスと制作した陶器「花瓶」など。1966(昭和41)年にミロが来日した際のスナップ写真、佐賀の郷土玩具である杵島山一刀彫のカチカチ車、香川・高松の郷土玩具である鯛狆などの民芸品なども並ぶ。ミロの絵画と文字による表現の代表作として挙げられる、ミロがよく描いたモチーフであるカタツムリ・女・花・星のフランス語の文字を絵のように描いている「カタツムリ、女、花、星」は日本で56年ぶりの展示となる。

 ナビゲーターは俳優・杉野遥亮さんが務める。開館時間は10時~18時(金曜・土曜は21時まで)。入館料は、一般=1,800円、大学・高校生=1,000円、中学・小学生=700円ほか。土曜・日曜・祝日と4月11日~17日は日時指定予約制。4月17日まで(3月22日は休館)。

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