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元サッカー日本女子代表・大竹七未さん、渋谷区立猿楽小で「夢」テーマに授業

自身の経験わ交えながら話した大竹七未さん(中央奥)

自身の経験わ交えながら話した大竹七未さん(中央奥)

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 渋谷区立猿楽小学校で10月28日、元サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)の大竹七未(なみ)さんが特別授業を行った。

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 日本サッカー協会(JFA)が、「子どもたちの心身の成長に寄与する」ことを目的に、2007(平成19)年から行っている「JFAこころのプロジェクト『夢の教室』」。サッカーをはじめとする競技の現役選手やOB・OGらを「夢先生」と位置づけ小学校に派遣し、「夢を持つこと」「夢に向かって努力することの大切さ」を伝える授業を行っている。

 今回、広域渋谷圏を中心に事業を展開している東急グループの東急不動産ホールディングスが地域貢献の一環として協力した。大竹さんは読売日本SC・ベレーザ(現・日テレ・ベレーザ、以下ベレーザ)に所属し日本女子サッカーリーグで5度の優勝などを経験。日本代表として1996(平成8)年のアトランタオリンピックにも出場している。今回は5年生を対象に授業をした。

 体を動かす「ゲームの時間」では、クラスメートと協力して目標を達成することを伝えるため、「だるまさんが転んだ」をベースにしたゲームを行った。教室で行った「トークの時間」では、大竹さんが教壇に立った。「仲が良かった友達と一緒にいたかった」ことや、土下座をして「何があってもあきらめるな」という条件付きで両親から許しを得て小学2年でサッカーを始めたが、男子チームに交じってプレーしていた小学5年では、男子からいじめに遭った。「今も覚えているくらい本当に苦しかった」と言うが、「やめないで良かったと思えたのは両親やコーチの支えがあったから」と振り返った。

 小学6年の時に、テレビで女子の日本代表チームがあることを知り、日本代表入りを夢見たという大竹さんは、中学1年でベレーザに入団すると、練習と勉強に明け暮れた。19歳で日本代表入りを果たし、夢をかなえた。「泣きたいわけじゃないのに自然と涙が流れてきた」と当時を振り返り、「夢をかなえた瞬間ってそれくらいうれしいので、『あの時あの先生が言っていたな』と思い出してくれたらうれしい」と呼び掛けた。

 その後、整備されていない女子のプロ契約を新たな夢に練習を重ねたが、オーバートレーニングで骨折を繰り返した。「もうだめだと何度も思った」と言うが、夢に向け「骨にいい」と言われた野菜や魚を食べたり牛乳を飲んだり好き嫌いを克服。加えて、チームメートが「いつ戻ってくるの」「大丈夫」と連絡をくれたことから、「仲間の大切さを知った」と自身の経験を話した。

 大竹さんは「夢に向かう時はいいことばかりじゃない、苦しいことは必ず出てくる。その時に辞めたら終わりで、その時にどう考えられるかがすごく大事。そういう時だからこそできることがあると考えて、乗り越えてほしい」と呼び掛け、「一度きりの人生だから夢に向かって頑張ってほしい。応援している」と授業を締めくくった。

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