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サンロッカーズ渋谷、22点差をひっくり返し勝利 カギ握ったディフェンス

12得点を挙げるなどしヒーローに選ばれたベンドラメ礼生選手(手前)

12得点を挙げるなどしヒーローに選ばれたベンドラメ礼生選手(手前)

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 サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月28日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で横浜ビー・コルセアーズ(同、横浜)と対戦した。観客数は2277人。

26得点リバウンド10本などをマークしたロバート・サクレ選手

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 最大点差22点差をひっくり返し77対73で勝利を収めたSR渋谷。そのカギとなったのは、チームのアイデンティティーでもあるディフェンス(DF)だった。ビハインドで迎えたハーフタイム、伊佐勉ヘッドコーチ(HC)は、第2クオーター(Q)で横浜・細谷将司選手に3ポイント(P)シュート4本を含む17点を挙げられたこともあり、ガードに対するDFの間合いを詰めるとともにビッグマンのDFラインを「もう一歩前に」出すことで強度を上げた。その結果、後半は横浜を22点に抑えることに成功。横浜のトーマス・ウィスマンHCも「ガードが(DFの)プレッシャーに耐え切れず、引いて崩れた」とSR渋谷のDFを敗因に挙げた。

 細谷選手とマッチアップする場面もあったSR渋谷のベンドラメ礼生選手は「自由にさせないことを意識してプレーできた」と振り返る。伊佐HCはポゼッションに合わせて選手交代を頻繁に活用するスタイルであることから、「与えられた時間でいかにプレッシャー与えて走るかが大事。頻繁に選手交代があるメンタルでいるとプレッシャーを掛けやすい」と遂行できた要因を挙げた。

 伊佐HCは加えて、先の東京戦で「最後の球際で負けた」ことや前日の試合で「大事なところでボールをつながれた」ことから、「ガードもビッグマンも関係ない。男の意地でボールをつかみに行け」と全員でリバウンドを取りに行くことを指示。アグレッシブにDFすることで横浜にミスが生まれシュート率が落ち、DFリバウンドを取ることで速攻を出せるようになり、オフェスのリズムをつかんだ。伊佐HCは「選手たちが100%遂行してくれた。しっかり5人でリバウンドを取り切って走れたのが一番大きいのでは」とも。

 前日「個人的にもやられた感じで負けた」ことから「やってやるぞ」という気持ちで試合に入ったという杉浦佑成選手。第1Qにはセットプレーでの外角のショット、3Pと5点を挙げ、第2Qにはドライブからライアン・ケリー選手をアシストする場面も見られた。劣勢の展開に「やばい」と思ったというが、伊佐HCが第3Qで一桁まで詰め、最終Q5分で6点差にすれば勝負できると、点数配分を明確にしたことから「そこまで焦らずに後半も戦えた」と振り返る。ただ、「(後半にシュートを)決められなかったのは悔しい。いつまでも期待されているままではダメ。結果を残して計算できる選手にならなくては」と力を込めた。

 試合終盤2・3点を争う場面、横浜はファウルゲームを選択。残り17秒で3回のファウルを受けたロバート・サクレ選手はフリースロー6本中5本を決め勝利に貢献。「(日本語で)ムシンムガ(=無我無心)で、フリースローに限らず競った場面でもいろいろなシュートは迷いなく集中してやっている」とメンタルの強さを見せた。伊佐HCがボールとプレーヤーが動くバスケスタイルを目指していることから「1対1や孤立したプレーが減っている感覚があり、コートにいる5人が心地よくプレーできている」と新体制の手応えをうかがわせた。「一つの勝ちがターニングポイントになると思っていた。プラン通りやれば勝てるという自信にもつながったので、いい勝利だった」とも。

 7試合ぶりの勝利にベンドラメ選手は「長かった、やっと勝てた」と勝利をかみしめ、伊佐HCは「内容も問いたいが、そういっている場合じゃない。今日の勝敗で来週までのチームの雰囲気が変わると思っていたので、この1週間、いいかたちで臨めるのでは」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。杉浦選手は「勝ったことが自信回復につながったと思うので、継続して次も勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。

 SR渋谷は11月3日・4日に千葉ジェッツ、同7日にレバンガ北海道とアウェーで戦った後、同11月10日・11日にシーホース三河とホームで戦う。

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