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サンロッカーズ渋谷、伊佐勉ヘッドコーチ体制初陣も白星飾れず

伊佐勉(写真左)ヘッドコーチ体制で初陣を迎えたサンロッカーズ渋谷

伊佐勉(写真左)ヘッドコーチ体制で初陣を迎えたサンロッカーズ渋谷

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 サンロッカーズ渋谷(以下、SR渋谷)が10月27日、青山学院記念館(渋谷区渋谷4)で横浜ビー・コルセアーズ(同、横浜)と戦った。観客数は2253人。

強い思いを持ってコートに立った山内盛久選手

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 前日の26日、ヘッドコーチ(HC)の交代を発表したSR渋谷。今月24日に代行で指揮を執ったが、新任の伊佐勉HCが率いての初陣となった。伊佐HCは「タイムシェアをするタイプ」であることから、選手たちには「出たら自分の仕事をしてくれ」と伝えたという。

 その手腕が顕著に見られたのは最終クオーター(Q)の残り1分で8点差を追いかける場面。伊佐HCは、オフェンス(OF)では「シュートがうまい」長谷川智也選手や清水太志郎選手らを投入し、ファウルが立て込んでいた長谷川選手やロバート・サクレ選手にはDFをさせないよう頻繁に交代。采配が当たり、4点差となった残り19秒で「いいディフェンダー」と評する広瀬健太選手がスチール(ボールを奪うプレー)からチャンスを生んだ。得点にはつながらなかったが、伊佐HCは「そこまで持っていけたのは、選手も交代の意図が分かったのでは」と一定の評価を示した。

 そんな伊佐HCに人一倍強い思いを持っているのは、同じ沖縄出身でかねて所属していた琉球ゴールデンキングスの練習生時代から約10年の付き合いがある山内盛久選手。伊佐HCが指揮した24日、「勝ちたいという気持ちが個人的に強かった」試合で、接戦となった終盤に起用されるも逆転負けを喫したこともあり「(今日は)より気持ちを入れて臨んだ」という。

 山内選手が出場したのは第2クオーターから。出場直後に3ポイント(P)シュートを決めたほか、横浜の外国籍選手をかわすダブルクラッチを見せたりドリブルでディフェンス(DF)を引き寄せ満原優樹選手の得点をアシストしたりと6分強の出場時間で5得点アシスト2本、リバウンド3本と活躍した。

 伊佐HCを「HCらしくないHC」と表現した山内選手。「HCは孤独なイメージがあるが、選手としてプレーしていたのでどちらかというと選手寄り」と言い、それが表れたのが第1Q。3分過ぎで杉浦佑成選手を一度ベンチに下げるも、1分もたたないうちにコートに戻したシーン。伊佐HCは「ファイトしていなかったので怒ったふり」をして鼓舞するとともに、山内選手たちに「ちょっと怒るけどフォローしてあげて」と伝えたという。山内選手は「そこまで計算しているので、その思いに応えなくてはいけない」と力を込める。

 SR渋谷は第1Qからリードを奪い、第2Q途中に11点差を付けるも第3Qで逆転を許すと、追いかける展開に。終盤4点差まで追い上げるも一歩及ばず、79対84で敗れた。伊佐HCは「ボールと人を動かしたい」と考えているが、サクレ選手とライアン・ケリー選手という元NBAプレーヤーの「タレント」がいるSR渋谷。「2人に頼っている」場面も散見され、「それで勝てるわけではないので、チーム全体でもうちょっと動きたい」と課題を挙げる。山内選手も「劣勢になった時にこそチームとしてやろうというと口酸っぱく言われているので、最終的に2人が決めるとしても(ボールを)シェアして、チームバスケを追及していけたら」と話した。

 キャプテンの満原優樹選手はHCの交代に「戦術もあると思うが選手ができていなかったから。選手も責任を感じている」と胸中を明かしつつ、「戸惑っている余裕もなく、僕らがやらなきゃ何も変わらないと皆で話している。やるかやらないかだけ、やるしかない」と自らを鼓舞する。山内選手は「(伊佐HCは)選手をかばう意味で、『自分のせい』とよく言うので、そう言わせないように(したい)。選手たち自身がやるしかない」とも。

 両チームは28日も同所で戦う。

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