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「パルコ劇場」一時休館 手締め会に渡辺謙さん・南果歩さん、志の輔さんら

パルコ劇場で行われた「手締め会」の登壇者

パルコ劇場で行われた「手締め会」の登壇者

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 建て替えのため一時休業する渋谷パルコ(渋谷区宇田川町)パート1・9階の「パルコ劇場」で8月7日、手締め会が行われた。

パルコ劇場への思いを語る渡辺謙さんら

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 1973(昭和48)年の渋谷パルコ開店と同時に開業した「西武劇場」が前身となる同劇場。1976(昭和51)年にパルコ西武劇場に、1985(昭和60)年に現在のパルコ劇場にそれぞれ改名し、パルコが企画・製作する演劇などを公演してきた。席数は458席。

 米ピアニストのピーター・ゼルキンさんらが出演した「MUSIC TODAY」でこけら落としを行い、1990年から開いてきた朗読劇「ラヴ・レターズ」で幕を閉じた。467回目の上演となった最終日は、渡辺謙さん&南果歩さんの夫婦が共演した。

 手締め会には、渡辺さんや南さん、「ラヴ・レターズ」の翻訳・演出を手掛ける青井陽治さんに加え、1999年12月~2000年1月に上演した宮本亜門さん演出「ボーイズ・タイム」でデビューした佐藤隆太さん、今年7月に上演した同劇場最後の新作舞台「母と惑星について、および自転する女たちの記録」に出演した志田未来さん、1996年から同劇場で「志の輔らくご」を上演してきた立川志の輔さんが登壇した。

 フジテレビアナウンサーの笠井信輔さんが進行する中、5人は同劇場との関わりや思いを明かした。今回の夫婦共演に際して家で「練習したのか」と聞かれた南さんと渡辺さんは「(練習)しません、楽屋も別」「事務所も別なんで」と答え観客の笑いを誘った。青井さんは、ラヴ・レターズの世界観をあらためて紹介したうえで、役者の幅が広いことにも言及。最年少は13歳の小田茜さん、最高齢は79歳の南美江さんだった。東京で初めて見た舞台がパルコ劇場だったという志の輔さんは安部公房作品を見て「いつか、このステージに立つな」と思い、それから23年後に同劇場での公演が実現した。「(いつか)立つなとは思ったけど、落語家だから座るという…」と続け、会場を笑いで包んだ。佐藤さんは、楽屋までのアクセスを含めてルーティンができていて、舞台上で感じる感触、広すぎない空間など、全てが好きで同劇場を「実家のような大事な存在」と表した。7月に舞台を終えたばかりの志田さんは同劇場が無くなると聞き、2度目の舞台で周りが見渡せる余裕が出てきたところだったので切なくなって涙が出てきたという。

 その後、3年後に新しい劇場になることを祈念し、志の輔さんの音頭で観客も全員起立して三本締めが行われた。

 手締め会終了後の質疑応答で、「パルコ劇場にかける別れの一言」を聞かれた登壇者は、それぞれの思いを込めて答えた。「ありがとう、また会える日を楽しみにしている」(佐藤さん)、「成長させてくれてありがとう」(志田さん)、「20年間、渋谷という土地と落語という伝統芸能をつなぎ合わせてもらったことに感謝」(志の輔さん)、「かっこよく言えばシー・ユー。また呼んでもらえる自分でいたい」(渡辺さん)、ラヴ・レターズの最後のメリッサのせりふ「ありがとう、アンディ」に倣って「ありがとう、パルコ」(南さん)、ニール・サイモンの芝居「第二章」を踏まえて「終わりじゃないよね、第二章、よろしく(青井さん)。

 同劇場は2019年秋、新生渋谷パルコ内への再オープンを予定する。

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