カフェ店員の平均年齢は73歳――シニア層のスタッフが働く茶店「G-CHA & Ba-CHA(ジーチャバーチャ)」(渋谷区渋谷1)が3月20日、渋谷・宮益坂近くにオープンした。
緑の日よけ幕やのれんが飾られた入り口を抜けると、在籍する60代半ばから80歳までの、平均年齢73歳のスタッフが客を出迎える。俳優などではなく求人募集で集め、3人が常駐する。
店は、入居するビルが再開発で取り壊されるまでの遊休不動産として活用し、1年半~2年ほどの営業する予定。店員がタメ口でフランクに接客する原宿のコンセプトカフェ「友達がやってるカフェ」(2024年閉店)や、日常に潜む「いい人」の生態を切り取った体験型イベント「いい人すぎるよ展」などを手がけてきた人気クリエーティブディレクター明円卓(みょうえん・すぐる)さん率いるENTAKU produce(神宮前4)と、再開発に携わる東急が協業した。
ENTAKU produceが東急から「渋谷を盛り上げる店を」との依頼を受け、「若者の街」というイメージがある渋谷で、「シニアがかっこよく働ける店があれば面白い」と提案。明円さんもかつては「おじいちゃん子」。60~70代の両親世代も「元気」なのを見ていて、かねてシニア世代にかかわる企画・場づくりがしたいと考えていたという。少子高齢化問題に対しても、シニア世代の「楽しく新しい働き方」を提案したいと言う。
「ストリート感と上品さ」を組み合わせたユニホームは、スタッフ一人一人に合わせ、スタイリストがコーディネート。中でもベロアの襟付きブルゾンは、パターンから作ったオリジナル。動きやすいようにオーバーサイズに仕立てた。
シニア世代との仕事は「初めて」で、働き方は産業医などに相談しながら考案。「休みたいときに休む」「疲れたらすぐ言う」「楽しいから働く」という「3つのG&B(ジーチャバーチャ)ルール」を導入。スタッフが疲れた際には、営業時間内でも自由に一時休憩を取れるようにする。体に負担がかからないよう、基本的に座って接客する。来店客が記入するオーダーシート制で、見落としを防ぐため、店のキーカラーで視認性も高いピンク色のペンで記入。年配のスタッフが接客し、年配ではないスタッフ1人も常駐しドリンク作りなどをサポートする。
「孫制度」は、混雑時に店からお願いして来店客に手伝ってもらう制度。ユニホームを着てもらい、行列の整理や注文のサポートなどを手伝ってもらう予定で、孫制度を利用した客にはドリンク1杯を進呈する。
スタッフは写真撮影にも応じる。注文時にスタッフとの会話を楽しむか、撮影したいかを選べる。今後は、店頭にスタッフのプロフィルカードを掲出するなど、個々人に焦点を当てたコンテンツも予定する。
店舗はスケルトンの状態から造った。モルタルのベンチを置き、壁面にはグラフィックや金網、「健康」「FOREVER YOUNG FOREVER GENKI」と書かれたネオンサインを飾る。個室内は、シルバーのカウンターや障子など、和とストリートの要素を取り入れた。
ドリンクは、日本茶の生産などを手がけるTeaRoom(千駄ヶ谷3)の静岡産抹茶や茶葉を使う。「爺茶(ジンジャーほうじ茶)」(780円)、「婆茶(ジャスミン緑茶)」(800円)、抹茶ラテ(930円)などを提供。カップは3種のデザインから選び、提供時にはスタッフがカップに客の名前を書いたシールを貼って渡す。
ショッピングバッグ(300円)やステッカー(200円~)、キャップ(4,000円)、Tシャツ(6,300円)などのグッズも展開。客単価は1,000円前後。
SNSで知った若年層や、近隣で働くビジネスマン、インバウンド客など幅広い利用を想定。海外で働いていた経験から英語が話せるスタッフもいる。
営業時間は11時~19時。