株式会社エムクラス(本社:東京都港区、代表取締役:村上しほり、以下エムクラス)は、九州大学ビジネス・スクール 碇(いかり)研究室との共同研究のもと、経営幹部の登用や育成に関与する経営者・役員・人事責任者など128社を対象に、「経営幹部登用とエグゼクティブ・オンボーディングの実態調査」を実施し、2026年9月27日、九州大学東京オフィスにて、九州大学ビジネス・スクール碇研究室の公開研究会として、調査結果を発表しました。
経営幹部を選び、登用を決めることと、その人が経営チームの一員として力を発揮できることは、必ずしも地続きではありません。 外部から高い能力や経験を持つ人材を採用しても、期待した成果につながらない。社内で経験を積み、内部昇進した幹部が、新しい役割に適応できない。こうした問題は、本人の能力だけで説明できるものではありません。その背景には、役割や権限の設定、既存メンバーとの関係構築、組織文化の理解、組織による支援など、「登用した後」のマネジメントが大きく関係しています。
新任経営層が組織の戦略・文化・関係構造を理解し、早期に有効な貢献を行えるよう支援するプロセスが「エグゼクティブ・オンボーディング」です。
本調査では、内部昇進と外部採用の双方で、就任後2年以内の退出・更迭が一定数発生しているということが明らかになりました。また、期待された成果に達しなかった要因としては、約半数が「能力・経験のミスマッチ」を挙げたほか、約3割が「周囲との信頼関係構築が不十分」「期待される役割の定義が不明確」と回答しています。
さらに、オンボーディングを社内のみで完結することが難しい企業では、4割超が「客観的な視点の不足」「専門的知見の不足」を理由として挙げました。
こうした結果から、経営幹部登用における「失敗」は、単に人選の問題だけで捉えることはできません。
候補者の能力や経験を見極めることに加え、登用後に期待する役割を明確にし、組織との関係構築を支え、新たな経営役割への移行をどのように設計するか。
さらに、社内の当事者だけでは持ちにくい客観的な視点や、経営幹部の役割移行を支援する専門知見をどのように補うかも重要な論点です。
エムクラスでは、こうした登用後の移行プロセスを第三者の専門家が客観的・専門的な視点から支援するエグゼクティブ・オンボーディングが、経営幹部登用の成否を考える上で重要であると考えています。
経営幹部の登用は、企業の経営体制や今後の事業成長に関わる重要な意思決定です。
外部から新たな人材を迎える場合だけでなく、社内で実績を積んできた人材を昇進させる場合でも、経営幹部への就任によって、求められる役割や責任、意思決定の範囲、経営チームや関係部門との関係性は大きく変化します。
つまり、経営幹部への登用は、単なる役職変更ではなく、新たな経営役割へ移行する「移行期」でもあります。
一方、経営幹部登用では、候補者の能力や経験を見極める「選抜・採用」に関心が向きやすく、登用後に新たな役割へどのように移行し、組織の中で成果を発揮していくかというプロセスについては、支援の仕組みや責任主体が必ずしも明確に設計されているとは限りません。
そこで本調査では、以下を調査しました。
- 内部昇進と外部採用による違い
- 就任後2年以内の退出・更迭の発生状況
- 就任後のパフォーマンスと期待成果の達成状況
- 期待された成果に届かない要因
- 安定して力を発揮するまでの立ち上がり期間
- 企業が実施しているオンボーディング施策
- オン社内だけで支援を完結する場合の可能性と課題ボーディングの責任を誰が担っているのか
経営幹部登用の成否を登用時の人材評価だけでなく、就任後の役割設定や支援体制について考えることを目的としています。
内部昇進でも、就任後2年以内の「解雇・勧告・任期満了」を経験した企業が50.4%
過去5年間に新規登用された経営幹部について、就任後2年以内の退出・更迭の発生状況を調査しました。
内部昇進者については、「解雇・勧告・任期満了」を1名以上経験した企業が50.4%となりました。
また、外部採用者については、「自己都合退職」を1名以上経験した企業が4割超でした。
なお、内部昇進と外部採用では登用人数や有効回答数が異なるため、これらの割合のみをもって、両者の退出リスクを単純に比較することはできません。
重要なのは、登用後の退出・更迭が、外部から採用した人材だけに起きているわけではないという点です。
社内の事業や組織を理解し、これまで実績を積んできた内部昇進者であっても、経営幹部への登用後に期待した状態に至らないケースがあります。
経営幹部登用における「失敗」を考える際には、「誰を選んだか」という人選だけでなく、登用後にどのような要因が成果発揮を妨げているのかを見る必要があります。
成果未達の要因は「能力・経験のミスマッチ」だけではない
新規登用された経営幹部が期待された成果に達しなかった要因を聞いたところ、約半数が「能力・経験のミスマッチ」を挙げました。
一方で、約3割が「周囲との信頼関係構築が不十分」「期待される役割の定義が不明確」と回答しています。
つまり、経営幹部が期待した成果を発揮できなかった場合、その原因を「本人の能力不足」や「人選の失敗」だけに帰結させることはできません。
その人材に何を期待するのか。
どのような役割を担うのか。
既存の経営チームや関係者と、どのような関係を構築するのか。
こうした条件を登用前後で明確にし、本人と組織の双方を適切に接続していくことも、経営幹部登用の成否に関わります。
期待役割や関係構築が成果を左右する一方、登用後の支援は十分に整っていない
新任経営幹部に対するオンボーディング施策を見ると、「フィードバック/振り返り」は比較的実施されている一方、「伴走支援」は半数超、「関係者の巻き込み」は4割超、「役割の明確化・調整」は約4割で未整備・未実施となっています。
成果未達の要因として「周囲との信頼関係構築」「期待役割の明確化」が挙げられている一方で、それらを支える「関係者の巻き込み」「役割の明確化・調整」「伴走支援」は、十分に仕組み化されていない企業もあります。
経営幹部を登用した後に成果を評価するだけではなく、成果を発揮できる状態へ立ち上げるための支援を、企業側がどのように設計するかが重要になります。
社内だけでのオンボーディングが難しい理由に「客観的な視点」「専門的知見」の不足
オンボーディングを「社内のみで十分または概ね完結できる」と回答した企業は、中小規模から中堅・大手企業(※売上規模3,000億円未満)の全体で見ると約6割にとどまりました。
一方、同規模の企業では約4割が社内のみでの完結を難しいと捉えています。さらに、社内のみでのオンボーディング完結が「難しい」「非常に難しい」と回答した企業を対象とした調査では、4割超が「客観的な視点の不足」「制度・仕組みの未整備」「専門的知見の不足」を理由として挙げました。
こうした背景には、経営幹部のオンボーディングが、社内の関係者だけで完結しにくい構造があります。
経営幹部の登用では、CEO、人事、既存の経営チームなど、支援する側の社内関係者自身も当事者となります。そのため、本人と組織の状況を客観的に捉えることや、経営幹部特有の役割移行を専門的な視点から支援する上で、社内だけでは補いにくい視点や知見があることがうかがえます。
経営幹部登用の「失敗」を人選だけの問題とせず、第三者による客観的・専門的な支援を取り入れることが重要
本調査から見えてきたのは、経営幹部登用の成否を「適切な人材を選べたか」という人選だけで捉えることの難しさです。
成果未達の要因としては、約半数が能力・経験のミスマッチを挙げています。
しかし、それだけではありません。
約3割が、期待役割の不明確さや周囲との信頼関係構築の不足を挙げています。
さらに、登用後の支援を社内だけで完結することが難しい企業では、4割超が客観的な視点や専門的知見の不足を課題として認識しています。
こうした結果を踏まえると、経営幹部登用において必要なのは、
「誰を選ぶか」だけではなく、 「選んだ人材が、新たな経営役割で成果を発揮できる状態をどうつくるか」までを設計することです。
そのためには、候補者本人だけでなく、組織側の期待や経営チームの状況も客観的に捉え、期待役割を明確にし、必要な関係者との接続を設計しながら、登用後の移行を支援する必要があります。
そして、社内だけでは持ちにくい客観性や専門性を補うためには、第三者の専門家による視点と伴走を取り入れることが重要です。
エムクラスでは、こうした経営幹部の役割移行を体系的に支援するプロセスを、エグゼクティブ・オンボーディングと位置づけています。
経営幹部登用の「失敗」を、人選の失敗だけで終わらせない。
人選の見極めから、期待役割の明確化、組織との接続、登用後の伴走までを一連のプロセスとして設計すること。
これが、経営幹部登用においてエグゼクティブ・オンボーディングが重要であると当社が考える理由です。
【本調査の資料について】
下記までメールにてお問合せください。
別途ダウンロード用のURLをご案内いたします。
株式会社エムクラス
広報担当
press@m-class.co.jp
■株式会社エムクラスについて
株式会社エムクラスは、エグゼクティブオンボーディングを軸に、人財デューデリジェンスに基づいた客観的な評価や、PMIにおける「人・組織」のトランジション設計を展開。経営人材が真のパフォーマンスを発揮するための組織コンサルティングを提供し、企業の持続的な成長と価値向上に向けた支援を行っています。
会社名:株式会社エムクラス
代表取締役:村上しほり
設立:2020年11月
所在地:東京都港区北青山3-6-7青山パラシオタワー11階
URL:
https://m-class.co.jp/
■本件に関するお問い合わせ先
株式会社エムクラス
広報担当
press@m-class.co.jp