渋谷ヒカリエで「TWDW」開幕-オープニング講演に瀧本哲史さん登壇

約120人の観客は瀧本さんの講演に熱心に耳を傾けた

約120人の観客は瀧本さんの講演に熱心に耳を傾けた

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 新しい働き方を考えるイベント「TOKYO WORK DESIGN WEEK 2013(略称=TWDW2013)」が11月20日、渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)8階の「COURT」をメーン会場に始まった。

「昼の部」のワークデザインパーク会場の様子

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 「新しい働き方」や「未来の働き方」を模索する対話の場を目指す同イベント。1回目となる今回は「勤労感謝の日」を挟む7日間にわたり、「働き方」をテーマにさまざまなプログラムが展開される。

 イベントは「昼の部」(平日11時~17時)と「夜の部」(19時以降)の2部構成。昼の部は、フリーWi-Fiや電源、テーブルを提供するコワーキングスペースを中心に展開。ユトレヒトの江口宏志さんが「仕事」にまつわるテーマでセレクトした書籍を並べる本棚「しごと図書館」や、仕事旅行社スタッフが常駐する「しごと体験プログラムの無料案内所」なども設ける。併せて、「あなたの仕事の好きなところ/嫌いなところ」をテーマに、来場者が付箋を使い自由に意見を書き込めるウォール(壁)も設置。書き込まれた意見はリアルタイムにイラスト付きで編集している。

 「夜の部」は多彩なゲストスピーカーを迎え、講演やトークセッションを行う。初日はオープニングの基調講演として、京都大学客員准教授・瀧本哲史さんが登壇。「僕は君たちに武器を配りたい」(講談社)などの「武器シリーズ」の著者として広く知られ、当日はほぼ満席の約120人が集まった。

 トークは「僕の授業は、むちゃくちゃ早くしゃべるので、ついて来られない人がいる。でも講演後半くらいになると、人間もっと早くしゃべれるし、もっと早く聞けると実感できる。なので、無視してこの早さで進めさせていただく」と前置きしスタート。前半は自己紹介を兼ねて、東大助手やマッキンゼー時代、企業再建、投資業、京大客員准教授になるまでの経緯などを紹介した。

 続く本題では、「労働コストアップ、少子高齢化、国内消費減少、海外競争激化する日本社会で、どうやって働き、自分の人生を切り開いていけるか」といった視点から、具体的な企業の事例などを交えながら鋭く語った。「自分探しは意味がない。周りとの関係の中で自分のポジションが決まっていく」「ギブ・アンド・テークは成り立たない」「能力のない人はマルチプレーヤーではなく専門家になるべき」など、瀧本さん流の言葉やキーワードが飛び出した。さらにキーメッセージとして「全然違う人とある一点の興味と思いで ほんの少しの共通点で部分的につながる。そういう組織やプロジェクトに関わるのが、これからの働き方。ある関心で一時的に集まるチームを、どれだけ作れるかが大切」と提言した。

 最後は参加者を交えて活発な質疑応答が行われた。「もっと早口でしゃべりたいですか?」という会場からの質問に対し、瀧本さんは「しゃべるのはプリンターみたいなもので、コンピューターの処理速度に比べて遅い。どんなに頑張っても自分の考えているスピードを超えられない。だから空いた頭で、しゃべりながら違うことを考えている」と返し会場の笑いを誘った。会場では120分間にわたるトークに熱心に聞き入る姿が目立った。

 今後、「夜の部」のトークイベントは日替わりでゲストスピーカーを招き最終日まで続く。「昼の部」の利用は無料。今月26日まで。

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