ユーロスペースで「百軒店・シネマ・ウィーク」-百軒店でトークイベントも

文化の街としてにぎわいを見せた1950年ごろの百軒店。奥に見えるのが映画館「テアトルSS 写真提供=東京テアトル

文化の街としてにぎわいを見せた1950年ごろの百軒店。奥に見えるのが映画館「テアトルSS 写真提供=東京テアトル

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 円山町のミニシアター「ユーロスペース」(渋谷区円山町、TEL 03-3461-0212)は3月20日~26日、同館初の地域密着型特集上映会「百軒店・シネマ・ウィーク~百軒店、再発見~」を開催する。

 同館は1982(昭和57)年に桜丘町で開業し、2006年に円山町のミニシアターコンプレックス「Q-AXビル」へと移転。独自の路線でセレクトした作品上映に加えて映画配給・製作事業も手がけ、東京を代表するミニシアターの一つとして知られる。今回、移転から5周年を迎え、「桜丘も同じ渋谷とはいえ、ここは別の地域。新たな地で5年を経て、いい機会として周りを見てみたい」(ユーロスペーススタッフ岡崎真紀子さん)と地域密着型の上映イベントを企画。「円山町には商店会がない」ことから、円山町に隣接する百軒店商店会へと同企画を持ち込んだ。

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 個人経営の飲食店が多い百軒店商店会。地元について同商店会では、「昔は栄えていたが、今はおとなしくなってしまったという危機意識が強かった」と岡崎さん。一方でユーロスペースでは「映画館で映画を見た後に立ち寄れる場所があれば」という気持ちもあり、「(両者の)足りない部分が合致した」という。上映会では、商店会と連携しながら百軒店と縁のある映画作品を上映、同地域内を会場に関連トークイベントを展開していく。

 上映作品は、渋谷を舞台に孤独を抱えた少女と若手写真家の交流を描いた「渋谷」(西谷真一監督、3月20日)、かつて百軒店にあった劇場・聚楽座でデビューし、同地をこよなく愛したとされる俳優の長谷川一夫さんの代表作「近松物語」(溝口健二監督、3月21日)、百軒店での活動エピソードなども語られるロックバンド「MOONRIDERS」のドキュメンタリー「MOONRIDERS THE MOVIE PASSION MANIACS」(白井康彦監督、同22日)など5作品。

 20日の上映終了後には、同名原作「渋谷」の作者で写真家の藤原新也さんを招いたトークイベントを「Cafe MELT」(道玄坂2)で開催。翌21日は千代田稲荷神社社務所(道玄坂2)を会場に映画監督の柳町光男さんが上映作「近松物語」の魅力を語る。

 今後について、岡崎さんは「円山町も含めた幅広い近隣エリアで何か共同イベントを開催していきたい。今回の経験がその糸口を見つけるきっかけになれば」と期待を寄せる。

 百軒店は、渋谷の道玄坂と文化村通り、円山町に挟まれた一角に位置する。昭和初期には渋谷初の映画館「渋谷キネマ」が開館。昭和20年代には映画館街としてにぎわい、その後も劇場、ジャズ喫茶やロックバーなどが人気を博して映画と音楽の街として知られ、文化人・芸術家に愛されてきた。

 上映時間は連日12時~。入場料は1,000円。

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