スパイラルで新スタイルのアートフェア-若手ギャラリストら51人が出展

会場では巨大パネルを並べ、それぞれの壁を各ディレクターのブースに見立てる(写真=昨年の展示風景 ©SPIRAL/Wacoal Art Center Photo: Katsuhiro Ichikawa)

会場では巨大パネルを並べ、それぞれの壁を各ディレクターのブースに見立てる(写真=昨年の展示風景 ©SPIRAL/Wacoal Art Center Photo: Katsuhiro Ichikawa)

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 若手ギャラリスト・ディレクターが個人名義でアート作品を出展する新しいシステムのアートフェア「ウルトラ002」が10月28日から、スパイラル(港区南青山5、TEL 03-3498-1171)で開催される。

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 通常のアートフェアがギャラリー名義で出展される現状に対し、ギャラリーで実際に作家、作品を選定するディレクターが個人名義で作品をセレクト、展示販売する同フェア。新しいシステムを導入した先進的なフェアとして、昨年に引き続き2度目の開催。40歳以下の若手ディレクターにスポットを当て、美術界の次代を担う「新鮮な感性」に期待が集まる。

ディレクターの選定はスパイラルのチーフキュレーター岡田勉さんと、現場商會の池内務さんが担当。池内さんは「経験値よりも、真摯(しんし)さや作品を見る目の懸命さを基準に選定した」し、「売り上げも大切だが、自分の目で選んだものを世間に一生懸命見せようとするディレクターの『心意気』が重要」と話す。

 会場は、スパイラルホール(3階)に新たにスパイラルガーデン(1階)を加え、前回から倍増した51人のディレクターの展示に備える。所属画廊を持たないインディペンデントなディレクターからの出展もあり、一つのギャラリーから複数のディレクターが参加する例も同フェアならでは。広域渋谷圏からは、会場となる「スパイラル」の加藤育子さん、現代アートの通販サイト「ギャラリータグボート」(南青山2)の武方英恵さん、「hpgrp Gallery東京」(神宮前5)の戸塚憲太郎さん、「magical, ARTROOM」(恵比寿1)の伊藤悠さんなどが参加する。

 今回は東京圏のほかに「FUKUGAN GALLERY」(大阪市中央区)の村田典子さんや「ファーブル芸術事務所」(大阪市鶴見区)の澤田かおりさんなど関西圏からのギャラリストの出展も増加。池内さんは「実は(これまで)関東と関西のアート情報の交換はうまくいっていない」と明かし、関西から選出・提示されるアーティストらの「若くて面白くて良い、その上価格の手ごろ」な作品群にも期待を寄せる。

 前回の参加ディレクターからは「『名前を出すことで自信がついた』との声もあった」と池内さん。来場者へは「ネームバリューばかりが先行して、行く画廊が偏ってしまっている目利きの方にぜひ来てほしい。まだあまり知られていなくても良質な作品を見せているディレクターがたくさんいることを知ってほしい」と呼びかける。「3回目からはアジア圏へ出展者募集を広げたい。基本的なコンセプトを変えないまま国際フェアにできれば」と意気込みも。

 開催時間は11時~20時。入場料は1,000円(スパイラルホールのみ、スパイラルガーデンは無料)。期間中、トークイベントやギャラリーツアーも予定する。11月3日まで。

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