渋谷ユーロスペースで「北アイルランド映画祭」-初上映作など16本

映画「キングス」(2007年、トム・コリンズ監督)より。アイルランド、イギリスの名優たちが共演した

映画「キングス」(2007年、トム・コリンズ監督)より。アイルランド、イギリスの名優たちが共演した

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 渋谷「ユーロスペース」(渋谷区円山町、TEL 03-3461-0211)では2月9日より、北アイルランドの映画を集めた特集上映「N(ノーザン).アイルランド・フィルム・フェスティバル 2008(北アイルランド映画祭)」が行われる。

 宗教差別を発端に、1960年代後半から20年以上にわたり続いたテロや紛争のイメージも強く残る北アイルランド。90年代半ばから続いた停戦以降その経済、文化的発展は目覚ましく、昨年5月には自治政府再発足という歴史的一歩も踏み出した。

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 文化面では、演劇や文学など長年育んできた伝統文化をはじめ、地元映像作家による映像表現も多様化。近年では世界の映画シーンにも多くの人材を輩出するなど、これまで日の目を見ることのなかった「北アイルランド文化」に関心が高まっている。

 映画祭は、北アイルランドをテーマにした特集上映としては日本初の試み。日本初上映の作品も多く、短編3作を含む計16作品を上映する。劇場となるユーロスペースではこれまでにも、アイスランドやメキシコ、チェコなど1つの国の特集上映を通じて、その国特有の文化をユニークな切り口で紹介してきた。

 上映するのは、北アイルランドで製作されたもの、北アイルランド出身のフィルムメーカーが撮ったもの、北アイルランドを描いたもの。日本初上映となる「キングス」(2007年、トム・コリンズ監督)は、70年代アイルランドの西、コネマラを出た若い友人たちのその後と、それぞれの人生を描く群像劇。アイルランド、イギリスを代表する名優たちの競演も見どころ。

 同じく日本初上映作の「ハリーに夢中」(2000年、デクラン・ラウニー監督)では一転、酒好きで女癖も悪い中年の主人公ハリーの「愛奪還」劇をコメディータッチで描き、北アイルランド独特のユーモアも披露する。期間中は、同作で脚本・原作を担当したコリン・ベイトマンさんの短編コメディーも併せて上映する。

 著名監督では、映画「ネイキッド」(1993年)で監督賞、「秘密と嘘」(2006年)でパルムドールと仏カンヌ国際映画祭で2回の受賞歴を持つマイク・リー監督が宗教上の違いを持つ家族の日常を巧みに描き出した「7月、ある4日間」(1985年)も日本初上映。ほかにも、アイルランドからロンドンへやってきた親友2人組がゲイバーの「暗闇」に巻き込まれる異色作「9人のゲイ、殺される」(2002年、ラブ・カイ・モウ監督)、北アイルランドの首府ベルファストとそこで育った少年たちの成長を地元出身のテリー・ローアン監督が映し出した「ミキボーと僕」(2004年)などの個性豊かな作品が登場する。

 劇場では期間中、「キングス」のトム・コリンズ監督らによる来日トークイベントも開催。2002年ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞しながらも、日本では DVDリリースのみとなっていた「ブラディ・サンデー」(2002年、ポール・グリーングラス監督)の無料上映も行われる。

 入場料(一般)は、前売り=1,400円、当日=1,600円ほか。2月15日まで。

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