「明日の神話」招致など議題にシンポジウム-青山学院大学で

パネルディスカッションの様子(写真=左から井口教授、土屋ディレクター、三宅藤九郎さん、今村参与)

パネルディスカッションの様子(写真=左から井口教授、土屋ディレクター、三宅藤九郎さん、今村参与)

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 青山学院大学(渋谷区渋谷4)総合研究所ビルで12月5日、渋谷駅構内の設置に向けて本格化する岡本太郎作品「明日の神話」招致活動と、2025年の渋谷をテーマにしたシンポジウムが開かれ、ゲスト登壇した著名人や学生らが「未来の渋谷・青山像」について議論を交わした。

 シンポジウムは同招致活動の中心団体でもあるNPO法人・青山景観整備機構(本部=港区南青山5、以下SALF)と同大社学連携研究センターの共催企画で、文部科学省が推進する現代的教育ニーズ取組支援プログラム(現代GP)の一環。3年目を迎える今年は、「大学・地域の連携による文化創造と都市再生」をメーンテーマに、岡本作品招致をはじめ、来年3月の副都心線「新・渋谷駅」開業を機に都市計画が本格化する渋谷駅周辺のまちづくりの2議題にテーマを絞り、意見が交わされた。

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 シンポジウム冒頭では「明日の神話」に関する招致活動について、招致プロジェクト実行委員会の小林幹育委員長(宮益町会会長、渋谷・東地区まちづくり協議会会長)らが招致の背景やこれまでの活動、今後の展開などについて説明。6月の正式表明に始まり、キャッチコピー「ハチ公から太郎へ。」を記した駅前での巨大懸垂幕掲出、イベントでのチラシ配布などの活動実績を報告し、「来春(2008年春)にも結果が出る」(小林委員長)と自信を見せた。

 一連の招致活動については、SALF理事長で同大経営学部の井口典夫教授のゼミに参加する学生、伊藤エミイさん、森永悠太さん(ともに3年)が招致の効果計測と活動への評価を分析した論説を、それぞれ発表。伊藤さんがアンケート結果から算出したCVM(仮想市場評価)分析によると、現在招致場所に指定しているJR渋谷駅西口から井の頭線改札に向かう渋谷マークシティ2階連絡通路に壁画を設置した場合、通行客の「満足度」は10年間で10億円に上るという結果に。続けて発表を行った森永さんのアンケート調査では、活動の認知を広める方法として、巨大看板(懸垂幕)とテレビ報道が最も有効であることが証明された。

 第2部の「2025年を目指した都市再生プロジェクト」と題したシンポジウムでは、同大4年の竹本誠さんが登壇。渋谷駅周辺の都市再生案やまちづくり方針を盛り込むかたちで同1日に発表されたばかりの「渋谷駅中心地区 まちづくりガイドライン2007」に沿い、2025年渋谷の将来像について研究成果を発表した。立体模型とCGで駅周辺のまちづくりに関する積極的な提言を行った竹本さんは、渋谷区が都市再生で掲げる戦略のうち、多世代が集う楽しい街の実現、広場・坂・路面店を生かした「渋谷らしさ」を持った景観形成の2点に焦点を当て論旨を展開。駅の西口東口をつなぐ東西自由道路の設置や東口バスターミナルの移動などについて提言した。

 村田明日美さん(4年)と深澤悠一郎さん(3年)は、ともに伝統芸能で「観光立国」を担う地区を目指す千駄ヶ谷の実験的まちづくりについて発表。千駄ヶ谷駅前での人々のまちづくりに関する調査結果や今月から駅前に実験的に設置したエリアマネジメント拠点の概要を発表。鳩森八幡神社など千駄ヶ谷周辺に点在する地域資源の有効活用、来年の副都心線「北参道駅」開業から見込める若年層の取り込み、来街者向けの街のルート整備などが不可欠として今後の具体的活動にも意欲を示した。

 シンポジウム最後のパネルディスカッションでゲスト登壇したのは、日本テレビ放送網エグゼクティブディレクターの土屋敏男さんと和泉流女性狂言師の三宅藤九郎さん、トーキョーワンダーサイト館長で東京都参与の今村有策さんの3人。「明日の神話」再生プロジェクトでメディアパートナーを引き受けた日テレ土屋ディレクターは、生前の岡本敏子さんとのエピソードを交えながら「日本の若者の目は生き生きとしていない。人々の『心のエンジン』になるのは、結局は文化的なもの」と、明日の神話招致が若者にもたらす効果について言及。

 都内で文化振興に努める今村参与も、パリの国民的イベントに成長した「Nuit Blache(白夜)」の例を挙げながら「アートや芸術は人を動かす。経済や物質的なものではなく、直接の答えがないものに取り組む姿勢がこれからは大事」とまちづくりのヒントにもなる提言を加えた。会場に弟の和泉元彌さんを連れ立って出席した女性狂言師の三宅さんは、自身の小学校などでの公演を振り返り「子どもは昔も今も実は変わらない。子どもや若い才能を伸ばすことが後の財産になる」などと話した。

青山景観整備機構青山学院大学渋谷区、岡本太郎作の巨大壁画「明日の神話」招致に名乗り(シブヤ経済新聞)渋谷・文化会館跡地の再開発計画明らかに-高層ビル建設へ(シブヤ経済新聞)新渋谷駅は「地宙船」イメージ-安藤忠雄さんデザイン(シブヤ経済新聞)

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