映画「いのちの食べかた」-食品生産現場を追うドキュメンタリー

映画「いのちの食べかた」(ニコラウス・ゲイハルター監督)より。大量に浮かべられたりんごの様子

映画「いのちの食べかた」(ニコラウス・ゲイハルター監督)より。大量に浮かべられたりんごの様子

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 ベルトコンベアで次々と運ばれる小さなひな鶏の群れや、機械による「包丁さばき」で瞬時にさばかれていく大量の魚など、普段何気なく口にしている食物の「生産現場」を独自の視点でとらえたドキュメンタリー「いのちの食べかた」(ニコラウス・ゲイハルター監督)が11月10日より、シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2、TEL 03-5766-0114)ほかで公開され、話題を集めている。

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 ニコラス・ゲイハルター監督は1972年オーストリア生まれ。20代で自身の制作会社を立ち上げ、これまでに手がけてきた作品には、チェルノブイリ原発や世界の未開文明を追ったものなどドキュメンタリーも多数。取材が困難とされる食品生産工場に潜入し、約2年間かけて取材を試みた同作は、自身初の日本公開作品となる。

 作中では、具体的なナレーションもインタビューもないまま、実際に食材が生産されていく様子をひたすら「映像」のみで伝えていく。取材先などもあえて明らかにしないことで、情報のみが先行しがちな「ニュース」と差別化を図ったという。何気なく口にしている食物がどこで生まれ、どのように育てられ、どう加工されて店頭に並ぶのか――生産現場を追いながら、「いのち」ある家畜や魚さえも大規模な機械化によって管理せざるをえない現代社会の実情を浮かび上がらせる。

 公開初日には長蛇の行列もできたシアター・イメージフォーラムでは、11月17日と24日にトークイベントを開催。著書「いのちの食べかた」の著者で映画監督・ドキュメンタリー作家の森達也さん(17日)、イラストルポライターの内澤旬子さん(24日)が、それぞれ登壇予定。

 同作は今後、年末から春先にかけて全国の劇場でも順次ロードショー公開される。配給はエスパース・サロウ。

「いのちの食べかた」公式サイト

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