
期間限定のかき氷店「寅の子かき氷 -toranoko shaved ice-」が7月19日、居酒屋「ミチナキミチ」(渋谷区松濤1)に限定オープンする。
1868(明治元)年に創業し、建物が国の登録有形文化財にも指定されている滋賀の老舗料亭「双葉 魚寅楼」の6代目として生まれた遠藤瑛(よう)さんが中心となり立ち上げた「toranokoプロジェクト」の一環となる同店。遠藤さんが働く、PRやマーケティングを手がける「TAKE onと、広告・マーケティング・PR事業などを手がけるNapol、コンサルティングやSNS運用支援などを手がけるレターが共同でプロジェクトを立ち上げた。伝統の「継承」ではなく「再創造」を目指すという。
6代目の遠藤さんは「料理に対して情熱を持ち切れない」と、同店を継がない選択をしているが、伝統産業などで言われる「後継者不足の一端を担っている」とも感じていると言う。「自分に何ができるか」を考える中で、同店は旅籠(はたご)屋だった「双葉館」を遠藤家が買い取り料亭として営業している歴史もあることから、「血筋ではなく、守りたい人が形を変えながら紡いできた思いを守ることが大事。文化を伝えて共感して、守っていける人が集えば」と、プロジェクトへの思いを話す。
かき氷店は、渋谷エリアで興味関心を引くことや実家の料亭を知ってもらうことを目的に、夏季に合わせて期間限定で開く。遠藤さんが2021年に料亭で始めたカフェでも、かき氷を提供。今後は、茶農家や器業界など、さまざま文化を広める取り組みをしていきたいという。
かき氷は、滋賀で提供しているメニューをベースに、滋賀を意識したフレーバー6種類を用意。「みたらしの」は、滋賀で天然醸造された国産丸大豆しょうゆを使い、のりとあられをまぶしたかき氷。「近江の抹茶」は、滋賀の一番摘みの抹茶や黒豆の甘煮、紅はるかを使ったサツマイモソース、沖縄産黒糖の黒蜜を使う。「マンゴー」は、アルフォンソマンゴーのソースやアルフォンソ種のピューレ、ミルクソースなどをかける。価格は1,500円~1,700円(予価)。
営業時間は11時~16時(土曜・日曜・祝日は17時まで)。8月31日まで。