
渋谷・明治通り沿いのビルを含む6棟が解体される。東京建物(中央区)が発注者となり、6月27日に解体工事に着手する。
対象となるのは、渋谷駅から恵比寿方面に向かい、周辺に渋谷警察署や金王八幡宮などが立つ渋谷3丁目エリアの一角にある6棟。延べ床面積は1万3554.32 平方メートル。
6棟はいずれも1970年代から80年代にかけて完工。うち3棟は明治通り沿いのビルで、1階に「はなまるうどん」(3月閉店)が出店していた「渋谷アサヒビル」、地階に「かつ吉」(6月閉店)が入っていた隣の「KDC渋谷ビル」、さらに隣の、1・2階に「キンコーズ」が入る「東京建物渋谷ビル」。
明治通りから一本入った場所に立つ3棟は、建築家・永田祐三さんが設計し、遺跡のような独特な存在感でも知られた「三基商事ビル」と、その隣の「渋谷ロイヤルビル」、キンコーズ裏手の「渋谷IBSビル」。東京建物によると、一部取得予定のビルや単独所有ではないビルも含むものの、同社が「おおむね保有している」という。
6棟が立つ渋谷3丁目地区では、「同まちづくり推進協議会」が中心となり、2020年から勉強会を開き、2021年に渋谷区に「街並み再生方針」の検討に向けた提案書を提出。意見交換を経て、区は2022年5月、東京都に「街並み再生地区の指定及び街並み再生方針(案)」を提出し、6月に「街並み再生地区の指定及び街並み再生方針」を策定。2023年7月に最終決定した。解体される6棟は全て、同地区計画のうち「A地区:金王八幡宮周辺地区」のエリア内に立つ。
再生方針では、幹線道路沿いのビルの老朽化や、金王八幡宮周辺の参道の環境、エリア内の回遊性や地区内外をつなぐ歩行者ネットワークの問題などの課題を挙げ、緑豊かな地域資源なども生かしながら、IT企業が集積するイノベーション拠点の誘致や、参道での新たな歩行空間の形成などを目指すという。
解体工事は来年5月30日までを予定。その後の建て替えについて、同社は「詳細を検討中の段階」としている。