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渋谷マークシティ上空通路高架下にアーティスト作品 落書き問題解決へ

橋脚にアーティストの作品を掲出した

橋脚にアーティストの作品を掲出した

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 渋谷駅周辺の落書き問題の解決を図るアーティスト公募企画「TYPELESS(タイプレス)」が始まり、第1弾として3月25日に渋谷マークシティ(渋谷区道玄坂1)と旧東急東横店・西館を2階レベルでつなぐ渋谷マークシティ神宮通り上空通路橋脚に作品が掲出された。

落書きがされていた以前の様子

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 渋谷駅中心五街区の公共空間や広場、歩道のにぎやかしや美装化など「持続的なまちづくり」を行う一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントによる取り組み。落書きやシール貼りが多い場所にアートを掲出することで美化を図る。

 同所では2022年に渋谷の一時避難場所をアートで指し示す「シブヤ・アロープロジェクト」の一つとしてブラジル人アーティストの作品を掲出。昨年には、渋谷区と民間企業などで構成するコンソーシアム「Shibuya Startup Deck」などによる工事現場を活用したアートプロジェクト「ENLIGHTEN(エンライトン)」の一環でアートを掲出したところ、「かなり改善された」ことから、同法人が引き継ぎ「タイプレス」を企画した。「タイプレス」には「型にとらわれず、脱却する」という思いを込めた。アーティストの表現の場になることも目指す。

 第1弾となる今回は昨年11月に公募し、「エンライトテン」で掲出したアートの制作を担当した実績もあるEmbedded Blue(品川区)を採択。同社は、都市空間にアートが現れたアートを目にして、「どんな意味を成すのか」ということを考えることで、街やアーティストのことを考えることにつながる連鎖を眺めるアートプロジェクト「YOU FEEL」を企画した。

 アーティストは、街を飾るという視点からスタイルや過去の作品から選定。選ばれたのは、表情をはっきりと描かない肖像画シリーズ「Anonymous Portraits」で知られるKAZUSA MATSUYAMAさん、アナログとデジタル両方の手法で作品を手がける三澤亮介さん、日本画の技法でストリートのモチーフを描く新埜(あらの)康平さん、自然とテクノロジーをクロスさせたデジタル作品など主に海をモチーフにした作品を手がける尾潟糧天(りょうてん)さんの4人。

 同所の橋脚8本に掲出している作品は同所のために制作された新作で、原画をスキャンして拡大プリント(3メートルまたは5.6メートル)して貼っている。「シブヤ・アロープロジェクト」とも連携し、有事の際の一時避難場所(同所からは代々木公園)の方向を示す「矢印サイン」もあしらっている。

 掲出に合わせてオルタナティブスペース「elephant STUDIO」(渋谷2)で4月1日~7日、掲出作品の原画を含む各アーティストの新作を展示する。

 今回の作品は、次回掲出作品が決まるまで展開する予定(1年以上)。「タイプレス」は、落書きやシール貼りが多い場所や夜間暗くなり歩くのをためらってしまう場所など、今回の場所以外にも展開していく予定で、来年度も参加アーティストを公募する。

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