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渋谷の複合文化施設「Bunkamura」がメタバース開設 展示企画なども

第1弾企画「Bunkamura オペラの軌跡~これまで、そしてこれから」を展開するギャラリー

第1弾企画「Bunkamura オペラの軌跡~これまで、そしてこれから」を展開するギャラリー

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 渋谷の複合文化施設「Bunkamura」(渋谷区宇田川町)の仮想空間上の拠点「Bunkamura メタバース」が2月15日、オープンする。

映像コンテンツを用意するシアター

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 1989(平成元)年9月、オペラやバレエなどのステージを展開するオーチャードホール、演劇を中心とした舞台表現の劇場であるシアターコクーン、美術館のザ・ミュージアム、ヨーロッパ映画を中心に上映する映画館のル・シネマ、ギャラリー、カフェなどを併設した「複合文化施設」として開館した同施設。隣接する東急百貨店本店の再開発に伴い、昨年4月10日以降、日曜・祝日を中心に公演するオーチャードホール以外は休館。代替施設などで営業を続けている。

 そうした中で展開するオンラインの取り組みの一つとして開設するのが「Bunkamura メタバース」。国内外の人に向けて仮想空間上で文化芸術の発信を図るほか、時間や場所の制約を受けることなく文化芸術に触れられる場として、ファン同士のコミュニケーションの活性化にもつなげたい考え。

 利用者は10体用意するアバターから好きなものを選び入場することができ、アバターは拍手や手を振るなどのアクションやソファに座ることなどもできる。空間内にはエントランスをはじめ、展示企画を行うギャラリー、映像コンテンツを上映するシアター、ボイスチャット機能で利用者同士が交流できるコミュニティースペースを用意し、移動しながらコンテンツを体験できる。パソコンやスマートフォンなどからウェブブラウザーで閲覧できる。外部へのウェブサイトへのリンクや、メタバース内でのライブ配信やアバターによるガイドツアーなど、リアルと連動させることもできる。

 第1弾企画としてメタバース内のギャラリーでは、オーチャードホールのこけら落とし公演となった独音楽祭「バイロイト音楽祭」日本公演で上演された「タンホイザー」をはじめ、「魔笛(まほうのふえ)」(1989年ほか)、「トゥーランドット」(1999年ほか)などの「Bunkamura オペラ劇場」シリーズ、2005(平成17)年のベルギー王立歌劇場来日公演「ドン・ジョバンニ」など、Bunkamura主催のオペラ公演のポスターや写真、映像資料を展示する「Bunkamura オペラの軌跡~これまで、そしてこれから」を開催。展示されているポスターを選択すると、公演の詳細を見ることができる。

 展示内では、Bunkamuraの35周年記念公演として「めぐろパーシモンホール」で今月21日~25日に上演する「ORCHARD PRODUCE 2024 鈴木優人&バッハ・コレギウム・ジャパン×千住博 モーツァルト:オペラ『魔笛』(新制作・全幕上演)」のメタバース限定コンテンツとして、出演者のコメントや衣装展示なども展開。シアターでは同作に関する映像コンテンツを上映する。

 「Bunkamura メタバース」は、施設を運営する東急文化村とNTT ArtTechnology、大日本印刷が開発・構築。東急文化村は展示企画・キュレーション、「魔笛」特別イベント連動企画実施、NTT ArtTechnologyは企画構想・プロデュース、大日本印刷はプラットフォームの提供・運用、メタバース空間の制作などを、それぞれ担当している。

 オープンは15日12時予定。ポスター展は3月31日まで(予定)。今後は、今回の取組結果を踏まえてBunkamura主催の企画展や国内外の美術館とのコラボレーション展示、教育プログラムを検討する。

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