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東京都写真美術館などで「恵比寿映像祭」 「テクノロジー?」テーマに展示・上映など

ルー・ヤンさんの「DOKU ルー ・ ヤンのデジタル転生」撮影:新井孝明

ルー・ヤンさんの「DOKU ルー ・ ヤンのデジタル転生」撮影:新井孝明

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 15回目となる「恵比寿映像祭」が現在、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)を中心に開催されている。

東京五輪の開会式で行われたドローンを使った演出を再構築した作品

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 2009(平成21)年に始まった映像とアートのフェスティバルとなる同祭。国内外の新進作家の発掘・支援を行うと同時に、多くの人が多様な表現に触れる「開かれた」機会づくりとなることで、国際交流・地域交流の活性化を図る。

 今年は「テクノロジー?」をテーマに、写真・映画・ビデオ・アニメーションなど多種多様な映像表現の実践を検証し、「アートと技術との対話の可能性」を考察する。

 新たな取り組みとして、日本を拠点とする新進アーティストに映像作品の制作を委嘱する「コミッション・プロジェクト」を導入。作品発表の場として、館内3階の展示室では荒木悠さんによる、米ハードロックバンドKISSのコピーバンドとして京都を拠点に活動する「WISS」の映像インスタレーション「仮面の正体(海賊盤)」、葉山嶺(れい)さんのウサギワラビーの「剥製」のCG「Hollow-Hare-Wallaby」など4作品を紹介している。

 展示企画は地下1階・地上2階の展示室で行う。中国出身のルー・ヤンさんは2020年から取り組んでいる「DOKU(ルー・ヤンのデジタル転生)」シリーズの最新作を展示。モデリング技術を用いて作られた人間(ヤンさん自身)の「デジタル転生」という存在を表現している。ノイズやストライプなどのグリッチエフェクト(画像の乱れを用いた効果)をかけた映像が映されたディスプレーに建築資材の単管パイプを突き刺した「Death by Proxy #1」(ホウコォ・キュウさん)、カメラ2台を表裏に配して一つの出来事を撮影し1画面に合成した越田乃梨子さんの「破れのなかのできごと ~壁・部屋・箱~(三部作)」、数十個の大きな風船で作家自身が浮かび上がるフィオナ・タンさんの16ミリフィルムの映像「リフト」などの作品を展示する。

 1階のホールでは上映プログラムを展開。映像作家の故ジョナス・メカスさん生誕100年を記念した特集、昨年7月に逝去した飯村孝彦さんの作品11作品を上映する特集、コマ撮りや2.5Dなどさまざまな技法で撮影されたアニメーション作品の特集などをラインアップする。

 恵比寿ガーデンプレイスのセンター広場では、東京オリンピックの開会式でドローンを使った演出を手がけたメンバーである野老朝雄さん、平本知樹さん、井口皓太さんによる展示を行う。同大会の開会式で、ドローンで表現した球体の組市松文様を彫刻化。光を投影することで光と影の新たなインスタレーションとして再構築した。

 会期中はライブイベントやシンポジウム、トークセッション、恵比寿エリアのギャラリーとの連携プログラムなども展開。

 開催時間は10時~20時(最終日は18時まで)。月曜休館。入場無料(上映など一部プログラムは有料)。2月19日まで。

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