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写美で岩合光昭さん写真展 パンタナール舞台にジャガーなど撮影

「野生の大自然を感じていただきたい」と話す岩合光昭さん

「野生の大自然を感じていただきたい」と話す岩合光昭さん

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 動物写真家・岩合光昭さんの写真展「PANTANAL パンタナール 清流がつむぐ動物たちの大湿原」が現在、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)地下1階で開催されている。

水辺で「ごろん」としているジャガー

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 岩合さんは1950(昭和25)年東京生まれ。19歳の時に訪れたガラパゴス諸島の「自然の驚異」に感動し動物写真家としての活動を始めた。あらゆる地域で自然と野生動物を撮影し続け、ネイチャー誌「ナショナル ジオグラフィック」の表紙を2度飾るなどしているほか、半世紀以上ライフワークとして撮り続けている猫の写真でも知られる。

 パンタナールは南米大陸中央部のブラジルとボリビア、パラグアイにまたがる熱帯湿地。ブラジル側の大半が「パンタナール保全地域」として世界遺産に登録されている。岩合さんがパンタナールを知ったのは1986年のことで、「ナショナル ジオグラフィック」誌の編集者から「最も興奮する場所」と聞き、訪れたいと願っていた場所だという。同展では2015年から3年半の期間に5回行った撮影取材での写真100点以上を展示する。

 メインで撮影したのは「見つけるのが大変」なジャガー。狩りをしている場面や木の上にいる姿などを捉えているが、同展のメインビジュアルにも使われている水辺で「ごろん」としている一枚は、20メートル程度離れたボートの上から撮影。ジャガーの姿が水面にも映るよう、ボートに這いつくばってカメラの位置を水面に近付けて撮ったという。

 そのほか、オオアリクイやバク、ヤシの実に手を伸ばそうとしているフサオマキザル、動くコースやスピードを予測し先回りして撮ったというアカハナグマの群れ、巣穴を掘っていたのか間近に迫るまで気が付かなかったというムツオビアルマジロ、水中で1メートルくらいまで近付いて正面から撮ったパラグアイカイマンなどの写真も並ぶ。特に野生動物は襲われる危険もあるが、「僕が怖いと思うと動物も怖いと思うので、(経験から)怖いと思わないようにいつの間にかなっていった」と言う。加えて、撮影する際には「(動物は)近付いていくと『これ以上近付くな』というのを示してくれるので、その距離をわきまえて、保ちながら撮影することをすごく気を付けている」と続けた。

 カピバラの鼻にウシタイランチョウが止まろうとしている瞬間の一枚は、ウシタイランチョウがカピバラの鼻息で飛ばされているように見えた人もいるようで、岩合さんは「それぞれがいろいろな感想を持ってご覧になるのが写真展の面白さなのでは」と相好を崩す。サイズの大きい作品が多く「子どもの視線でも見やすく」ようになっているため、親子で来場した際には、「こういう風に感じているんだと、お子さんが言っていることを聞いてほしい。お子さんに気付かされることもあると思う」と話す。

 パンタナールを「おそらく行くだけでも、ひょっとしたらその方の人生がガラっと変わってしまうような、それだけ衝撃を受ける場所」と表現し、「少しでもこの写真展で、野生の大自然を感じていただきたい。ジャガーという動物の素晴らしさをほんのちょっとでも味わっていただければ」と呼び掛ける。

 6月25日(11時~と14時~)には、同館1階のホールで岩合さんのトークイベントを開催する。定員は先着150人。当日10時より同館1階総合受け付けで整理券を配布する。

 入館料は、一般=800円、学生=640円、中高生・65歳以上400円ほか。月曜休館(祝日の場合は開館し翌平日が休館)。7月10日まで。

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