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渋谷に「気候時計」設置へ CO2削減に向け若者集団がクラウドファンディング

渋谷に設置を目指す「クライメートクロック」の現在のデザインイメージ

渋谷に設置を目指す「クライメートクロック」の現在のデザインイメージ

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 世界の平均気温上昇を産業革命以前から「1.5度」に抑えるために残された時間を刻む「Climate Clock(クライメートクロック)=気候時計」を渋谷に設置することを目指し、18~20歳の4人で構成する「気候変動アクティビスト」集団「a(n)action(アナクション)」がクラウドファンディングを行っている。

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 気候変動問題の深刻化が叫ばれる昨今。クライメートクロックは昨年9月に米ニューヨークで初めて設置されたもので、地球の平均気温が1.5度以上に上がるCO2が排出されるまでの時間をカウントダウンするデジタル時計。現在ではあと7年211日程度となっている。

 アナクションは、クライメートクロック設置に向け、気候危機解決に向けた若者によるムーブメント「Fridays For Future(未来のための金曜日) Japan.」に参加していた4人が11月に結成。それぞれ政府への政策提言や署名活動、企業へ向けたキャンペーンなどを行ってきた。今回クライメートクロックを設置することで「自分の未来に引きつけて考えることが出来る人を増やせるはず」と考え、「市民で市民の意識を変える、共感者を募ろう」とクラウドファンディングを始めた。

 最初の設置場所は、「若者文化の発信地、カルチャーが生まれる場所」であることから渋谷に決めた。当初は大きいサイズで設置を考えていたが、渋谷駅周辺は広告が多いため視認性が低くなると判断。小型(23センチ×63センチ)にしてさまざまな場所に設置することで、タッチポイントを増やすことを目指す。今回設置を予定するのは5カ所で、具体的な設置場所は現在、渋谷区観光協会や渋谷未来デザインと共に調整中だが、商業施設のレストルームやエレベーター、商店のレジなどを検討している。

 クライメートクロックにはQRコードを付け、アクセスした先では「政府による気候変動対策の加速を求める宣言」に1タップで参加できる仕組みをつくる。宣言が1万回を突破するごとに、アナクションのメンバーが環境省に赴き、宣言を通知する予定。

 アナクションのメンバーで大学2年の三島のどかさんは「大人に指図されるのではなく、自分たちで自分たちの社会をつくっていく」と若者がアクションを起こす意義を話す。「(クライメートクロックは)7年半から0になるまでに対策を取ろうというメッセージではなく、伸ばしていこうというもの。気候変動対策はイケているカルチャーというカルチャーをつくる役割りを果たせると思っているので、市民の力で資金を集めて変えていきたい」と支援を呼び掛ける。

 クラウドファンディングは「READYFOR」で実施。目標金額は1,000万円。2022年1月27日(23時)まで。

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