見る・遊ぶ

東京都写真美術館で「世界報道写真展」 大賞はコロナ禍での「抱擁」

「世界報道写真大賞」に選ばれた透明のカーテン越しに抱擁をする女性2人をとらえた1枚

「世界報道写真大賞」に選ばれた透明のカーテン越しに抱擁をする女性2人をとらえた1枚

  • 14

  •  

 「世界報道写真展2021」が6月12日、東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、目黒区三田1)で始まった。

「世界報道写真ストーリー大賞」に選ばれたイスラエルで長期間拘束されている家族を追った作品

[広告]

 ドキュメンタリー・報道写真の展覧会となる同展は、1955 年にオランダのアムステルダムで世界報道写真財団が発足したことを機に翌1956年に始まった。毎年、主に前年に撮影された写真を対象にした「世界報道写真コンテスト」が1月~2月開かれ、国際審査員団によって選ばれた入賞作品を紹介。

 64回目を迎える今回は、130の国と地域の報道カメラマン4315人から計7万4470点の応募があった。会場では、「現代社会の問題」「一般ニュース」「環境」「長期取材」「スポーツ」など8部門で入賞を果たした45人の作品約150点を展示する。

 展示作品の中には、新型コロナウイルスの感染が疑われプラスチックシートで密封された遺体、防護マスクと医療用ゴーグルの跡が残る医師のポートレート、マスクに向かって泳ぐカリフォルニアアシカの姿、ロックダウンのなか自宅で練習するスポーツ選手など、複数の部門で新型コロナを背景にした写真も複数見られる。

 入賞者の中からその年の最も優れた作品が「世界報道写真大賞」「世界報道写真ストーリー大賞」となる。今年の「世界報道写真大賞」は、デンマークのマッズ・ニッセンさん(ポリティケン/パノス・ピクチャーズ)が撮影した「初めての抱擁」。昨年8月にブラジル・サンパウロの介護施設で撮影された一枚で、入居者の女性が新型コロナ防止の透明なカーテン越しに看護師に抱擁されている姿を捉えた。

 複数の写真で一つのテーマを表現した作品を評価する「世界報道写真ストーリー大賞」に選ばれたのは、イタリアのアントニオ・ファンシロンゴさん(ゲッティルポタージュ)さんの「ハビビ」。イスラエルで長期間拘束されているパレスチナ人とその家族を追った作品で、紛争を背景とする人たちの「勇気と不屈さ」を年代順に記録した。「ハビビ」はアラビア語で「私の愛」を意味している。

 開館時間は10時~18時。観覧料は、一般=1,000円、大学・専門学校生=800円ほか。月曜休館(振替休日の場合は開館し翌平日休館)。8月9日まで。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース