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渋谷・宮益坂の将来像を明大生らが提案 特設カウンターで人の居場所づくり

幅員22メートルの宮益坂の「将来像提案」を模型で紹介

幅員22メートルの宮益坂の「将来像提案」を模型で紹介

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 宮益坂中ほどにある渋谷郵便局付近の歩道に11月13日~15日、ボラード(車止め)に即席で取り付け仮設カウンターへと展開できるボラサイトを使った「ボラサイトテラス」が出現した。都市フェス「ソーシャルイノベーションウィーク渋谷(SIW)」の一環。

ボラサイトテラスの様子

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 ボラサイトは明治大学佐々木宏幸研究室の学生らが開発・制作。新型コロナウイルス感染防止対策の一環として、3密を避けることを目的に道路占有許可基準の緩和を得て、宮益坂商店街振興組合が主催し、一般社団法人渋谷未来デザインと同研究室が協力して行った。同大理工学部建築学科准教授の佐々木宏幸さんによると、「学生らと(宮益坂に)何度も足を運び、坂を眺める中で、既存のボラードを活用してカウンターを設置して人の居場所を作る発想が生まれた」と話す。

 併せて、宮益坂が「人の居場所」をテーマに造り替えられたときのイメージを可視化するため、「宮益坂の将来像に対する提案」を、模型を使って紹介した。幅員22メートルの宮益坂のエレメントを再配置。車道と車道の間に9メートルに及ぶテラス帯を設け「移動のための道路から滞留のための街路」を目指す。仮設カウンターの一つに置かれた模型に足を止め、学生から話を聞く歩行者の姿も多く見られた。

 模型は「人のための空間としてどれくらいの可能性を持っているか、建築学科の学生が学んだことを生かして見える化したもの」だという。「ワークショップなどでは『人が中心』と言いながら、実際に検討を進めると、車の出入りや荷さばきのことから考え人が後回しになることが多い」と佐々木さん。

 「人のためにベストの空間を作ったうえで車のことを考えた」という今回の提案。「人の空間のためのベストとして真ん中にテラスがきて、その後、車をどうさばくか。テラスとテラスの間にハンディキャップの人の駐車場、フードトラックの置き場を入れ込んだ」と解説する。「空間構成を抜本的に変えないと、従来の道という概念からストリートという概念にはなかなか変えられない」

 同所では昨年9月、2005年に始まり世界的ムーブメントとなった、路上のパーキングスペースを小さな公園に変える「Park(ing) Day(パーキングデー)」が行われた。

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